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神無月探偵事務所  作者: 君嶋
神無月探偵事務所
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第六章 遠くの英雄より近くの睦月

「これは完全に死ぬフラグが立ったな…………」

 衣更月は肺にある全ての空気を吐くぐらい長くため息を吐いた。

 後ろに回された両手はがっちりと縄で拘束されていた。縄が肌に食い込み痛い。

 水無月率いるヤクザたちに倉庫に連れられた。そして拘束され、倉庫の地下にある部屋に入れられた。

「フラグとはなんだ? 旗がどこに立ったんだ? その旗を掴めばスイカが食べられるのか? だったら私がその旗をかっさらってやるぞ」

「一人でやってろ」

 意味が全く伝わっていない睦月に対して無性に苛立つ。

 拘束され、錠がされた部屋に閉じ込められているというのに、悠々とした表情の睦月が理解できなかった。

「なんでお前は呑気なんだ。もう死ぬんだぞ」

「とりあえず二つ否定する。一つ、私は死なない。日ごろの行いが良いからな。あと二つ、一応私は呑気ではない。これでもこれからどうしようか考えているんだ」

 カッコつけたようにきりっとした瞳を細めながら語る。

「どのタイミングで逃げ出そうか考えていたんだ」

「逃げられるわけがない、拘束されているんだぞ」

「おいおい、君、こんな弱い拘束を解けないのか。それでも男か?」

「骨を締め付けるような拘束を簡単に解けるか! それが出来るのは何かしらの能力に目覚めた奴しか出来ないんだよ! 一般人にはそんな技や力は与えられていない!」

小馬鹿にしたような睦月の言葉に衣更月は噛みつく。

 その態度を見て、やれやれといった表情で首を振った。

「じゃあ腕を拘束されたときに簡単に縄を解ける方法を教えてやろう……、手を壁や地面にティッて叩きつけて骨を折れば、骨の形が変わるから縄が緩くなって逃げられる。ほら簡単だろ? とりあえず今後捕まるようなことがあればこの技を使うと良いよ」

「簡単かどうかは分からないが、とりあえず俺はやらない。そして今後捕まるような事件には絶対に巻き込まれない」

 一介の高校生が易々とそんな真似など到底できないし、今後捕まるような事件に遭遇することは死んでもしない。

 (と、言いながらも命の灯が今日までだった無意味だよな……)

 自嘲に近い笑みを浮かべて己自身にツッコんだ。

「君は本当に何にも出来ないな……」

 大仰にため息を吐く睦月に頭突きでも食らわそうと思ったが、こいつの所為で痛みを感じるのは癪だったのでやめた。

「まあ、逃げるのは簡単だ。だが、逃げるタイミングは間違ってはいけないな……。それに私は真相が知りたい」

 (俺は知りたくない)

