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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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13:これは魔法が発動したのかしら!?

 アンディが私を守るために贈ってくれたメビウス・リング。


 私としては早速使ってみたい……という気持ちになっている。

 だって。

 魔法を使えるなんて。

 子供の頃の憧れ……でもある。

 前世でもこの世界においても!


 ディーンが帰った後、アンディに「無駄遣いをするつもりはないけれど、ちゃんと使えるか、試してみたい」とお願いすると……。


「分かった。でも基本的に危険なことにあったら使うように。あのマーランのことだ。相当な魔法が重ね掛けされていると思う。だから何度か試しても、問題ないだろう。それに……そうだな。俺も時間があるときに魔法をかけるようにするよ、そのメビウス・リングに」


「!? アンディとマーランの魔法を、ダブルで重ね掛けできるの!?」


「試してみないと分からないけど、多分。できると思う」


 では試してみようと言うことで、ソファに二人で並んで座り、アンディに一旦指輪を預けようとすると……。こんなことを言われた。


「誰かが無理に指輪を外そうとして、外されることをナタリーが嫌だと思えば、その時点で魔法は発動すると思う」


「そうなのね。では指輪を奪われる心配もないわね」


「一応は。それでも油断は禁物だから。あとゴールドだから入浴中もはずす必要はない」


 そんなことを話している間にも、私から指輪を受け取ると……。

 アンディはいくつか呪文を詠唱した。


「うん。ちゃんと重ね掛けできている。マーランと俺の魔法は、相性がいいのかもしれないな」


「どんな魔法をかけたの、アンディ?」


「それは秘密。だってこの後、ナタリー、魔法を試してみたいのだろう? その時に発動しそうな魔法をかけてみた」


 どんな魔法かしら?


「よし。ではこれぐらいで」


 アンディが私の指にメビウス・リングをつける。


「アンディ、早速」「入浴の準備をしないとな」


 これには「えーっ!」と盛大に抗議の声を上げてしまう。

 せっかく魔法を試せると思ったのに!

 入浴準備はその後にちゃんとやるのに!

 そう思うのと同時に。

 前世のように自動でお湯が沸いてくれればいいのに……なんて思ってしまったところ。


 なんだか浴室の方で音がする。


「うん。ナタリー、魔法は無事、発動したようだ」

「えっ!?」


 アンディと共に浴室へ向かうと……バスタブに温かいお湯が貯まっている!


「なっ、これは……」


「俺が魔法を試すのではなく、入浴の準備をしようと伝えた時、ナタリーは『入浴の準備が自然にできたらいいのに』と思わなかったか?」


 思ってしまった!

 まさに!


「これで魔法が発動することが確認できた。ナタリー、入浴するといい。それが終わったら今度こそ、魔法の発動、確認しよう。……意図せず発動では、納得できないだろう?」


 そう言うとアンディが私をぎゅっと抱きしめる。

 これは多分、私が「入浴が面倒」と思わないようにするためだ。

 私はちゃんと入浴しようと思った。

 でもそれ以上に。

 アンディともっとイチャイチャしたい……とも思ってしまったのだ!


 そう思ったとしても。


 イチャイチャしたいを実現するような魔法が、メビウス・リングに込められていなければ、何も発動しないはずだ。そう思っていたら……。


「ナタリー……。入浴はすぐに終わるだろう。もう少し、俺と一緒に過ごさないか」


 アンディのラピスラズリの瞳は、見る者の心を溶かすような、甘々なものに変わっている。


 これにはもう心臓がバクバクし始めて、大変!


「ア、アンディ、これは魔法が発動したのかしら!?」


「魔法……さあ、どうかな。俺はそんな魔法……かけたかな? マーランがかけていたのかもしれないな」


 自身のアイスブルーの髪をかきあげ、フッと笑う姿。


 それはこれまで見たことがないアンディの表情で、見事にハートを射貫かれている。


「ア、アンディ、そんな魔法が発動した状態でイチャイチャなんてダメよ! というか、イチャイチャしたいのは事実。平日はなかなか会えないでしょう。でも週末、この森の家では……。使い魔のみんなはいるわ。でもアンディと二人きりにも等しい状態。当然、甘えたい気持ちはある。でもそれは魔法の力を借りるのではなく、普通の状態のアンディとイチャイチャしたいの……」


 するとアンディが「ぷっ」と声を出し、笑い出す。

 そしてこんなことを言い出す。


「ごめん、ごめん。ナタリー、冗談だよ。そんな魔法、この指輪にかけるわけがないだろう。もし俺以外の男にその魔法が発動したら……大変なことになる」


「えっ、じゃあ、今のは……」


「素の俺だよ。俺もナタリーとはいつだってイチャイチャしたいよ。でも……ナタリーが思うより、俺は……。ナタリーを求めているから、止まらなくなると大変だ。いつも自制している」


 そこでふわりと私を抱き寄せると、アンディは耳元で甘くささやく。


「もし俺が行き過ぎたら、きっと指輪が反応してくれる。だから少しだけ、甘えさせて。ナタリー」


 ◇


 週末。


 アンディと共にザロックの森へ帰って来た。


 そしてアンディに贈ったギフトの天球儀に導かれ、ディーンと三人で探検……冒険をすることになった。


 その冒険では、アンディが憧れて止まない天才魔術師マーランの隠された秘密を知り、彼が愛する人を守るために用意したメビウス・リングを手に入れることになった。


 メビウス・リングは、かのマーランの魔法がたっぷり重ねられている、実に貴重なアイテム。しかもアンディはマーランの大ファンだった。それなのに!


 マーランの悲劇を繰り返さないために。

 アンディはメビウス・リングを私にプレゼントしてくれたのだ……!


 思いがけず、自分が愛されていることを実感できる週末になった。

 それは指輪を贈られたことは勿論。

 これまで見たことがない甘えるアンディによって……。


 こうして週末を終え、王都に戻ると……思いがけない情報が舞い込んできたのだった。

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