体を売る少女は誰に買い取られたのか
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「あーもー疲れた! これだから頑固な依頼人は! ……って、もう十二時回ってる!?」
出張でとある地方都市の繁華街を訪れていた私は、腕時計を見て足の動きを早めた。
さすが夜の繁華街というだけあって、なかなか名状しがたいようなジャンルの店の客引きがちらほらと見受けられる。
「そこのお兄さん、可愛いコたくさんいますよー!」
「女の子と好きなだけ遊べて、三時間四万円! いかがですかぁ!」
女とはいえ、こういう人達は容赦なく絡んでくる。早くこの地帯を抜けたい。
「お、女の子と、えっ……えっちなこと……し、しませんかっ!? ……わ、私を一晩、い、一万円で、どうですかっ!?」
一人、やけに客引きが下手くそな女性がいた。少女を一晩一万円とか、価格設定馬鹿でしょ。
……って。
「に、千春!?」
「えっ、新菜ちゃん!?」
その馬鹿な客引きは、私が昔から好きだった同級生だった。
「千春。あんたいったい、こんなところでなにしてるのよ!?」
「ふ、ふーぞくの、客引き……」
「だからなんで!?」
「……新菜ちゃんは私達の地元を離れて探偵になったから知らないだろうけど……お父さんとお母さんが、私達姉弟を置いて蒸発したの。二千万の借金を残して。六人の弟達はまだまだ小さいし、私が、生活費を稼がないといけないから…………。私要領悪くて、バイトも全部、クビになっちゃって……」
「だからって……」
「今すぐお金が必要なの! 弟達が、お腹を空かせて待ってるの! お金返さなきゃ、みんな身売りされちゃうの! うっ……ふえぇぇぇん………………」
「あんたまさか……それで、今まで生計を立てていたの?」
「……うん」
「バカじゃないの!?」
「っ!」
「あんたそれじゃあ、あんた達を売ろうとしてる奴等と一緒よ!? 体は、売り物なんかじゃないのよ!?」
「……きれーごと、言わないでよ………………。わかってるよ、そんなこと…………」
「……はぁ。いいわ、みんなまとめて、私が面倒見てあげる」
「そ、そんな、悪いよ…………」
「……じゃあ二千万日以降にお金返せるのね?」
「そ、それは……」
「……そんなに体を売りたかったら、いい商売相手を紹介してあげる」
「ど、どんな人……?」
「私」
「……え?」
「だから私」
「……ごめん、ちょっと意味が…………」
「だーかーらー! 私があんたを買い取るの! 私があんたのオーナーになるのよ! ついでにオプションで六人の弟も付けといて!」
「い、いいの? お金とか……」
「……そういう生活していたから、あんたは知らないだろうけどね……」
「……なに?」
「私、これでも警察関係者には結構名の知れた、探偵なのよ? あんた達よりは、お金に困ってないの。だから……」
私は、思いきって、千春の唇に、自身の唇を重ねた。
「これで、契約成立ね」
という事で、キスの日をテーマにした小説を書きました。あんまりキスの日関係なかった気もしますが。