 とは思っても、今更そんなことを言っても意味はない。すでに捕まってしまったのだから、必死に足掻いたとしても意味はない。

 死ぬことを考えるより、別の事を考えていた方が気も紛れるだろう。

 そう思って睦月の話に付き合った。

「的場さんって結婚しているだろ? なのに城ヶ崎百合と付き合っているなんて、不倫だろ」

「付き合っていたなら、不倫だな。そうであれば私は許さない! 私は愛の鉄拳で的場さんの顔をハチの巣にしてやる」

「それにお嬢って呼ばれていたってことは、城ヶ崎百合はヤクザ関係の人間なのか?」

「そう考えるのが妥当だと思う。それに龍虎組の幹部である水無月がそう言うのならもっと上の立場……。例えば、組長や会長の娘とか……」

「そうだとしたら、的場さん危ないんじゃないか? そして俺たちも……」

 龍虎組の下っ端だけが関与していたのならまだマシだったかもしれないが、龍虎組本体が関わっているとなると、死は確実。確定。決定。

「大丈夫だよ、心配するな、ワトソン君」

 そんな衣更月を悟ってか、睦月はふっふっと鼻で笑った。

「だから言っただろ、逃げるのは簡単だって。私を信じろ」

 にかっと爽やかに笑う睦月は根拠のないことを発する。

 それに衣更月は、はいはいと適当に頷きをした。

何を馬鹿な、とは思ったがこれ以上言い合いをする気力もない。

すると突然部屋の重厚な扉が甲高い音を鳴らし開いた。

そこから体格の良い男一人と、水無月がいた。

水無月は色素の薄い瞳を細めながら、近づく。

「……気分はどうですか?」

「最悪だ」

 穏やかに問いかける水無月の問いかけに、睦月はきっぱりと答える。

 きりっと睨み付ける睦月の表情に、水無月は楽しそうにふっと笑った。

 そんな水無月に対して睦月はきりっと睨み付けた。

「貴方は、真相を知っているんだな」

 射抜くような強い眼で見つめる睦月に、水無月はふわりと笑った。

「真実かどうかは分かりませんが、ある程度の事実は知っていますよ」

「城ヶ崎百合は何者なんだ?」

 睦月の質問に、水無月は腰を折って話を始めた。

「龍虎組の会長の一人娘です。でも、会長はぽっくりといったんで、今は会長の娘だったってことになるのかな」

「その娘と的場さんが付き合っていたと?」

「付き合っていた、と断言するのは私もどうかと思うのですが、一応時折会っていたらしいですよ」

「らしい?」

「私はこの仕事を頼まれただけで、詳しい事情は知らないんです」

「じゃあ貴方より上の人間が頼んだんだな」

「そうですよ。お嬢の許婚で、会長の舎弟頭だった間藤大河の直属の命令に」

 睦月はずばずばと質問する。捕まっているという状況などお構いなしに。

 それが楽しいのか、水無月は薄く唇を緩めながら話を続ける。

「許婚が他の男とデキているなんて、メンツ丸つぶれですからね。激怒したんですよ、メロスのように」

 水無月は他人事のように楽しそうに話す。組内で起こったことだというのに、プライドを傷つけられたような様子は一切ない。

「まあ、それだけじゃないんですけどね…………」

「どういうことだ?」

 ぽろりと吐いた水無月の言葉を聞き逃さなかった睦月は問いかける。

 すると口角を上げ、にやりと笑った。

「会長には隠し財産があるって噂があったんですが、その真相がわからぬまま死んでしまいました。ですがその会長が死ぬ前にお嬢が可愛がっていた猫の消息が不明になっていることに気づいた間藤は、おかしいと思い、猫を捜索させました……」

 爆弾発言に衣更月は息を呑んだ。

 メンツと金のためにヤクザが動いているとなると、それに関わった人間は抹消されるのではないか、と恐怖が過る。

「猫ごときに隠し財産のありかを託すのかって感じですよね? 私も思いますよ」

 バカバカらしいと毒を吐きながら嘲笑を浮かべる。

「間藤は脳みそが退化しているので仕方がないんですけどね、そう思いますよね? 私も思います」

 (いや、知らんけど)

 とはいえるわけもなく、水無月の言葉を聞いていた。

 上司からの命令だというのに水無月は明らかにやる気がない上、上司を馬鹿にした節が感じられる。

 仮に水無月と上司の間が悪かったとしても、無事には帰してはくれないだろう。上司である男に逆らうようなことはしないはずだ。

「……そんなことしなくても、直接百合さんに聞けばいいじゃない。こんな非効率的な子をやっているなど、関東で一位二位を競う龍虎組が呆れる……」

 手厳しいですね、と言いながらも顔は笑う水無月は言葉を添えた。

「問いただしても知らないの一点張りだったんですよ。……これ以上の追及は無意味ですしね……」

 含みのある言い方をしながら、これ以上話をするつもりはないのか水無月は立ち上がった。

 では、と言って踵を返そうとする水無月に睦月は最後の質問を投げた。

「…………こんなにベラベラ質問に答えるってことは、最終的に口封じをするからなのか?」

 睦月の言葉に衣更月は息を詰める。

 冷たく重い空気が流れる。

後ろに縛られた両手の縄が食い込む。

睦月の言葉に振り返った水無月はじっと二人を見る。

「それは内緒です」

 指を口に当てながら静かに笑うと背を向けた。

 するとすぐに水無月の舎弟がやってきた。

「……組長、来ました」

「ああ、わかった」

 舎弟の言葉に頷くと、水無月の後ろに最初から控えていた厳つい男に視線を送ると、男は二人を無理矢理起こした。

「では上に行きましょうか。役者はそろいましたので」

 そう言うと、衣更月たちを連れて沢山の段ボールが並ぶ広々とした部屋につれてきた。

 薄暗く埃臭い部屋であった。

 そこには線の細い的場が立っていた。緊張と恐怖が混ざった表情を浮かべている。

「的場さん、お久しぶりです」

 水無月は的場にゆっくりと近づきながら話しかける。

「傷の具合はどうですか? 先日は私の部下が手荒な真似をしてしまい、すいませんでした。そのお詫びに私がその部下に対して、二倍の暴力を与えましたのでご了承ください」

 笑みを浮かべながらゆったりと話すが、内容自体は物騒。

 張りつめた空気が流れる。

+++

「……どうして呼ばれたかご理解していますよね?」

 的場の顔を見つめながら静かに笑う。

「一応お嬢が使用した形跡のあるロッカーを発見はしたんですが、案の定ロックがかかっていて開かないんですよ。しかも鍵ではなく、暗証番号。駅中にあるために易々と壊すことも出来ない。それに管理会社に問いただしても、調べることは出来なかった。厄介なことにロッカーを借りた人間以外は暗号が分からない仕組みになっているそうです……」

