表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/130

51:兄弟それぞれの反応

「ありがとう、ナタリー、頑張ってみるよ。たださ、一つだけ、父親にお願いしたんだ」


そう言ってアンディは、アイスブルーの髪を揺らし、明るい笑顔になる。


「俺さ、あの森の中の家は気に入っているから。金曜日に魔術師としての仕事を終えたら、王宮の自分の部屋に戻るのではなく、森の家へ戻りたいって。それで月曜日の朝、森の家から王宮へ向かいたいってお願いしてみた」


……! やっぱりアンディは、あの森の生活を気に入っていたのね。でも国王陛下はそんな週末田舎暮らしを許してくれるのかしら……?


「俺の話を聞いた父親は『やるべきことをちゃんとやれば、後はアンディ、お前の自由だ。舞踏会やら競馬、ゴルフといった貴族の社交に無理して顔を出す必要はない。ただ、外交とか外せない公務もある。その時だけは顔を出してくれれば、森の家でも辺境伯の屋敷でも、行きたい場所に行けばいい。それに魔法だとあっという間に移動もできるのだろう』そう言ってくれた」


「それは良かったわね、アンディ! 平日の家と畑の面倒は、誰か雇ってお願いすればいいから、きっとあの家は維持できそうね」


アンディは「雇うまでもないさ。使い魔達に任せるよ。ちゃんと畑の手入れもすれば、好きなだけ食べていいと言えば、俄然奴らは頑張るから」と答える。それはまさに名案だった。


「アンディ、その森の家には、私も……たまには遊びに行かせてもらっていいかしら?」


「……! それは勿論。……ただ、その件については、この後、ちょっとナタリーに話したいと思っている」


なんだろう……? 先程までとは一転、アンディがとても真面目な顔になっている。気になったけど……ミラー家の屋敷に到着してしまった。


自分の両親や兄弟に再会するだけなのに。

とんでもなく緊張してしまった。

でも父親と母親の顔を見たら……。


そんな緊張は吹き飛び、二人に抱きついていた。


両親はとてもやつれていたが、私を見た瞬間、その顔に生気が戻った気がする。さらにアンディが魔法を使い、二人を回復させてくれたのだ。おかげで体の不調は嘘のように改善し、父親と母親の顔は笑顔に変わった。


その後は今日に至るまで何があったのかを私が話し、両親もまた、私の不在の間にどんなことがあったのかを教えてくれた。それを聞いた私は、いろいろと驚くことになる。


まず、あの男爵令嬢は、修道院に入る前、私の両親に会いに来て、謝罪をしていたのだという。自分のせいで、私がひどい目に遭い、申し訳なかったと、エントランスホールで土下座する勢いで頭を下げた。


これには両親も驚き、そしてその謝罪を受け入れた。さらにこの様子を見た兄は……。


「自分はとんでもない過ちをしていた。大切な妹を庇うどころか、罪人だと断定し、断罪を当然と断言してしまった。私が間違っていた……」


男爵令嬢のおかげで目が覚めた兄は今、王都を離れ、彼女が入った修道院がある村の宿に、滞在を続けているのだと言う。それは彼女を説得し、修道院を出てもらい、自分の婚約者に迎えるためだ。


兄がいつの間にかヒロインではなく、男爵令嬢に恋をしていたなんて! 乙女ゲームの設定では、きっとこの男爵令嬢は、ヒロインの友人の一人、つまりモブだと思う。ただ、名前があるのか、ヒロインのそばにイラストだけで登場していたのか。それは……分からない。それなのにヒロインの攻略対象の一人から求婚されるとは。これには驚きだけど、ともかく兄は、私が濡れ衣を着せられていたと信じてくれた。その事実に心底ホッとした。


その一方で、弟は……。


「姉上がリリィさまをいじめていなかった……国王陛下もそう言うのなら、それはそうなのでしょう。でも僕はリリィさまの味方です。あんなに美しく、若いリリィさまが修道院でこれから一生過ごすなんて、僕には耐えられません。なんとしてもリリィさまを救い出します」


弟は、リリィが修道院に収監された直後に、屋敷を飛び出した。さらにこれまた兄と同じように、修道院がある王都のはずれに向かい、近くの安宿に滞在しているという。そしてリリィ解放の嘆願書を毎日のように書き、リリィと面会するため、連日修道院へ足を運んでいる――そう両親は教えてくれた。


兄は私の断罪を支持したことを「間違いだった」と悔やんでくれた。一方の弟は、私がいじめをしていなかったことは認めてくれたと思う。


男爵令嬢の言葉を弟も聞いている。王都のはずれにある安宿には、早馬も向かった。早馬は、両親が手配したもの。国王陛下の直筆の書状が届き、そこで私の無罪と国外追放取り消しについて書かれていたと、知らせるために。


だが今はヒロインであるリリィを修道院から出すことで、弟の頭はいっぱいのようだった。


弟の願いが叶うのかは……正直、分からない。ただ、弟は猪突猛進なところがあるので、その熱が収まるまでは……静観した方が、いいかもしれない。


その一方で兄と男爵令嬢には……会いに行ってもいいと思えた。私が生きていたこと、リリィに関する件は無実だと認められたこと、国王陛下が国外追放を取り消したことは、遅かれ早かれ、兄も男爵令嬢も知るはずだ。


それを知り、男爵令嬢が修道院を出る決意をすればいいが、それでも罪の意識に苛まれるようなら……。私から直接、「あなたを責めるつもりはない。あなたのおかげで私の無罪は証明されたのだから、修道院を出て、幸せを掴んでください」と伝えようと考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●断罪終了後シリーズ第二弾●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~
読者様の声に応え『完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~』続編公開&完結!

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