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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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8:彼にとっての彼女

「ディーン、地下納骨堂に行かなくても、礼拝堂の中に入るのなら……」


「それなら問題ないかもしれませんが……」


 というか、パールとブラウンは、待ったなしで中へと入って行く。

 二人のアンディへの強い想いが伝わって来る。

 でもその想いは私だって同じだ。


「アンディ、私も行かせて欲しいです。地下納骨堂までは行かないので」


「分かりました。では私の後からついて来てください。私が一緒にいるのに、ナタリー嬢に何かあれば、アンディに顔向けできませんから」


 ディーンはまるで王子様のように微笑むと、先に中へと入って行く。

 私もその後に続く。


 中は先程入った状態と変わらない。


「空気は……ここは大丈夫そうですね」


 ディーンがまさにそう言った時、パールとブラウンは地下納骨堂目指して駆けている。


「パール、ブラウン、止まって! お願い!」


 私の声に我に返った二人が、なんとかストップしてくれた。

 そして――。


 祭壇横の、地下納骨堂へと降りて行く階段に、人影が見えたと思ったら!


「「「「アンディ!」」」」


 元気なその姿と再会できて、私達は歓喜の声を上げることになった。


 ◇


 再会を喜んだ私達は、ひとまず家に戻ることにした。


 突然の出来事に、自分達の状態を気にしていなかったが……。


 全身埃と蜘蛛の巣、枯れ葉などにまみれ、大変な状態になっていたのだ。再会したアンディは、ちゃんと魔法が使える状態だった。よって魔法で家に戻ると、すぐに順番で入浴することに。


 レディファーストで、一番乗りで私は入浴を行い、その間にアンディとディーンは昼食を用意してくれた。ブラウンとパールは、一点集中で大量の魔力を使っている。疲れ切り、他のもふもふ達に囲まれ眠っていた。


 魔力の回復は甘い物もいいが、同じ使い魔同士で休むことでも、回復につながるらしい。


 塊になったもふもふ達は……可愛い!


 ついそちらに見惚れそうになるが、すぐに入浴を行い、私と交代でディーンがバスルームへ向かった。


 ディーンと私をどうやって救い出し、アンディ自身はどうなったのか。

 聞きたいことは山ほどがあるが、それは昼食を全員集合して食べながら話すことだ。


 ということで沢山魔力を使ったであろうアンディと勇敢なパールとブラウンのために、イチジクのジャムを使ったクッキーを用意することにした。アンディはその間に、みんなの服を魔法で綺麗にしてくれる。それが終わるとディーンと交代で、アンディが入浴だった。


「甘い香りがすると思ったら、イチジクジャムのクッキーですか?」


 入浴を終えたディーンが、キッチンにやって来た。

 アンディから借りた、白シャツにターコイズグリーンのズボンをはいている。


「正解です! 先週帰って来た時に、ジャムを作っておいたんですよ。アンディは魔法を多く使った日、甘い物を沢山食べますよね。ジャムを用意しておくと、いろいろスイーツにアレンジできるので」


 これを聞いたディーンは笑顔になり、こんなことを言う。


「ナタリー嬢は本当に伯爵令嬢とは思えない程、なんでもできますよね。アンディも自給自足生活が長かったから、一人で全てこなせる。二人が結婚したら“最強夫婦”になれそうですね」


「どうでしょう。アンディは確かにすごいと思います。人間としても、魔術師としても。心から尊敬できますし、応援したい、支えたいと思えます。ただ、私は魔法も使えないただの人間ですから……。今回もみんながピンチだった時に、何もできませんでした……」


「それは私も同じです。ナタリー嬢より先に気を失っていましたからね」


 これは確かにそうなので、ディーンと顔を見合わせ、思わず苦笑。


「……とはいえ私は剣を扱えるので、いざとなればアンディを剣で支えたいと思います。ではナタリー嬢もいざとなった時、剣を手に戦えればいいのか? それは違うと思います」


「そうなのですか!?」とディーンのコバルトグリーンの瞳を見ると、彼は快活な笑顔になる。


「ナタリー嬢はアンディの精神的支柱だと思います。アンディが強くなれるのは、ナタリー嬢がいるからだと思います。剣の腕で支える。それは分かりやすく、目に見える支援でしょう。でも目に見えないメンタルでのサポートこそ、とても大きいと思います」


「それはつまり……」


「騎士達が敵を前にした時。それが多勢に無勢であったとしても。最期まで戦うと覚悟するとしたら、それは指揮官が騎士達の士気を高めた結果だと思うのです。人間というのは、感情の生き物。どれだけ剣の腕に秀でていても、精神的に押されていたら、本来の実力を発揮せずに終わることだってあるのです」


 これは「なるほど」だった。


「そう言った観点からも、アンディにとっての精神的支柱であるナタリー嬢は、ただそこに生きて存在してくれているだけで、いいんですよ。無理をして剣をとって戦う必要はないと思いますよ」


 ディーンらしい励ましの言葉に嬉しくなった。


 こんな会話をディーンとしている間にも。

 クッキーはいい感じで焼けている。

 そしてアンディの入浴が終わり、食事となった。

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