 面倒臭いですよ、と呟きながら的場の顔を見る。

「何か聞いていませんか?」

「……だから何度も言ったが私は何も知らない、本当だ! ただ、チェリーを渡された、それだけだっ」

「本当にそうだったとしても、間藤はそれを信じませんよ。オンナを見知らぬ野郎にとられたんですから。メンツがたたない」

「…………」

 恐怖を煽るようにねっとりと話す水無月の言葉に的場が口を閉じる。

「大事なのは落とし前ですよ。誠意、真摯、至情ですよ。心を見せてください」

誘惑するように、導くように落ち着いた声音で的場に語りかける。

 それに誘われるように硬い表情の的場が問いかけた。

「……私は何をしたらいいんだ?」

「死ねばいいと思います。死で償うんです。そうしたら間藤もすっきりします」

そう言って水無月はにっこりと笑った。

人間を地獄に陥れることを楽しむ悪魔のように怪しく笑う。

「それはいけないぞ! 死んでも何にもならない」

 すると睦月は荒げた声が張り詰めた空気を切り裂いた。

「妻や許婚がいる間で付き合っていたのなら、いけないことだ! それは私も許さない! だが、だからと言って死で償うなどおかしい!」

 噛みつく睦月に、水無月は困ったものを見るかのような表情をする。

「仕方がないですよ、私たちはヤクザなのですからそれなりの制裁とけじめを施行しなくては、メンツが丸つぶれです。下の者に示しがつかない」

「間藤がちゃんと百合さんに対して愛情を持っていたらこんな結果にはならないんじゃないのか!」

「そう言われると心が痛いですが……」

 睦月の言葉に水無月は眉を下げて笑った。

「……まあ、個人的には間藤のメンツが潰されようがどうだっていいんですよ。むしろこっちとしては嬉しい」

 ぼそりと言葉を漏らしながら、話を続けた。

「だが、こっちも仕事でやっているんです。邪魔するなら殺す」

 ドスのきいた声を発しながら笑う。笑っているのに、目は完全に笑っていない。

空気がより冷たくなる。

「さあ、知っていることを言ってください」

「……本当に、知らないんだ……」

 首を振って訴える的場に水無月は一つため息を付いた。

「以前は簡単に開放しましたが、今回は違いますよ。間藤は痺れを切らしています。無事に家に帰れるとは思わないで下さい」

 そう言って突然的場の腹に拳を入れた。どごっ、と鈍い音が静かな倉庫で響いた。

 的場はぐっというくぐもった声を出しながら、反動で地面に尻を付けた。息を詰まらせた的場は何度も咳をする。細い見た目から繰り出された拳には見えない。

「さあ、答えてください。番号を」

「だか、ら……、知らな……ぐふぅっ……」

 全ての言葉を言う前に水無月は的場の腹を強く蹴った。

 鈍い音が響き、衣更月の身が縮こまる。

 (絶対あんな風に嬲られて死ぬんだ……っ!)

 今までの出来事が勢いよく頭で流れる。

物心ついたくらいに可愛かったからという理由で知らない老婆に突然攫われたことや、買い物中に突然「夢で逢いましたよね?」と全身黄色の服を着た女に問われたことや、先日駅で見ず知らずの妄想女が追いかけられたことが勢いよく脳内に流れる。

(やばいっ! 気持ち悪い思い出しか出てこないっ!)

よく思い出しても、数日前に卯月の目を潰したことや、お守りをくれた弥生が己のテーブルを破壊したこと、そして突然前に立ちはだかった羽織の睦月に殴られる出来事しか過ってこなかった。

(俺はこんな悲しい思い出しかないのか…………っ!)

「やめろっ!」

 自己嫌悪に陥っている衣更月の思考を遮断する大きな声が聞こえた。

 睦月だった。

 睦月は何度も蹴られる水無月に痺れをきかせ噛みついた。

と思えば、突然ふんっと力んだ声を出し、頑丈に結ばれた縄を切った。両腕だけの力で、ぶちっと切った。

切れた縄がひらひらと、衣更月の目の前で落ちる。

 突然すぎる展開に開いた口が塞がらない。

 簡単に縄がとけると言っていたが、力技でそれを解決するとは思っていなかった。

 (ありえないだろ! 女、いや人間じゃないっ!)

