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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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3:冒険者気質

「これは……なんというか、ザロックの森ではないようだ。これは……」


 ディーンがなんて表現していいのか分からない、という表情をしている。

 そう、私達は朝食の後。

 早速、アルテラスという星が示す座標の場所=廃墟の修道院に来ていた。


 そして廃墟の修道院らしき建物……塊を見て、ディーンは困惑していた。

 でも前世知識がある私からすると、この様子はズバリ。

 ジャングルのようになっている!


 蔦や苔で覆われ、石造りの修道院の原型は、ほぼ見えない状態。


 もうもっさり覆われ、蔦が絡まり、垂れさがっている様子が、ジャングルみたいに見えるのだ!


 周囲の西洋の木々から浮いて、廃墟修道院の辺りだけは、南米を思わせるジャングルのようになっていた。


「木造ではなく、石造りだから残っているんだな。扉は……木製のものがあったのだろうが、今はない。辛うじてしゃがめば中に入れるか。というかアンディ。座標はここで正解だとしても、この廃墟の中に、本当に何かあるのだろうか……?」


 ディーンがそんな風に言いたくなるのは尤も。

 対してアンディは……。


「トレジャーハンターはみんな密林の中で、お宝探しをしているんだろう? わざわざ船に乗って、ここではない大陸まで行って。自分の家がある森の中に、お宝が眠っているかもしれないと思うと、なんだかワクワクする!」


 アンディはどうやら冒険者気質のようだ。

 嬉々として中へ入る気満々だった。


「そうか。アンディはそういう性格だったね。……ナタリー嬢、君は」


「私は元々王都に暮らす令嬢でしたが、森暮らしにも馴染んでしまったので……。わりと行けるかもしれません」


「……虫や蛇やネズミも、いるかもしれませんよ」


 ディーンの言葉に「確かに」と少し不安になったが。


「へへん。そんなのオイラに任せろ! おい、アンディ、オイラが先に中に入るぜ!」


「よし。パール。今日はお前が一番乗りだ。先に中に入り、様子を報告するように!」


「イエス、サー!」


 パールは見た目は真っ白で可愛らしい子ウサギなのに。

 性格はおやっさんで、ぐいぐい行くタイプ。


「アンディ! どうして! わたしも行くー!」


 私の肩からジャンプして、駆け出したブラウンのことを、アンディがひょいと摘まみ上げる。


「ダメだ。ブラウンはナタリーの護衛。待機!」


「むうううう」とブラウンは唸ったものの、私の肩に戻された。


 さらにアンディは、持参していたハーブで作った虫よけのポプリを私に渡してくれる。森を歩き回る時、実はポケットにいつも忍ばせているものだ。この場所には魔法で移動したので、今、受け取った形だ。


 ディーンも受け取り、ポケットにしまっている。


 そこでパールが戻って来た。


「おっ、パール、蜘蛛のお土産か?」


 アンディの一言に悲鳴を上げそうになったが、何とか呑み込む。

 蜘蛛は……小さなサイズは見慣れた。

 でも、今、パールが背中に乗せているのは、私の手の平ぐらいある!


「蜘蛛? あー、蜘蛛の巣が結構あったからな。欲しければアンディにやるぜ」


「俺はいらないから、とりあえず森に帰ってもらおう」


 アンディが呪文を唱えると、大きな蜘蛛がふわふわと浮いて、森の方へ移動していく。


「建物の中は天井が高くて、埃っぽいけど、動物はいないぞ。ステンドグラスが残っていて、それは綺麗だ。窓があった場所は蔦に覆われているが、かろうじてそこから陽が射しているから、意外と中は明るいぞ。でも壁際は鳥の糞が多いから要注意だな」


 だいたい中の想像がついた。

 いくら森暮らしに慣れても、入るには勇気が必要そうな場所だった。

 私が怯む一方で、ディーンは「なんだ、その程度か。ならば問題ない。行こう、アンディ」と言っている。


「ナタリー、先頭は俺が行く、二番手がナタリー。最後がディーン。大丈夫か?」


「! も、勿論、平気、平気、着いて行くわ!」


 絶対に蜘蛛が頭に乗りませんように――と祈る。

 でもパールが一度中に入っているし、先頭はアンディだ。大丈夫!


 しゃがむようにして、扉があったであろう場所へと入って行くと――。


「あ、綺麗!」

「まあ、本当ね。素敵!」


 正面の祭壇らしき場所の、天井近くにあるバラ窓のステンドグラス。

 それは綺麗なままで残っており、パールが言う通り、美しい。

 ブラウンとうっとり眺めてしまう。


 ただ、足元には枯れ葉や埃、動物の毛の塊や羽根など結構いろいろと散乱している。


 射しこむ光に、埃が舞っているのが見えるぐらいだ。


「とりあえず、何かないか、散策してみるか」


 ディーンが周囲を伺ないながら、アンディを見る。


「そうだな。この辺り一帯が修道院の敷地だったようだが……。残されている建物は、この礼拝堂のみ。他に建物はない。修道士や修道女が住んでいた建物は、木製だったのかもしれないな。とっくに朽ちている。でも石造りの礼拝堂は、蔦や苔に守られ、残ったのか」


 アンディはそう言いながら、ぐるりと礼拝堂内を見渡す。


「礼拝堂の造りは……祭壇は見ての通り。信徒席は木製ものがあったのだろうが、今は残っていない。あとあるとしたら……司祭が使う聖具室。これは祭壇の後ろや横にあることが多いよな。あとは納骨堂が地下にあるかもしれない。祭壇の左右に奥へ続く入口が見えるから、そこを順番に見る感じか」


 こうして探索が始まった。

お読みいただき、ありがとうございます!

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『森でおじいさんを拾った魔女です

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