4話 マシンガントーカーー03
「―――それで、私が見えないのにその子には見えてたのよ、本当に見えていたのかしら、そもそも幽霊なんて気持ち悪いわよね、信じる信じない以前に私はそんなに不確かな存在は気持ち悪いと思うのよ、でもいたらいたでそれはまた面白いわよね、最初は気持ち悪いかもしれないけど、いる事がしっかり分かってしまえば、それは面白い事だと思うのよ、幽霊側から見た世界とか、驚かせるコツとか、普段何をしているのかとか、普段聞けないような話を聞けると思うのよね、つまり、新しい経験が出来て、それはそれでかなり面白いんじゃないかしら、だから最初の気持ち悪いという嫌悪感、というより先入観を捨てて、話してみればきっと事態は好転すると思うのよ、あそういえば、幽霊と妖怪って何が違うのかしら、お化けとか妖精とか、他にもいろいろあるけれど、正確に分類してみると面白いかもしれないわね、あでも自縛霊とか怨霊とかに会うのは間違っても嫌ね、話とかする以前に殺されちゃいそうだもの、そういう存在に殺される時って、普通の殺され方をしなさそうだから、あもちろん映画とかで見た事なんだけどね、体中ぐちゃぐちゃにして殺されるなんて、考えるだけで寒気がするわ、会うならやっぱり背後霊とかがいいかもしれないわね、優しそうだし、つまり―」
さっき黙り込んでいたのが嘘のように、フォリスは絶好調に喋り続けている。
僕は、時々相槌を挟みながら、そんなフォリスの話を、聞くともなく聞いていた。
「そういえばさ、図書館って、あのままなの?」
僕が昨日倒れてしまった後、図書館がどういう状態になっているのか気になったので聞いてみた。
もっとも、あんなに目茶苦茶になってしまったのだ。一晩でどうこうできるとは思えないけど。
「だからね、それでその子の見てた霊が―――え?あのままって?」
「いや、あんなに豪快に壊れたからね、これから片付けるの大変だなぁ、って。」
「まぁそうね、でも別に直す必要もないんじゃない?あの部屋使ってる人なんていないし、それに―――」
「それなんだけどさ―――」
フォリスの言葉を遮って、僕はずっと頭に引っかかっている事を聞いてみた。
「―――あの部屋って、本当に無人だったっけ?」