 斜め上を行く思考と体力を持ち合わせている睦月をある程度把握していたつもりだったが、違った。全く把握できない。

「やめろ! 暴力は何も生まないし、解決しない! 人が変わろうとするのも、変えようとするのも愛の力なんだっ! 愛がなくては何も進歩はないっ!」

 睦月を拘束しようとしていた恰幅の良い男に、睦月は拳を二発腹に入れた。男は綺麗にノックアウトする。 

それを皮切りに睦月の動きを止めようと襲ってくる男二人を華麗になぎ倒す。

男の早い拳も全てかわし、長い脚で男の頭を蹴る。するとよろけた男の足を引っ掛けながら背負い投げをする。そして残っていた男が背後から襲ってくるのに気付いた睦月は勢いよく腹に膝を入れるとアッパーを食らわせる。

黒い髪とロングの羽織が動きに合わせて揺れる。

風を一緒に切るような素早く、可憐な動きなのに、衝撃はでかいのか攻撃を受ける厳つい男たちはくぐもった声を出しながら、地面に倒れる。

「これは愛のムチだ! 君がこの拳で目を覚ますようにっ!」

「……困りましたね……、大人しくしていてください」

 水無月はため息を吐くと同時に、後ろに回された両腕の縄が突然緩くなる。

なんだ、と思い後ろを振り返るとそこにはいつの間にか姿を消していたミーがいた。

ミーは衣更月の縄を嘴で器用に切る。はらりと縄が落ちる。両手が解放される。

その間にも睦月と水無月との間で話が続く。

水無月は徐に懐から何かを取り出した。

「これ以上暴れればこれで刺します」

 二十センチぐらいの刃物だった。四角い角の鋭利な刃物は十字架のような形式であった。普通のナイフではないことは確かだった。

「これはスティレットと言いまして、とどめを刺すために作られた刃物なんですよ。それに重傷の騎士に慈悲の一撃をかけるという意味で、慈悲の剣〈ミセリコルデ〉とも言われています」

 持っていた刃物を地面に倒れる的場に向かって向けた。

「これで慈悲の一撃を与えるのも、またこの人の為ですよね。貴方の言葉を借りれば、愛があるからこそですよね」

「そんなの愛じゃない! それは自己満足だ!」

 睦月は強く否定した。

 すると水無月は小馬鹿に似た笑みを浮かべた。

「何を言っているんですか、愛なんて自己満足の産物じゃないですか。結果として与えた愛と同等のものを得るために表現する感情ですよ。それはものに限らず、私が貴方を愛したっていう事実や達成感もまた然り。愛なんて所詮自分勝手でなんです」

「愛が自己満足の産物であれ、見返りを求めているためであれ、どちらにしても構わない。根本は打算的かもしれないが、それでも綺麗な言葉で装うってことはダメなことじゃない」

 睦月は両手を握ると、言葉を続けた。

「生まれながらにして人は誰かを愛したり、愛されたいっていう感情がある。それは恋愛というだけではなく、家族愛や友情様々。どんな形であれ人は誰かを愛することをやめられない。やめたらそこで死んでしまうからなっ。だから尊いと思えるのだ! それが打算的であろうと!」

 妙な気迫を纏った睦月は、水無月をきりっと睨んだ。

「だから愛の名の下で無為に人を殺すことはしてはいけない! 愛は生きるためにあるんだ! 死に導くためにあるんじゃない!」

 刃物を持つ水無月に指を指す。

 ヤクザに対して物怖じしない堂々とした態度。

 水無月はははっと声を出して笑うと、刃物を持ちながら手を叩く。ぱちぱちと、乾いた音が倉庫で響く。

「美しい回答ですね。ですが、私は嫌いですよ。美しすぎて、胸糞悪い。どのぐらい胸糞悪いと言いますと、……死ねばいいと思っている上司から自慢話を延々と聞かされるくらい胸糞悪いです。というか、あいつは死ねと思います」

 まあそんなことはどうでも良いです、と付け加える。

だったら話すなよと衣更月は思った。

「殺すことで愛を証明する人だっている、傷つけることで愛を守る人がいる。そういう事実は確かに存在する。人を生かす愛があるのなら、殺す愛もあるんです」

 刃物を弄びながら、話を続ける。

「全ての事柄には長所と短所がある、表と裏がある、陰と陽がある。だから生きるためにあると言っていた愛の逆も存在するってことだ。そのことを忘れてはいけませんよ。根本が自己満足で出来ているのなら尚のこと、そういうことはありえますよ」

