下校途中の拾い物
遅れたくせにまだ大会篇には至りません。
新キャラです。
「今の話以外でも
絡んできた不良倒したり、
誘拐されかけたところから
助けてくれたりしてるんだよ!」
「・・・とりあえずあんたが
『厄介事の磁石』みたいな者ってことは
分かったよ。」
友里が呆れたように言う。
「廉は何か武道的な物を習っていたのかい?」
力が唐突に聞く。
「俺のばぁちゃんといろいろあってな。
いろいろ習わせさせられたよ。」
「例えば?」
「・・・いろいろだよ、いろいろ。」
「りっきー、あたし達はこっちだよー」
「あ、もう分かれ道か。
『いろいろ』の中身気になるなぁ。」
「また機会があったらな。」
「じゃあ、また明日。」
「おう、お互い頑張ろうぜ。」
この学園都市は住んでいた地域で
区画が分けられている。
なので、
元々学園都市に近い新東京に住んでいた廉達と、
学園都市からは
少し離れた神奈川に住んでいた力達は、
別な区画に住んでいるのだ。
また、学園都市が
日本のいくつかの場所にできるにあたり、
合併した都市も少なくない。
新東京も、旧東京と旧埼玉が合併した都市なのだ。
ちなみに、廉達は新東京地区のとあるマンションに
住んでいる。
さらに、メルは廉のお隣さんだ。
廉はメルの親から、とても好意的に思われている。
なので、「いざというとき守ってくれ」と
頼まれていて、自然色の家なので断りにくい。
なら、自宅から通わせれば、と、
廉が提案すると、「娘の頼みは断れないよ」
と言われた。
どうやら、メル自身が望んだらしいが、
その理由を廉は知らない。
「ね、ねぇ、廉、あれって・・・女の子だよね?」
メルの視線の先には、
空き地の草むらに倒れる女の子がいた。
「え"っ」
廉はたびたび
メルに巻き込まれてきたトラブルから、
こういう時のメルは
トラブルを引き寄せる、と予感した。
「・・・声、掛けるか。」
一見行き倒れに見えなくもない少女を
放っておく訳にも行かず、
「おい、大丈夫か。」
廉は声を掛けて、少女を揺すった。
「ん、んぅ。」
ぱち。
少女の視線が廉を射た。