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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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34:遂に会えたあの人

「アンディ……!」

「ナタリー……!」


 お互いの姿を見て、こんなに顔を赤らめるなんて。

 アンディと私、なんて初々しいのだろう!


 でも、こうなるのは仕方がない。

 だって。

 だって!

 アンディがとっても素敵だから!


 テールコートでビシッと決めているアンディは、ツーブロック分けした前髪の片側を後ろへと流していた。その前髪の変化だけで、普段のアンディと違って見える。


 一方のアンディは、シックな私のドレスを気に入ってくれたようで「ナタリー、なんだか普段より大人っぽい」と喜んでくれていた。


 私は照れ隠しするように、アンディに尋ねる。


「シャンパン問題は解決したの?」


「あ、ああ、シャンパン。うん。解決したよ。シャンパンは乾杯で使う予定だったけど、選択式に変えた。乾杯の飲み物は赤ワイン、白ワイン、シャンパン、どれがいいですか、って。しかも赤ワインには有名なヴィンテージものをいれ、白ワインに国内の有名なワイナリーのものを含めさせた。自然とシャンパン以外を飲みたくさせる状況を作り上げたよ」


「すごいわ。それは……誰のアイデア?」


 するとアンディが肩をすくめる。


「俺だよ。素人の俺だから思いついた、まさに苦肉の策だと思う」


「ええ、アンディが!? 素人なのによく思いついたと思うわ」


「本当に。褒めてくれるか、ナタリー?」


 ふわりと抱き寄せられ、アンディの顔が近づく。

 パール達が「「「ついにか~!」」」と叫ぶ中、ソーニャが声をかける。


「あ、アンディ様。ナタリー様はメイクされているので、お顔には触れないよう、お願いします!」


 これから晩餐会なのだ。メイクの崩れは許されない。

 アンディがしゅんとする様子が可愛いくて仕方ないが、「アンディ、晩餐会の会場へ向かいましょう」と促す。「そうだな」と気を取り直したアンディと移動を開始。パール、ブラウン、そしてアンディが私の部屋に連れてきたマシュマロは、そのまま部屋でお留守番だ。


 ということでアンディにエスコートされ、晩餐会の会場となる『建国の間』に向かう。


 会場に着くと、すぐに席へ案内される。


 着席すると、飲み物について聞かれた。まだお酒を飲めないと分かると、見た目が赤ワインに見えるザクロジュースを提案される。アンディと私はそれをお願いすることにした。


 会場には暖炉が二か所あり、室内はとても温かい。

 そのせいもあり、ザクロジュースもごくごくと飲んでしまう。

 他の客人もまだアルコールは飲まず、ジュースを口に運んでいるが、私と同じなのかしら?

 みんな飲み物をよく飲んでいる。


 さらに周囲の様子を見ると、席が離れているが、両親や兄、その婚約者イングリッドの姿を見つけた。アンディの婚約者の家族として、この晩餐会には、両親と兄も招かれていたのだ。イングリッドは兄の同伴者として出席していた。


 国王陛下夫妻が座るテーブルには、各国の来賓がズラリと着席しているが、そこにブリュレとストリアの姿も見える。それぞれ大公、皇太子の隣に座っているのは、理由があった。


 大公の妻は臨月であり、国に残ることになったのだ。そこでいざとなった時に、護衛としても動ける公国魔術師のブリュレを、公妃の代わりとして、隣に座らせているのだろう。ストリアが隣なのは言うまでもない。皇太子にまだ婚約者がいないからだ。


 ブルームーン帝国の皇太子は、月光のような髪に銀色の瞳と、女性のように美しい。婚約者がいても、なんなら結婚していてもおかしくない年齢なのに、いまだ独身なのは……。政治のためだ。ブルームーン帝国として姻戚関係を結びたい国が出て来た時、彼はきっと婚約し、即結婚するのだろう。


 そんなお国事情まで見え隠れるする中、ホッとするメンバーの顔も見える。


 黒のテールコート姿の、オルドリッチ辺境伯とディーンだ! ディーンが私達に見えるよう手を振ってくれたのだけど、勘違いした周辺の令嬢マダムがざわつく。


 女性陣がディーンでざわついたせいだろうか?

 会場の温度がさらにぐっと上がった気がする。


「あなたが魔術師アンディ様の婚約者、ミラー伯爵令嬢ですね!」


 声の方を見ると、サラサラのホワイトブロンドに翡翠のような瞳。

 白に金糸による刺繍があしらわれたドレス姿の女性が、私を見て微笑んでいる。

 その瞳を見た瞬間。

 なんだか心が洗われるような気持ちになり、瞬時に理解する。


 彼女が聖女ルビー・アルティエリ!


 神官長に就任したばかりのルビーは、多忙な日々を送っており、今日、初めて会うことになった。


 なんて清らかで美しい人だろう。


 私が立ちあがろうとすると、彼女をそれを制する。


「ミラー伯爵令嬢の向かいの席なんです、私。ゆっくりお話ししましょう」


 そう言ってウィンクする聖女ルビーは神々しいのに、なんだか親しみやすさもあった。


 聖女って、見た目は私達と同じなのに。とても不思議な雰囲気があるわ。


 着席した聖女ルビーに早速自己紹介し、アンディと三人で話すことになる。

 ちなみに聖女の隣に座ったのは、彼女の付き人であるマリア。

 聖女は女性同伴が当たり前だった。


「アンディ様とは何度かお会いしているのですが、私が現場に出向くことが多くて、なかなかゆっくりお話しもできません。そこで今日の晩餐会は、お二人の近くの席がいいと、侍従長に頼んだのです」


 聖女ルビーはそう言うと、こんなこと打ち明ける。


「実は予言が出ていたのです。アンディ様とナタリー様に。それは吉凶だったのですが、良いことは、もう本当に素晴らしいもの。二人の未来に大きく関わる出会いと冒険が暗示されていました。悪いことは、未然で終わることです。もし危険度が高かったから、すぐにでもお二人を呼びだすつもりでした。でもそうではなかったので……ごめんなさいね。話すのが遅くなってしまって」


 これを聞いたアンディと私はビックリ。

 だって良いこと、それは間違いなく、マーランとメビウス・リングの件だ。

 悪いことはレース事件のことに違いない。

 さらに聖女ルビーはこんなことを言い出したのだ。


「お二人はそれで大丈夫だと思うのです。……ただ、大声では言えません。ですがこの建国祭の最中に、何かが起きそうな星の動きが見えるんです」

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