「様々な環境や経験でそういうことが起きるとは思うし、否定はしない。だとしても最初は皆純粋に愛を求めていたはずだ!」

「最初はそうであっても、結果的に変わるのであれば意味をなさない」

「少なくとも、私は人を傷つけてまで愛は得ない! そういう愛は貫かない!」

 強い眼差しを水無月に向けて叫んだ。

 すると水無月はにっこりと笑った。

「それは結構な生き方ですね、頑張って下さい。……でも貴方方はここで死ぬので、それは無理ですけどね」

 そういうと、地面に伸びていた男たちが起き上がり睦月に襲いかかった。

 睦月は横からくる男の拳を避け、腹に蹴りを入れる。そしてよろけた男の身体を持ち上げると真正面から襲いかける男に投げつけた。

 乱闘が始まる。

 相手から繰り広げられる攻撃を上手く避けながら、拳や蹴りを入れる。体格のいい男たちが倒れていく。だがやはりあちらも身体を鍛えている身。攻撃を受けても何度も立ち上がる。

 そんな光景を黙って見るしかできなかった。

 すると睦月の背後から鉄パイプを持った男が襲ってきた。

「おいっ、危ないっ!」

 衣更月は反射的に声を上げると、それに気づいた睦月が鉄パイプを避け、男の腕を掴み放り投げた。鉄パイプが地面に落ち、甲高い音が響く。

だがその隙をついて別の男が睦月の腹に拳を入れた。

「ぐぅ……っ」

 くぐもった声を出す睦月は二、三歩よろけた。すると男が勢いよく拳を振り、頬に入った。

 鈍い音と睦月の苦しげな声が響く。睦月の口から血が出た。

 睦月はよろけながらも倒れなかった。

 二発殴られても尚倒れない睦月は凄いが、結構なダメージを受けたのか、頬は腫れ、表情は苦しげ。

 それなのに二倍の体格差がある男に向かって膝をつかず、逆に立ち向かう。

 その姿を見て無性に苛立つ。

「もう危ないぞ! 無駄な抵抗何てするな! 他人のために命張るなんておかしいぞ!」

 衣更月はたまらず叫んだ。

 するとそれに賛同したのか水無月も頷いた。

「そうですよ、赤の他人の為に命を張るなんて馬鹿げている。というか馬鹿なのでしょうね」

「うるさいな、メガネ! レンズを全部外してただのフレームだけにしてやるぞ! 君の個性を殺してやろうか!」

 睦月は水無月に噛みつくと、切った唇を拭いながら言葉を続けた。

「…………私は他人であろうと、守ると決めたものは最後まで守り通すんだ! それが無謀だと分かっていても、守るんだ! 後悔しないために!」

「自己満足じゃないですか、それ」

 冷ややかな言葉を水無月は返すと、睦月は拳を作り大きな声を出した。

「自己満足結構、偽善者結構。それでも私は私が決めたルールを曲げたくない! 何もしないでただ指をくわえているだけなんて、アホのすることだ!」

「そのアホの生き方の方が長生きしますよ。誰も守らない方が、一人が、楽です」

「無駄に長生きしても意味なんてない! 守る人がいて生きることが楽しいんだ! 一人は全然楽しくないんだぞ! 刻み込んでおけ馬鹿野郎!」

 叫びに近い声を出す。

 (……こいつは本当に何を考えているんだ…………)

 呆れと嫌悪が混じった感情で呟くも、心の底から馬鹿に出来ない自分がいた。

 何故か分からないが。頭の中で睦月の言葉が反芻する。

「戯言は一人で言ってろ!」

 睦月を殴った男がそう言いながら、再び睦月に向かって拳を振った。

 それを睦月は避けると、男の分厚い胸板に向かって拳を入れたと思ったが、男はそれを止めた。すると睦月は長い脚で男の腹を狙ったが、それも男は捕えた。手と足を拘束された睦月。

 (危ない……っ!)

 反射的に身体が動いた。

 衣更月は落ちていた鉄パイプを拾い、男に向かって振り下ろした。

睦月の手を掴んでいた手に入ると、男はくぐもった声を出し睦月を解放した。

 一瞬何が起こったのか、何をしたのか分からなかったが、目の前にいる厳つい男を見て悟った。

 (…………やってしまった――……っ!!)

 血の気がさーっと引いた。

 これで完全に死に近くなった。

 (だが――――…………)

 鉄パイプを押し上げ男と距離をつくった。

 そして衣更月は迷うことなく男の肩に鉄パイプを突いた。フェイシングで鍛えた無駄のない動きをここで披露する。

 (もうどうだっていい。どうにでもなれ)

