逆ハーとは?
ハーレムの男女比率逆転バージョン。
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ハーレムというかハレム(後宮)は小説では砂漠地帯なんかで行われる一夫多妻制度を言います。
よりどりみどりモテモテ。様々なフルーツ盛り合わせ的なロマンを感じる制度ですが、実際は未亡人救済システムだという話も。
妻に家と子を守ってもらい、夫は命懸けの出稼ぎに出かける。
運よく生き延びた男はガッツリ稼いで帰り、運がなかった男は永遠に戻れず終わる。
そんな未亡人を余裕がある家が側室、第二婦人として養ううちにハーレムという仕組みになった地域もあるようです。
基本的に後から養ってもらう立場になった女(側室)は肩身が狭く、気分的、身分的なランク差が否応なしに発生しやすい。
ついでに養う側である男には経済力や甲斐性が求められ、わりと男女ともに苦労するシステムだと認識されています。
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ハーレムというタグのつく作品は、“頑張る女の子の成長”あるいは映画007におけるボンドガール的な位置付けになっています
ハーレム要員女の子はストーリーの詳細説明をしてくれる現地の相棒。
ある意味主人公よりも主役で作品の看板、主人公以上にメインの人物。
パターンとしては、魅力はあるが欠陥だらけのヒロイン達が主人公ハーレムに加入。 【主人公に良い印象を抱いてほしいから】という名目で欠陥やコンプレックス、恐怖や悩み、過去の自分に打ち勝ち、より美しく魅力的な“人間”に成長していくもの。
同じハーレム仲間と女の友情深めたり、一緒に遊びに行ったり、悩むハーレム仲間を助けたり、共通の話題(主に主人公)できゃいきゃいはしゃいだり、主人公を引っ張り回したり。
主人公をだしにした女の子の友情系が大半なので、プリキュアやセーラームーン、アイマスやアイカツなど【頑張る女の子】系が好きな女性層にもオススメだったりします。
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タグ【逆ハーレム】は女の子の友情劇になりやすい【ハーレム】と違い、殺伐ドロドロ女VS女のキャットファイト展開の作品につきます。
とりあえず可愛さがあければ、まぁ許されるハーレム要員女子と違い、ハーレム要員男子はやたら要求が高く多い。
顔がいいのは当たり前。甲斐性があり、スポーツ万能。頭脳明晰。魅力的でミステリアス。各種才能に秀で、他人から高評価をされ授賞経験がある。旧華族とか、やんごとなき血筋を引いている。稼げる年齢ならば年収も重要なファクターになります。
そのくせ逆ハーレムはあくまでも【女主人】がメインで、ハーレム要員男子は基本的に添え物扱いです。
ハーレム要員男子は一応素晴らしい人材呼びされながら、実際はモブ、アウシュビッツの囚人、血統証つきの家畜、実験台のモルモットとして見られ、扱われる。
男一人が支払いを担当させられるハーレムと違い、逆ハーレムは男達が複数で女を負担するシステムなので経済的ですが
キャバ嬢に楼絡された客
教祖さまに全てをささげた信者
姫プレイヤーと従者
飼い主と家畜
隷属的な主従関係。
ある意味男にとって究極の恐怖を体現しているものでもあります。
さらに、逆ハー要因男子は最初の意思に反し、【シナリオ強制力】などで別人のように変貌してしまう話も多い。
このタグがつく作品は【サイコホラー】【人権蹂躙】【独裁者】【洗脳】の香りが付きまといます。こういう扱いを女性に強いる系ハーレムは18禁支部にあるので、そっち系が読みたい場合は小説になろう18禁支部に行ってください。
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このタグで重要なのが【男女の意識逆転】と【上昇思考】です。
ハーレムの説明やジャンルやらでもふれましたが、
ハーレムとは、大量の女を養うことで【すごい甲斐性がある】事【経済力がある】事をアピールする意味もあります。
ハーレムとは性的な意味合いよりも、男がライバルに対する
『俺は経済力も権力もアッチも甲斐性も凄い男なんだぜ』アピール
『こんな美女やレア物をコレクションできる俺は、凄いだろう』の感覚が強く出ていたりします。
自慢したい。
ステータスを見せびらかしたい。
権力をアピールしたい。
すごいと思われたい。
バブル期なんかの男や体裁が物を言う極道なんかは、すごい=金で女を囲うというパターンができていたため行われた節があります。
女性サイドも社会進出チャンスが確立しておらず、いきるために男に養っていただくのが一般的だったため成立していた。
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しかしバブル崩壊、男女雇用機会均等、そして給料を手渡しではなく振り込み式にした事で関係が激変。
給料直渡しにより男が現金を握っていた時代は、女は不利でした。
水商売も同様で、ツケ制度(給料入ってからの後払い)というものもあり、給料が入った男の元に、キャパ嬢やホステスが金を取り立てに行く必要もあった。
取り立てに失敗し、ツケを踏み倒されて破産するホステスも多く、取り立ての際に逆襲されて死ぬ女。暴行され、写真を撮られ逆に金を払う羽目になる女なんかもチラホラ。
女には働ける仕事がない、働ける男に金は直渡し。
金を触るには男の手から渡されるほかない。
男に腕力では勝てない分、無理やり給料を奪うのは不可能。取り立て男を雇ったり、様々ありますが、基本的に女サイドは必死で男に媚びる必要があった。
それが振り込み制により、金が通帳を握る女サイドに移行。
『女房と畳は新しい方がいい』
から
『亭主元気で、留守がいい』
に変貌してしまったのです。
ツケもローン制などによる、自動引き落としに移行。
さらにバブル崩壊や男女雇用機会均等による女の進出により男に媚びなくとも安定して金が稼げる女が激増。
男はスポイルされ、女の手元に金が入りやすい環境になってしまった。
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それにより、男の草食化、女の肉食化が発生した気がします。
草食化により、理想のハーレムはフルーツ盛り合わせや動物園の園長みたいなものから【家庭菜園】的なものに移行。自己満足でいい、低コストでちょっと食えたらいいや系の感情が透けて見えます。
そして逆ハーレム。
女がライバル――――全世界の女に対して【権力】【金】【甲斐性】【魅力】をアピールし、見下し、振りかざすステータスのような意味合いになっています。