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運命が動いた日

何とか入学式には無事間に合った。道中の信号がたまたま全て青かったから助かった。


事が起こったのはその帰り道だ。道中、不良に絡まれている女性を見つけたのだ。そして俺はその人物を知っていた。


彼女は、この大学に首席で合格した人だ。たしか名前は中田愛莉(なかたあいり)、制度が変わって髪色が自由になったとはいえ、日本人の殆どが黒髪を選ぶ空気の中での珍しい銀髪が特徴的だ。


(…どうする。放っておくわけにも行かないしな…)


俺はとりあえず止めようと一歩踏み出すと、そこには空き缶が転がっていた。そしてそれをたまたま蹴ってしまい、さらにそれがたまたま不良の顔面に直撃した。


さっきのでバランスを崩した俺は、不良にもたれかかるようにして倒れる。つまり、結果的に、不良を取り押さえる事が出来た()


(で…この後どうすればいいんだ…?)


次の行動が思いつかず少しの間固まっていると、焦った様子で不良が口を開いた。


「わ、悪かった!もうしないから見逃してくれ!」


俺が不良の上からどくと、不良は走り去った。意外とビビりなんだな、不良って。なぜかソロだったし…()


大丈夫ですか、と話しかけようと後ろに振り向く前に、女性は俺に話しかけてきた。

その内容は衝撃的だった。


「1人ぐらいはギリギリスカウトできる人材がいると思ったが、まさかこんなのがいるなんてな。だが、…お前は合格だ。なぁ、スパイになってみないか?お前ほど能力が高い人間は久々に見たんだ。是非私達の仲間になって欲しい。」


耳を疑った。一瞬ドッキリか何かだとも思った。

だが、その疑いは彼女の真剣な眼差しを見るとすぐに晴れた。彼女の言っている事は本当だ。


…だが、俺にスパイなんて務まるのか…?


黙ったままというのもあれなので、少し質問した。


「あなた達がやっているスパイって…例えばどんな活動をしているんですか?」


彼女はすぐに答えた。


「反社組織を潰したり、外国で怪しい動きが無いか調べたりするんだ。ちなみに今のメンバーは私含めて3人だ。」


「なるほど…」(少ないな…)


もしそういった事が出来るのならばきっと誇らしい事だろう。俺の運が人の役に立つのかもしれない。そうだったとしたら…俺は………


俺は少し考えて、答えを出した。


「俺が役に立てるのであれば、力になります。」


運以外は一般人と変わり無いが、絶対に何かが出来るのは確信していた。だったら、少しでも人の役に立てるようになろうと思ったからだ。

俺の返答を聞いた彼女は、予定通りに行ったように少し笑ってこう言う。


「契約成立だな。私に着いてきてくれ。」


そう言って彼女はゆっくりと歩き出す。

その時に聞いた話だが、彼女はたまにこうやって優秀な人材を探そうとしているらしい。

トラブルを如何に迅速に、確実に対処出来るかが彼女の判断基準のようだ。

…まぁ、俺は運だけで突破したんだけどね。


やがて、俺達は一つの場所に辿り着いた。そこは少し古い家のような建物だった。お世辞にも綺麗とは言えない。…だが、入ってみると外見とは全然違った近未来的な空間が広がっていた。俺が驚いた表情をしていたからか、彼女はこう補足する。


「外見からしてスパイの本拠地とは思えないだろ?それが狙いって訳さ。隠すんじゃなくて堂々と建てておく、だからこそ逆に気づかれないんだ。」


なるほど、『灯台下暗し』だなと俺は感心した。そして彼女は続ける。


「ようこそ、私達の組織、UTOPIAへ!」

世界観について

主人公達の舞台は地球です。つまり、実際に存在する国名や地域にが舞台になりますが、それは実際の国名や地域とは一切関係ありません。また、特定の国家や組織、政治を否定・肯定する意図は一切ありません。

少し思想が強いシーンもありますが、ご了承下さい。それは著者の思想ではありません()

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