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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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50:今度は俺の番だ

宰相マクラーレンは当然だが、この後、すべきが山とある。だからそのまますぐ、自身の執務室へと戻っていく。


「今晩、屋敷に帰れるか……帰られたら、夕食をとりながら祝杯をあげよう。まあ、自分がいなくても気にせず、屋敷では寛いでくれ。妻のロザリーにも二人の息子にも、君達のことは話してあるから。ちゃんと美味しい料理も出すし、ふかふかのベッドで寝かせてやるから」


宰相マクラーレンのこの言葉に、オルドリッチ辺境伯は「その厚意に甘え、屋敷のワイナリーで最高級のものを、奥方に出してもらうよう、お願いしよう」と答えた。宰相マクラーレンは「!?」と驚いた顔になったが、指示を仰ぐ部下に囲まれ、その姿はすぐ見えなくなった。


「ではアンディの親子水入らずが終わるまで、昼食でもとり、待たせてもらうことにするか」


オルドリッチ辺境伯に言われ、もうお昼時なのかと気づくことになる。そして再び通された控え室には、ちゃんと昼食が運ばれてきた。


並べられた料理は、ただの昼食とは思えない程、豪華なものばかり。フォアグラ、トリュフ、キャビアが使われた料理が当たり前のように並んでいるのだから。そして食材の高級感、見た目の美しさに加え、味も……絶品!


アンディは今頃、この料理を両親と食べながら、どんな話をしているのだろう? 10年以上ぶりでの再会だ。しかも捨てられたと思っていたら、そこにはとんでもない事情が隠されていたわけで……。


しかし、今回の魔術師就任は、一方的に国王陛下から告げられたもの。アンディ自身はどう思っているのかしら? 王宮付きの魔術師ともなれば、住まいは当然王宮になる。あの森の中のポツンと一軒家を捨て、王宮で暮らす気持ちがアンディにあるのかしら……?


そんなことを思っているうちに昼食は終わり、そしてアンディが戻って来た。


戻って来たアンディの手には、国王陛下の署名が入った書類が握られている。それをアンディは、私に渡してくれた。驚いてアンディを見ると、それはさっき国王陛下が私に言ったことが、書面でまとめられているとのこと。つまり、私は無実であり、国外追放は取り消されたということだ。


「これを先触れにもたせ、ナタリーの屋敷へ行こう。ナタリーは俺が両親に会う場に立ち会ってくれた。今度は俺の番だ」


アンディの提案には驚いたが、せっかく国王陛下直筆の書類を用意してくれたのだ。それにオルドリッチ辺境伯も、自身の部下を先触れとして、ミラー家の屋敷へ向かわせてくれると言ってくれた。私は自宅へ行くことを決意する。


「私は別途馬車を手配し、マクラーレンの屋敷へ戻る。二人は宮殿に来るために使った馬車で、ミラー家の屋敷へ向かうといいい」


オルドリッチ辺境伯の提案に従い、アンディと私は馬車へ乗り込んだ。宮殿からミラー家の屋敷は馬車で30分ぐらい。


急激に緊張してきた。


「ナタリー、大丈夫だよ。俺もいるから。それに国王陛下の直筆の書類なんて、貴族にとったら神からのお告げに等しいだろう? その中で、ナタリーの無罪が書かれているんだ。きっと兄弟も、自分達の判断が間違っていたと分かるはずさ」


アンディの言葉に励まされ、私は「そうよね」と頷く。いくらゲームの設定があったとしても。今はゲームでは描かれない場面に突入しているのだ。兄と弟も分かってくれるはず……!


それにどれだけ不安があろうと、30分後に屋敷に着く。そこですべてが判明する。それよりもアンディと両親の対話はどうだったのか、それを聞いてみることにした。


「ナタリー達が部屋を出た後、俺と両親は……抱き合って再会を喜んだ。両親がどんな理由で俺を森に捨てたのか、それを事前に知ることが出来たから……。再会のハグは、自然とすることができたし、それまで両親を軽蔑する気持ちがあったけど、氷解していた」


そう言って微笑むアンディは、とてもいい表情をしている。本当に、両親と分かりあえて、今は幸せなのだと思えた。


「王宮付きの魔術師の件は、本当に驚いた。王宮の現状も国の状況もよく分からない俺に、魔力が強いだけでまかせていいのかと、思わず聞いたんだ、父親に。そうしたら……」


国王陛下は、国政についてはこれから学んでいけばいいとアンディに言った。それに宰相マクラーレンもサポートする。何より王都に暮らせば、いやでも国の状況も分かるだろうと言われたのだという。


「まあ、簡単に『学べばいい……』なんて言うけど、それは一筋縄で済むことではない。ただ、聖女ルビーの予言では、俺は魔術師になれば、幸せな人生を送れるらしいから。……その、愛する人と共に。だから……やってみようと思った。確かに強い魔力があって魔法は使えるのだから、やってやれないことはないだろうって」


「アンディ、それでいいと思うわ。国王陛下だっていきなり25歳で国王に就任して、本当に大変だったと思うけど、ここまでやってこられたのだから。その国王陛下の血を受け継ぐアンディなら、きっとできるはずよ!」


そうやって励ましつつ、アンディがあの森の家を出て、王宮で暮らすようになることに、一抹の寂しさを感じていた。私も両親と再会し、きっとミラー家の屋敷で共に暮らせるようになると思うのだ。


そうすると森の中のポツンと一軒家ともお別れ。


何より、アンディとの生活も……ピリオドを打つことになる。

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