表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/200

3話 図書館の支配者ー03

「ふぅ。」


「落ち着いたかい?茉莉君?」


一時はどうなる事かと思ったが、千鶴子さんが出て行くと、背中のムズムズはすぐに引いていった。


「あぁ。何とかね。」


「それで?どうする?千鶴子君には会っていくかい?今は図書館にいるらしい。」


「いや、そうだな、うーん、出来れば、遠慮しておきたいね。」


「ふふっ、言うと思ったよ。でもまぁ、最初の挨拶は重要だからね。入ろうか、図書館に」


「…………まぁそうだろうね。何となく、そんな気はしていたよ。」


「というかね、本当は、図書館の紹介はもっと後に回そうと思ってたんだよ。私は。」


「ええ!?でも最初に図書館に来たじゃん。」


「じゃん、って君。………だからね、図書館の場所の紹介だけして、さっさと次にいこうとしていたんだよ。それなのに、君がぐずぐずしてるから。」


「ぐずぐずって………」


「本当に勘弁して欲しいよ、お陰で千鶴子君だけじゃなく、頴娃えいくんも紹介する必要が出来てしまったじゃないか。最後に回そうと思ってたのに。」


「えー君?アルファベットの?あだ名か何か?」


「いや、違うよ。【えい】だよ。え【い】。というか、ベッタベタなボケをするねぇ、茉莉君。」


「いや、別にボケたつもりは無いんだけどね。頴娃ってのはどんな子なの。」


何処か沈んだ声で栞が答えた。

「…………………【図書館の支配者】だよ」


どこかで聞いたような名前だな。というかそれは………

「それは、千鶴子さんのあだ名じゃなかったっけ?」


「いや、それは違うよ。」


「いやでもさっき君が…………………」


栞はちょっとだけ考え込んだが、直ぐに思い出したようにいった。

「ああ、アレはだから、千鶴子が勝手に私に言わせたんだよ。」


そういう事か。

「ふーん、で、頴娃っていうのはどんな人なの?」


栞はやはり少し沈んだ声で言った。

「…………………だから、【図書館の支配者】だよ。」


何でさっきから声が沈んでるんだろうか。

「何かさっきから微妙に元気がない気がするけど。」


「うん。ちょっと私は頴娃君が苦手だから。」


それは余り理由としては成り立っていない気がするんだが。

「ふぅん。それはまたどうして?」


「あっさり聞くんだね、君は。そういう事を。………彼はね、ちょっと性格が特殊なんだよ。うーん、まあ、能力者っていうのは、どこかしら変な人が多いもの何だけどね。私と彼は、何というか…………………そう、相性が悪いんだよ。相性が。」


「相性、ねぇ。」

彼女が特殊な性格というなんて。どんな奴なんだろう、興味でてきたな。


「はぁ、あんまり気が進まないけど、そろそろ入ろうか、図書館に。千鶴子君をあまり待たせてもいけないだろうしね。」


そこで名前を出さないあたり、本当に頴娃という人が、苦手なのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