オススメタグ【内政】
どんなチート勇者であろうと倒せない
赤ちゃんの微笑み一つでも倒せる
それが政治改善もの、“内政”になります。
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内政の重要なファクター、それは『戦う相手は敵でも悪でもない』事です。
分かりにくい?
なら極小の内政『家庭』をサンプルとしてみましょう。
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例えば妹。
彼女は最近おかしくなってしまったようです。
食事中でも真夜中でもスマホをポンポン。
早寝早起きだったのが遅寝朝ねぼう生活になり、いつもダルそう。
やたらキレやすくなって家族や親しい人に八つ当たりをする。
なんか肥えてきた。
何かがおかしい、どうすればいいのか分からない。
苦しんでいるらしい妹に対し、自分は何をしてやれる?
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妹さんの不調の原因を探すのが、《探偵》や《冒険者》への【依頼】
解明した原因のトラブル・シューティングが【内政】となります。
内政の魅力は【トラブル・バリエーションの豊富さ】と、【解決アイデアが無限】だという事です。
妹さんのネタを引っ張るなら、
週末ライブの限定チケットを懸賞で当てたから。
好きな人ができたから。
深夜アニメに嵌まったから。
過度なダイエットをしているから。
学校の文化祭執行委員になったから。
学校でイジメを受けているから。
万引きを見られたから。
スマホ依存性になったから。
脱法ハーブに手を出したから。
妊娠したから。
病気になったから。
個人レベルでも、これくらい可能性はあります。
それが家族レベル、村レベル、町レベル、国会レベル、世界レベルだとより巨大で複雑なものになり、解決アイデアも複雑怪奇になります。
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≫わるい まおうを たおした。 せかいに へいわが おとずれた
勇者は魔王を倒せても、津波を倒せない。
疫病を倒せない、
貧困を倒せない。
飢餓を倒せない。
戦災を倒せない。
戦災孤児をすくえない。
すさんだ人心を救えない。
絶望や怒りから救えない。荒れ地が元々の森林に戻るには、こぼれ落ちる億の命をすくうには、チートといえどしょせん二本の腕しかない勇者では無力なのです。
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そんな、【内政】に必要なのは個人の力ではなく、“みんなの協力”になります。
災害のメカニズムを研究する、防災訓練をする、安全圏に移動する
敵も味方も関係なく、時に、足手まといや役立たずな人物がキーパーソンになり、光明が差す。
生きる気力を亡くし、【トラブル】と化した人々に希望を与え、心を慰め、よりよい明日を手に入れようと笑えるようにする。
底辺ヤンキーがT大にストレート合格を決めるように。様々な人々の協力を得て、絶望からの逆転劇は読む方にも元気を与えてくれます。
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また、内政には【問題提議力】もあります。
内政には明確な悪はあまり存在しません。
本来は最善だったものが、時間と時代を経て歪んでしまった。
悲劇や最悪の偶然から、優しい誰かが変わってしまった。
良かれと思って発明が、最悪の結果になってしまった。
自分の命より愛する人を奪われた。
『どうすれば良かったのか?』
『どうする事ができたのか?』
『もし自分なら、どうする事ができた?』
『なぜ、こうなってしまった?』
根っからのクズや純粋な悪意の結果ではないそれらを、ただ罪と切り捨てていいのか?許してしまっていいのか?
単なる勧善懲悪にはない、難しいテーマを感想で議論したくなる一品でもあります。
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スーパーマンではない主人公が、スーパーマンでも成し得ない成果を出す。
無敵の拳でも倒せない。
なのに、赤ちゃんの拳で打ち倒す勇気を与えられる。
作者のセンスが剥き出しになる、ナンバーワンではない、オンリーワンの物語。
それが内政になります。