「抗う気になったのか? 珍しい。面倒事はごめんと思っていたが」

「今でも面倒事はごめんだ。だが何もしないで死ぬのはもっとごめんだ」

 男たちに鉄パイプを構えながら衣更月は淡々と答えると、睦月は楽しげに笑った。

「そんな熱い気持ちが君にもあったんだな」

「逆だ。熱くないからこそ、動いてんだ。諦めだ、諦め」

 もう死ぬことが確定なら、いっそのことあがいて死んだ方が良い。無碍に死ぬなどあほらしい。

 諦めからくる足掻きだった。

「諦めか……、お前らしくていいな」

 衣更月の言葉に睦月は声を上げて笑った。

「こいつ、いつの間に縄をといたんだっ!」

 周りの男たちが動揺を見せると、ミーが睦月の前に姿を現す。

 それを見て睦月は喜んだ。

「ミー無事だったんだな! 良かった」

 上空を旋回するミーを見て睦月は笑った。

 ミーは高らかに鳴いた。

「……君は的場さんを助けてくれ。こいつらは私が食い止める」

「助けてくれって……」

 的場の近くには水無月がいる。

 線は細いが水無月は強い。的場を殴った光景を見ればすぐにわかる。

 あんな人間に太刀打ちできるはずがない。

「ミーお願い!」

 そんなことを考えていると、睦月は大きな声を出した。

 するとミーは勢いよく水無月に襲いかかった。

「今だっ!」

 睦月の言葉が耳に入ると同時に、チェリーが入ったカゴを手にすると、身体が動いた。

 ミーが水無月の頭や顔を勢いよく突く。それを避けようと両手で頭を覆う。視界が完全ではないときを狙い、衣更月は地面に倒れた的場を救出した。

 水無月たちと距離のある、安全な場所に連れて行く。

「……大丈夫ですか?」

「……あ、ああ……」

 しどろもどろに頷く的場の唇は血で汚れ、顔は腫れていた。話すのも辛そうな痛々しい傷。

 衣更月は的場にカゴに入ったチェリーを渡す。

 それを見て的場は嬉しそうに表情をしながら泣いた。

「チェリー無事でよかった…………っ、君がいなくなったら、彼女に顔向けできないよ」

 泣きながらカゴに入ったチェリーを取り出し、抱きしめた。

 肩を震わせ泣く。本当にチェリーのことを大切に思っているのだろう、そんな気持ちが伝わってきた。

「……大切にしているのは伝わってくるんですけど、手噛まれていますよ?」

「あ、大丈夫です。いつものことなので。チェリーは百合さん以外に懐かないようなので」

 チェリーに手を噛まれている的場は笑いながら言葉を返す。笑っているが、噛まれている部分から血が流れる。だらだらと。

 全く大丈夫そうに見えなかったが、ツッコむ余裕がなかったのでスルーした。

「ここで大人しくしていて下さい」

 立ち上がると、的場が止めた。

「いや、君たちに危険なことをして欲しくない! 全部私が悪いんだ! だから君たちは何もしなくていいんだ!」

「そう言うなら最初から誰も巻き込まないで下さい」

「……すまない……」

「まあ、もう良いです。今更なので。……それにもうあいつは暴れちゃったんで止まりませんよ」

 遠くで睦月の勇ましい姿を見つめながら小さく笑った。

 襲ってくる男たちをばんばんなぎ倒す。

 背を低くして相手の懐に忍び込むと、両手で胸を突く。そしてその男の腕を掴み、横からやってくる男に投げつけた。

 男たちは面白いくらい飛び、倒されていく。漫画のように男たちは簡単に飛んでいく。少女一人に男たちは良いようにされている。圧倒的な差であった。

「ふざけんなよ、アマっ……!」

「思い知らせてやるっ!」

 事務所に来ていた同じ顔立ちをした男二人が睦月に立ちはだかる。

 太く逞しい両腕から繰り広げられる攻撃を細い腕で受け流すが、先程とは比べ物にならない破壊力と速さに睦月は反撃が出来ない。

 それに追い打ちをかけるように背後から別の男が睦月に向かって拳を向けた刹那、それを悟った睦月は機敏な動きで避ける。そして拳を繰り出していた最初の男の腕を使い華麗に飛ぶと、睦月は男の背中に蹴りを入れる。

