紫の入学式
しんどかった。
なんでこの部活に入ったんだろうと何回も考えた。
私の入りたかった吹奏楽部では金賞を取り、これから全国大会に行くそうだ。
私は何度も後悔した。
でも、入ったおかげで新しい友達と出会えて。
1年生に教えてあげられるくらいに上達して。
今では入ってよかったとすら思っている。
引退まで後、1ヶ月。
最後まで楽しむと決めたなら楽しむしかないー
中学1年生春。
桜がふわふわと舞いながら私は中学校の体育会に足を踏み入れる。
私は今日から紫虹中学校の生徒になった。
私が通う中学校はそれなりに田舎にあり、クラスが4組まで。
人混みをかき分けながらクラス表を確認していく。
「岡崎彩乃…岡崎…あっ」
私のクラスは4組だ。
あ行だからすぐに見つかる。
「彩乃!おはよ!」
「へ?あ!柚花おはよ!」
後ろから急に声をかけられて驚いた。
それに続いて
「彩乃!柚花!おはよ!」
と結羽が言う。
柚花も結羽も私と同じ小学校。
まだ仲良くなって1年程だが小学校の時から常に3人一緒に行動している。
「何組だった?いっせいので言お!」
確かに柚花と結羽は何組になったんだろう。
「おけ!」
「いっせいのーで!」
「1組!」
「2!」
「4組!」
少しの間沈黙が流れた。
みんなバラバラか…。それに私1人だけ教室が2階だ…
でも、3人で仲良かったら離されるのも無理もない。最初から分かりきっていたことだ。
でも、どうにか空気を変えないと…
「えーっと、教室が離れても休み時間に遊べるよ、一緒に勉強しないだけだから…」
「うん…そうだよね。休み時間に遊ぼ!」
「休みの日にも遊べるし!」
それから先生達に呼ばれるまで他愛のない話をしていた。
ついに先生に呼ばれ、入学式が始まった。
小学校と違い体育館は広いし、しらない校歌で戸惑ったりしたが無事に終わった。
どうやら4組の担任は教本先生らしい。
知らない名前がたくさんあり混乱するし、担任の先生は結構嫌われていると有名な先生だし…
でも、もうすぐ終わると思うと気持ちが楽になった。
そして次はクラス移動。
やはり2階だが、ふきぬけになっていて窓が大きくとても開放感がある。
この前まで校舎全体を工事していたらしく、綺麗だ。
教本先生の話が終わり解散となったが、たくさんの教科書とプリントを持って帰る。
教科書が軽く数えて15冊。スクールカバンは大きいが流石に入りきらない量だ。
仕方なくお母さんのカバンに入れてもらい、教室を後にする。
1階に行き、柚花と結羽と一緒に帰るが写真を撮ったりしながら帰る。
「ねえねえ!昼から遊ばない?部活の相談もしたいしさ。」
部活…
部活が始まるのは5月。後2、3週間で部活を決めなければならない。
「いいね!そうしよう!」
2人で話が進んでいっている。
「彩乃も来れる?」
「うん、行けるよー」
私も早く決めたい。
もう決めるまで時間が無いから。
「じゃあ、昼から自転車でファミレス集合!」
「うん!」
「うん!」
小学校の時から3人で同じ部活に入ることを決めている。
私たちはなんの部活に入ることにするのだろうかー