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『星降る日』= ワールドリセット

※ 改行3つ

 → 『軽い』場面スキップ (数分後 他視点への切り替え)


※ ◆ 

 → 場面スキップ (数時間後 場面切り替え)

 いつも通りの朝。お母さんに起こされてダイニングテーブルに着き、用意された二枚の食パンにバターを塗って食べる。歯を磨き、服を着替え、弟と玄関で靴を履く。


「行ってきまーす!」


 弟は元気に言う。


「兄ちゃんも言うんだよ!」


「はいはい、行ってきます…」


 あくび混じりに言うとお母さんはくすくすと笑いながら、いってらっしゃいと手を振って見送られる。


 弟が走って行ってしまわないよう手を繋いで学校に行く。


「あっ! 廻空(みそら)ちゃんだ! おはよー!」


 弟が走って行こうとするので繋いだ手をギュッと握って引き寄せる。


「あうっ…」


「ふふっ、二人ともおはよう」


 幼馴染の少女が弟の挨拶に笑顔で応える。


「お、おはよう廻空…」


 俺は目をチラチラと視線をぶらしての挨拶。そんな態度に少女も顔を赤らめ、下を向いてコクンコクンと頷き返す。


 思春期の兄たちをよそに弟は少女とも手を繋ぐと、小さな身体で二人を引っ張って走り出し、釣られるように自分たちもついていく。


 こんな朝が何度だって続くと思っていた。勝手に思っていた。自分だけじゃない、誰もがいつもの朝が明日も明後日も来ると———そう…願いたかった。



 ◆



 ———大きな星が落ちてくる。大きな光で崩れながら。最初は夜なら見上げてすぐある光の粒。けれどそれはどんどんと大きくなっていき、月も空も隠していった。


 無意味な携帯の騒音がどこかしこから流れているが、誰も気にも止めずに、唖然とそれを見つめている。


 けれど、ある人はそれを救いと見ていて、ある人は暗い病室から宝石を見るかのように目を輝かせていて。


 またある人はかけがえのない人たちとそれを見つめていて———仕事をしていて。

 ———生きようとしていて。

 ———手を伸ばして掴もうとしている人がいて。

 ———滅びを、確信していて———


 崩れながらも数個の星は、何色もの色になって青き星を鳥かごのように囲い、疎らに大地へ落ちていった。


 ———燃え盛る都市。建物が地面を叩きつけて起こす轟音。悲鳴と助けを呼ぶ叫び声はまさに地獄の再現であった。


 落ちてきた星は慈悲深いのか、それとも無慈悲か。生物を殺さず———この世、人類の築き上げた文明だけを破壊したのだった。


 皆は飛来した星を「転生星てんせいぼし」と名付け、曰くこの日を星が生まれ変わった日とし「転生元日てんせいがんじつ」とされた。

本編外のキャラクターの掛け合い、おまけパートを

ここ『後書き』に置くことがあります。ぜひ確認してください!


少しでもこの作品が面白いと思ってくださった方は

『感想』や『⭐️(星)』をくださると

私作者のモチベーションに繋がりますのでお願いします!

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