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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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89/130

30:仰せのままに、姫君

「ナタリー嬢、街へ行かれるのですか? 良かったら私もご一緒しても?」


 アンディが騎士達と共に宮殿へ向かい、私は私で街へ移動しようとしたところ、声をかけてくれたのはディーンだ!


「ええ、勿論ですよ、ディーン。でもオルドリッチ辺境伯は?」


「父上は宰相に呼ばれました。各国からの来賓は会談待ちで手持ち無沙汰。話し相手に辺境伯はうってつけだからね。つまり父上はこれから晩餐会までみっちり外交。私もそれに例年付き合うけど、ナイトでもある私は、プリンセスをお守りしないと。アンディの代わりにね」


 そう言ってウィンクするディーンは、まるで王子様みたい! パールやブラウンもいて、護衛騎士もついている。それにメビウス・リングだってあるのに。それでも気遣ってくれるのは、アンディのためだと思う。


 ディーンは本当に優しい!


 そんなディーンが私の方へ歩み寄ると……。

 貴賓席にいた令嬢達がチラチラと見ている。


 私が王子様と思うぐらいなのだ。みんなディーンとお近づきになりたいのだろう。婚約者がいる私を護衛するより、ディーンは令嬢達と談笑した方がいいのでは……と思ってしまうが。ディーンはそういう性格ではない。だからここは……。


「ありがとう、ディーン。一緒に散策しましょう」


「喜んで」


 こうして建国祭でにぎわう街へ、ディーンのエスコートで繰り出すことになった。


 王族行事から解放され、建国祭中の街中を散策するのは、初めてのこと。


 沢山のスタンドショップ……屋台では今の季節だからだろう。りんご飴が沢山売っている。それは前世日本で見たりんご飴とそっくり。揚げたてのクロケット(コロッケ)をパンで挟んで売っているお店もあった。ソーセージをロリポップキャンディのように丸くして、串に刺したものは、食べ歩きに最適そうだった。


「ランチはアンディと食べるんだよね?」


 つい飲食店ばかり見てしまい、ディーンに指摘され、慌てて「そ、そうです!」と答えることになる。それにあのレース事件があったので、食べ物も含め、安全を確認できない物は、手にしないことになっていた。だからどれだけ美味しそうでも……食べられない……こともない。


 パールやブラウンが確認し、大丈夫だったら食べられる。使い魔=霊獣である彼らに毒は通用しない。でも毒は口にすれば分かるので、二人がOKを出せば、私も食べることはできた。


 アンディはあまり厳しくしたくないようだが、レース事件もそうだが、あのマーランが最愛の人を失っているのだ。用心に越したことはないと思っても仕方ないし、私だって生きたいので、多少の不自由は気にしないことにした。


「お、見ろよナタリー。アンディがなんだかカッコイイことになっているぞ」


 パールの声に、建国祭記念グッズを売るスタンドショップを見て、思わず足を止めてしまう。


 前世では昭和レトロなプロマイド写真のように、トランプカードサイズの王族の姿絵が売っていたのだが、そこにアンディのものもあったのだ!


 アンディが王族の一員であると発表されたのは、最近のこと。ゆえにどこのお店もアンディグッズは間に合わず、ほぼ見かけない。でもこのお店では珍しく、アンディの姿絵が置いてあったのだ。


 ちなみに急遽廃太子となり、王族からは抹消にも等しい扱いを受けるスチュのグッズはどこにもない。そしてどのお店も本来スチュを並べるはずだった場所に空きができてしまい、困っているようだ。薔薇の花を飾ったり、ミニサイズの国旗を置いたりで、誤魔化している。


 さらにまさかの第二王子が王太子となり、こちらはこちらで数を元々用意していないので、すぐ売れてしまい……。店主は嬉しいが在庫がないので儲けにはつながらず、歯がゆいようだ。


 ということでアンディのグッズも扱う店がほぼないので、見ているそばから姿絵はどんどん売れて行く。


 しかもそのアンディの姿絵。横顔でかの北海道にあるクラーク博士像のようなポーズをしており、カッコいい! まとうマントも今日着用しているアイスブルーで大変素敵なのだ。


 令嬢マダムはもちろん、町娘や村娘もどんどん手に取る。さらに。


「王宮付き魔術師様、見たかい? パレードで貴賓席に座っていた。若くてハンサムだったねぇ」


「なんだか孫のように若かったわ。でも応援したくなっちゃう!」


 どうやら演歌界のプリンスを応援するような感じで、王都の年配女性のハートまで掴んでいる。


「この姿絵専用の額縁もありますよ」


 店主の一声で姿絵と額縁の両方を皆が手に取り始める。

 商売上手な店主だ。


「ナタリー嬢は実物と会えて、しかも婚約者なのに。あのアンディの姿絵、欲しいのですか?」


 ディーンに問われた私は、恥ずかしいが素直に「はい……」と答える。するとディーンは「仰せのままに、姫君」と言い、なんと私にその姿絵と額縁をセットでプレゼントしてくれたのだ。パールとブラウンはすぐに何か魔法がかけられていないか。毒がないかを確認。


「オッケー、問題ないぜ、ナタリー!」


 ブラウンのOKが出て、無事姿絵をゲットできた。

 これはベッド横のサイドテーブルに飾り、毎晩寝る前に眺めようと誓う。

 なんだか推し活をしている気分だ。

お読みいただき、ありがとうございます。

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