 どがっと激しい音が鳴ると同時に、二人の大きな男がよろける。

「やるなっ、お前……っ!」

「もう手加減はしないぞ!」

 二人の男は鋭く睦月を睨み付けると、睦月に向かって走った。

 激しい攻防戦が繰り広げられる。

 先程とは比べ物にならないぐらいの戦い。

 天井の高い倉庫で様々な音が響く。

 その間、ミーの地味な攻撃を受けていた水無月は持っていた刃物をミーに突き付けた。

 それをミーは避けるように、高く飛ぶ。距離がうまれる。

「うざい鳥だな、銃は好きじゃないが仕方ない……」

 懐から銃と取り出した時、足元が覚束ない男が走ってきた。

「……く、組長! このままでは全滅します! 至急応援をっ!」

 男が水無月に訴えると、冷たい眼をした水無月は男の顔面を掴んだ。

「うるさい、取り乱すな」

「いだだああ…………」

 ぎりぎりっという音が鳴るぐらい強く顔を握りしめなら、持ち上げる。水無月より背の高い男の背が簡単に持ち上がる。

 悲鳴を上げる男を勢いよく地面に叩きつける。

 地面に転がった男は顔を擦りながら、詫びる。

「……すいませんでした……っ。ですが、もう戦力が……」

「引くぞ」

 しどろもどろに吐く男の言葉を全て聞く前に、水無月は銃と刃物を懐に戻しながらきっぱりと答えた。

「え!? ですが、まだ任務を遂行していませんが……」

「構うか。それに俺は元々この仕事は乗り気じゃなかった。間藤の命令で動くなんて胸糞わりぃ。俺はお前の部下じゃねえんだよ。それに後の事はあいつらに任せる」

 大柄の男たちと戦う睦月を見つめながら、ほくそ笑む。

「右近、左近、やめろ! 帰るぞっ!」

 睦月と激しい戦闘をしていた男二人に声を投げた。

 すると男たちは攻撃をやめるも、不服と言わんばかりに水無月を見つめる。

「すぐにやめないと、殺すぞ」

 氷のように冷たく、殺気が宿る水無月の言葉は戦闘で温まった空気を一瞬にして冷たくした。男二人は、その言葉に固唾をのみ、渋々頷いた。

「……君、」

 戦闘が終わりと安堵した矢先に、頭上から水無月の声が降ってきて、心臓が止まる。

「大丈夫、もう何もしないよ。これ、睦月ちゃんに渡しておいて下さい」

 緊張と恐怖に表情が強張った衣更月に笑いかけると、スラックスのポケットから何か出した。

 よく見ると白い紙だった。

「私は手を引きます。もう疲れました。こんな茶番に付き合っていられません」

 ため息を吐きながら、白い紙を衣更月に渡す。

「睦月ちゃんによろしく言っておいてください」

 そう言って水無月は去って行った。

 水無月の後を右近と左近がついて行った。

 両脇にいる男二人に向かって水無月は低い声を出した。

「…………倉庫で言ったことを公言したらブチ殺すからな」

「大丈夫です。水無月組は皆、組長の怖さを知っていますから」

「組長は死んだ方がマシだと思わせるようなエグイ事をやりますから」

「そうだな」

 ははっと笑いながら、地面に倒れる舎弟たちに蹴りを入れ起こすと、倉庫を後にした。

「なんだ、突然帰って……」

 服装や髪がぼさぼさになった睦月が倉庫を出て行った水無月を見つめながら、怪訝に呟く。

 すると避難していたミーが睦月に向かって飛んできた。

「ミー! よくやったぞ! 無事でよかった!」

 ミーを力強く抱きしめると、頬でミーの顔をぐりぐりと押し付けた。ミーも嬉しそうに喉を鳴らす。

「……喜んでところ悪いが、これ……」

「……なんだ、これは? 君が書いたラブレターか?」

「じゃあ今この場で破ってやる」

「冗談だ。……で、これはなんだ?」

 そうカリカリするな、と笑いながら白い紙を受け取る。

「水無月ってやつがお前に渡せって言っていた」

「水無月が…………」

 怪訝に見つめながら、ゆっくりと畳まれた白い紙を開ける。

「……あ――……」

「何が書いてあったんだ?」

「これだ」

 開いた紙を衣更月に見せた。

 A駅二階二五番、と短く記載されていた。

 それだけを見て全く理解できなかった。

「多分あいつらが言っていたロッカーの場所だろうな……」

 睦月の言葉に水無月が言っていた言葉を思い出す。だがそれと同時に疑問が浮かぶ。

「でも、そんなの渡すとかありえないだろ。もしかしたら隠し財産があるかもしれないわけで……」

「ないと思ったから渡したんじゃないか?」

 白い紙をひらひらと動かしながら、話を続けた。

「実際どうか分からないが、あの汚い男が金をドブに落とすようなことはしないだろう。利益がないと察しての行動だろうな……」

 淡々と呟きながら、もう一度白い紙を見た。

「……だが、どちらにしても、暗証番号が分からなくては開かない」

 睦月の言葉に衣更月も頷いた。

 水無月がいくら調べても暗号が分からなかったと言っていた。

「的場さんは、何かわからないんですか?」

 睦月はしゃがみ込み的場に白い紙を見せながら問いかけるが、的場は首を振った。

「……本当に、何も分からないんです……。ただ、チェリーをお願いって渡されて……。だから隠し財産という話も聞いていなくて……」

「そうですか……」

 水無月からいくらロッカーの在り処を教えて貰っても、暗証番号が分からなければ意味がない。

 (だがこれ以上調べなくてもいいと思うが……)

