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影の諜報機関

 「おい、二人共!ついにこの組織に入れる奴を見つけたぞ!」

中田さんが奥に向けて大きな声でそう叫ぶと、奥から二人、こちらへ歩いてくる人影が見えた。


部屋の照明が彼らを照らしその姿があらわになる。一人は小柄で、メガネをかけた中性的な男の子、もう一人はかなり背丈の高い長髪の女性のようだった。そして、女性のほうが口を開く。


「やーっと見つけたのかよ、【シルバー】。これで四人目か。」 


その言葉に男の子の方も続ける。


「これで人員不足がマシになってくれればいいですね...あ、まだ名乗ってませんでしたね。僕は大山春樹と言います、そして彼女は幼馴染の石原恵です。」

と、手のひらを上に向けて指しながら言った。


「一緒に任務頑張りましょうね。運寿さん!」


名乗る前に名前を言い当てられてしまった。だがそんなことで驚いていたら大したことないと思われそうだし、とりあえず流しておくことにした。


「こちらこそ、よろしくお願いします。」


ちなみに...と、中田さんが話しかけてきた。


「この二人は同い年で高校生だ。見た目と全然違うだろ?」


全然違う年齢で予想してたので、驚いてしまった。


「え、そうなんですか?俺はてっきり大人と中学生かと思いましたよ。」


「はは、やっぱりそうだよな。私も最初会った時はそう思ってしまったよ。」


「そういえばさっき石原さんが【シルバー】と中田さんのことを呼んでいましたけど、これって何ですか?」


「それはコードネームだな、流石に本名での活動はヤバいし、偽名を使って潜入ってのも私たちの組織がやる役回りじゃないから付けるようにしたんだ。私は【シルバー】で、石原は【鎌(いたち)】、大山は【天狗】だ。」


「それで、俺もそんな感じの名前付けられるんですか?」

そう聞くと、中田さんはすぐに答える。


「最初の任務が終わったらな。最初の任務でどんな形で活躍したかでそれに似合う名前を付けるんだ。それまでは【新入り】と呼ぶのがウチのルールだ。てことで頑張れよ、【新入り】。」


「はい、頑張ります。ですが...」

ですが」、から後の言葉を発する前に中田さんが口を挟む。


「『何故ここまで人が少ないのか』、だろ?言わなくても顔に出てるよ。」


図星だった、きっと表情に出てるだろう。しかし、そんな俺を構うことなく中田さんは続ける。


「この組織はな、まだ作られてから日が浅いんだ。厳密に言うと、『国家に認められてから』、だけどね。だからまだ人数が少ないわけさ。つまり、ウチは少し特殊でね、政府には【影の諜報機関】とも呼ばれているんだ。」


中田さんが言っていた内容はこうだ。

この組織は潜入捜査では無く破壊工作がメインであり、公安ですら動けないような相手が対象になるそうだ。

そして、この組織の存在を知るのは日本のトップ、所謂首相レベルぐらいで、日本の三大スパイ組織である内閣情報調査室、公安警察、公安調査庁のどこにも属していないので【影の諜報機関】と呼ばれていると。


「そして、早速だが【新入り】、お前に任務がある。任務の内容は中国に行き、怪しい動きが無いかを確認することだ。この任務は私も同行する。」


これはかなり難しそうだ。一歩間違えば国際問題に発展してしまう...かなり責任重大だ。

ちなみに中田さん曰く、実行は明日だそうだ。心の準備は出来てないが、行くしか無いだろう。

一方、石原さん達は後方支援だけなので

「ええ?私達の出番は無ぇのかよ。」

と、石原さんが不満を全開にし、大山さんも少しだけ不満が顔に出ていた。


そんな中、俺はよくわからないまま初任務に取り掛かる。その時あった感情は、自信と不安の矛盾した二つの感情だった。

【天狗】こと、大山春樹くんには「女装が得意」という設定があるんですよねー

本編では使う事無いですが()

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