川面を渡る
掲載日:2026/08/09
ある夜の事。
遺伝的な疾患で何年も前に失明してしまった愛犬が、突如激しく吠えだした。
いつもは無駄吠えしない大人しい室内犬なのだが。
愛犬はしきりと窓の外に向かって吠えていた。
私の部屋はボロアパートの二階で、窓の下はすぐ川に面している。
不審者でもいるのかな、と窓を開けようとすると、窓ガラスの向こうがゆうらりと白く光った。
何の光だろうと窓の外を見ると。
川面すれすれのところを、畳半分程もある様な大きな白い光の塊が、音も無くゆっくりと飛んで行った。




