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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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24:会いたかった!

 王宮付き魔術師への不敬罪として、リックは幽閉の身となった。


 だがそこは王宮付き魔術師……つまりアンディの温情により、幽閉場所はミラー伯爵家の屋敷で落ち着いた。幽閉期間は無期限……ではあるが、カウンセラーと司祭による定期面談を通じ、悔い改めたと認められた場合。幽閉は解かれることになる。


 ということでリックは今、ミラー伯爵家の離れで幽閉されていた。


 一連の判断が下されるまでは、実にスピーディー。

 なんとリックが不敬罪に問われて三日後には、この判断が下されている。


 そして今日。

 昼食を終え、一旦自室に戻ったところでソーニャから声がかかる。


「ナタリー様、シルク商会のスキー氏がいらっしゃいました!」


「ありがとう。応接室に通してくれた?」


「はい! 応接室でお待ちになっています」


 「では私も向かうわ」とローズ色のデイドレスを着た私はソファから立ち上がり、応接室へ向かう。


 パールとブラウンのことは、ソーニャが抱っこしてくれている。


 シルク商会のスキー氏には、ウェディングドレスを発注していた。

 既にデザインも決まり、製作に入っているのだけど……。

 今日は「ぜひ見ていただきたいものがある」と、スキー氏から連絡があり、会うことになっていた。


 応接室に着くと、銀髪を後ろに一本でまとめ、淡いピンク色のテールコートを着た美青年スキー氏が、ソファから立ち上がった。


「ミラー伯爵令嬢、今日はお時間を作っていただき、ありがとうございます!」


 そう言うとスキー氏は私の手をとり、もう片方の手は背中に回し、お辞儀をする。


 その姿を見ると、立派に正装した騎士のように見えるが……。


 スキー氏は男装をしているが、実は女性!


 ウェディングドレスのデザイナーという仕事に就いた彼女は、こんなモットーを持つに至った。


「人生一度の大舞台で、花嫁が輝くためには、女性だけの視点ではダメなんです。挙式に参列するのは、女性だけではありません。男性もいます。男性の視点からも、『ああ、なんて美しい花嫁なんだ。彼女と結婚できる新郎が羨ましいよ』と思えるぐらいのウェディングドレスを仕立てる必要があるのです」


 つまり、最高のウェディングドレス作りに必要なのは、女性目線だけではないということだ。


「晴れの日のドレス作りのために、男性目線についても学ぶ必要があります。そこで私は普段、男装をして、男性のようにふるまうことにしました。そうすることで男性がどんなところに“美”を感じるのか、学ぶようにしているのです」


 ということで男装の麗人のスキー氏は挨拶を終えると、持参していた箱をローテーブルに置いた。そして「見てください、ミラー伯爵令嬢」と蓋を開ける。そこには……。


「まあ、なんて繊細なレースなの!」


  「見ての通り、使われているのは極細糸。この細い糸を使い、繊細で複雑なデザインを手仕事で表現しています。つい先日、手に入れました。王宮付き魔術師様のご結婚を祝い、端正込めて作られた物です。ぜひミラー伯爵令嬢のウェディングドレスに、採用してはと思ったのですが、いかがでしょうか?」


「ええ、いいわね。ドレス自体に使うのでも、ベールに使うのでも、どちらでもいいと思うわ」


「承知いたしました。ベールに使うには量が足りないので、ドレスの方で使おうと思います」


 とても素敵なレースが手に入り、嬉しく思い、スキー氏との面談を終えた。


 ◇


 スキー氏と会った翌日。


 アンディと共に、ザロックの森の家へ向かう日だった。

 いつも通りにトランクに荷物をまとめ、屋敷に迎えに来てくれたアンディに会うと……。


「ナタリー、会いたかった!」


 私の顔を見た瞬間。


 アンディはソーニャや他のメイドがいる前で、私のことをぎゅっと抱きしめた。

 肩に乗っていたブラウンは素早くジャンプしたが、逃げ遅れたパールは一緒にぎゅうぎゅうされ「!!!!!」と声にならない声をあげている。


「ああ、パール、すまない」


 アンディは素早くパールを避難させると、再度、熱い抱擁始める。

 どうしてここまでアンディが熱烈なのかというと。

 今日までものすごい激務だったのだ、アンディは。


 理由は二つ。


 まず隣国の大使が訪問したため、その警備体制をアンディは任されていた。

 無論、騎士団の騎士も動いているが、魔法による防御は時に剣にも勝る。

 次に来月行われる建国祭。

 こちらの警備計画作りにもアンディは追われていた。

 その結果。

 執務室のソファで仮眠をとる日々だった。

 心配で何度か手作りのお菓子を差し入れたが、それはまさにアンディが仮眠しているタイミング。


 気絶したかのように寝ているアンディを起こしたくなかったので、補佐官にお菓子を預けることになった。するとアンディは魔法を使い、私に会いに来ようとしたのだけど……。


 それは私がストップをかけた。

 ここは仕事に専念し、その分、週末を楽しく過ごそうと。


 初対面の時の俺様はどこへやら。

 アンディは素直に従い、職務に専念し……。


 至る現在なのだ。


 この熱烈大歓迎抱擁も、私に会いたかったアンディの我慢の限界なのだろう。


「このまま、ぶちゅ~するかな」

「するかもしれないわ」

「アンディ、がんばれ!」


 パール、ブラウン、マシュマロのこの言葉にアンディが我に返り、熱々抱擁は終了だった。

お読みいただきありがとうございます!

新しいお話が始まります~

ぜひぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです☆彡

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