 目の前に大金が転がっていても、ヤクザの金。ヤクザが絡んだ金など危ないに決まっている。

それに水無月が手を引いたからと言っても他の組員がやってきたら意味がない。だからこれ以上の追及はしない方が得策だと思った。

 すると的場の胸にいたチェリーがにゃーんにゃーんとひっきりなしに鳴き始めた。

 そして首輪を片方の前足で引っ掻く。

「チェリー、どうしたんだ?」

 その異常な行動に戸惑い、衣更月は問いかける。的場も理解できないのか、腕の中のチェリーを心配そうに見つめる。

「……首輪を外して欲しいそうだ」

 何かを訴えるように泣くチェリーを見て睦月が答えた。

 また電波が出た、と思ったが、以前自信満々に動物と話せると言っていたことを思い出した。

「ちょっとお借りします……」

 睦月はチェリーを受け取ると、優しく首輪を外した。衣更月はそれを怪訝な眼差しで見つめる。

 そして首輪から白い紙が出てきた。

「これは…………」

「何かあったのか?」

 白い紙を開いた睦月に衣更月は問いかけると、睦月は開いた紙を衣更月に見せる。


 ▼にちにちか きんもくせい もくれん すいれん かえで げっかじびん

 エドエキ ロッドカー カラドンコドエ。


 ▼エノメナ     KAIKA


「……どういう意味だ?」

「多分、暗号だろうな……」

 そう言って白い紙と睨めっこをする。

 睦月は、小さな声で暗号の一文を呟くと、あーっと納得したかのように頷いた。

「水無月が言っていたロッカーの場所と一致はしているから、そうだろう……」

「どういう意味だ?」

「だから、水無月が言っていたA駅のロッカーと、暗号には書いてあるんだよ」

 ほらと言って紙を見せる。

「にちにちか、きんもくせい、もくれん、すいれん、かえで、げっかびじんの最初の文字をとってみろ。そしたら曜日が出てくるんだ」

「……、にちにちかは日、きんもくせいは金、もくれんは木、すいれんは水、かえでは火、げっかびじんは月ってことか?」

「そうだ、そしてその中に足りないものが、土だ。その土を、二行目の暗号で抜けば『A駅 ロッカー』になるわけだ」

 睦月は話を続けた。

「君、携帯電話持っていたよな?」

「持っているが……」

「ちょっと貸してくれ、『カランコエ』と調べる」

 手を差し出し渡すように促す。早く早くとせかす。

 その横暴な態度にため息を付きながら携帯電話を渡した。

 そして検索が終わったのか、睦月はやっぱりと言いながら口を開いた。

「……カランコエは花の名前だ。……しかも二月二五日の誕生日花でもある……。二月二五日ってロッカーの場所と一致だな」

 確かに水無月が渡してくれたロッカーの場所は二階の二五番であった。一致していた。

 睦月は再び何かを検索し始めた。

「でも四行目の『エノメナ』はどういう意味だろう……。花の名前なのだろうか……」

 そう言いながら、検索をし終える。

「『エノメナ』っていう花の名前はない……。あ……っ!」

「どうした?」

 もしかして重大なことが分かったのかもしれないと、気を構えている。

「……花は出てこないが、光の国からやってきた宇宙人が地球を守るために戦った魔人の名前は出てくる! ちなみにその魔人は両肩から放つ電磁波で人間に恐怖ホルモンを植え付け、破壊衝動を利用し支配する奴らしい……凄いっ!」

「とりあえずその魔人に支配されたアホなお前を、光の国の宇宙人が抹殺するぞ」

どうでも良いことを熱心に話す睦月に呆れながら答えると、睦月はきりっと睨んできた。

「アホ言うな! 君に言われると馬鹿にされている気分だ!」

「いや、実際馬鹿にしているんだが……」

 睦月が一人わーわーと騒いでいるが、衣更月はそれをすべて無視した。

「……まあ魔人は置いといて、『エノメナ』って言葉は何だろうな……。『KAIKA』って言葉も気になるし……」

 睦月は再び白い紙を見つめ頭を傾げる。

「『カランコエ』が花だったんだから、『エノメナ』も花だと思ったんだが……、それに『KAIKA』だけローマ字って意味あるんだよな?」

 紙を見つめながら衣更月は言葉を続ける。

「この『▼』も気になるし……、一行目でもそれがあるってことは意味があるんだよな。もしかしてこれも逆とかになるのか……?」

「……あ、……そういう事か……! わかったぞ!」

 そう言って片手で持っていた携帯電話を再び見つめると、納得したように頷く。

 『エノメナ』の意味が分かった様子の睦月は、衣更月の携帯電話を自分の物のようにポケットに入れた。

 勝手に入れるな、と言おうと思ったがもう面倒臭くて言うことをやめた。

「じゃあ、A駅に行きましょうか」

 そう言って自信ありげに笑った。



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