表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/130

46:その意図と真意は?

「ナタリー、顔色が悪い。大丈夫か?」

「……アンディ……」

「嫌なことを思い出したのか?」

「平気。もう過去のことだから」


するとアンディは「手をつなごう」と言い出した。


「え、手をつなぐ!?」

「そう。エスコートではなく。安心できると思う」


「で、でも、ここは宮殿よ。エスコートで大丈夫。アンディがそばにいてくれれば、落ち着けると思うから」


「アンディ、ナタリー、何をしている?」


既に階段を上り切ったオルドリッチ辺境伯に声をかけられ、ここはアンディに手をひかれ、少し駆け足で進むことになる。でも階段の前につくと、普通にエスコートされ、上って行くことになった。


王宮は宮殿の中央から回廊で結ばれた場所にある。その回廊を進む間、ずっとアンディがエスコートしてくれた。おかげで断罪に関する記憶がよみがえることは、なくなった。


というのもアンディが頻繁に私の様子を気にして、顔を見てくれるのだ。あの美貌の顔、かつ軍服姿で。そうなるともう、その度にドキドキして、記憶を思い出している場合ではなくなる。


こうして王宮に到着し、国王陛下と謁見となった。


「ちょっと貫禄があるおじさんだ。私と年齢だってたいして変わらない。緊張する必要はない。いざとなれば二人のことは私が守るから」


オルドリッチ辺境伯は、実に頼もしい。その言葉に励まされ、控え室からいよいよ国王陛下がいる謁見の間へと向かった。


スチュ王太子の婚約者として、国王陛下とは何度が会ったことがある。でも本当に、会ったことがある、レベルだった。挨拶をしたり、会釈したりが基本。長々と会話することなんてない。


よってその姿はよく分かっても、性格や人となりは未だ、よく理解できていなかった。


「では、お一人ずつ、お名前をお呼びしますので、中へお入りください」


謁見の間の入口で騎士からそう言われ、順番に中へと入る。そう言えばアンディのファミリーネームは、まだ教えてもらっていないと気づく。もし「フォークナー」と呼ばれていれば、それは王族であると認めることにもなる。既にオルドリッチ辺境伯は名前を呼ばれ、謁見の間へと入っていた。


「アンディ・ウィリアム・フォークナー」


……!

アンディがチラッと私を見て、謁見の間へと入って行く。


心臓がドキドキしていた。「フォークナー」で呼ばれたということは、アンディを王族の一人と認めたも同然。そしてこの謁見は、オルドリッチ辺境伯もいるため、非公式な扱いではない。つまり……記録として残ることになる。


国王陛下は何を考え、アンディをフルネームで呼ばせたのかしら? その意図は……?


「ナタリー・ミラー伯爵令嬢」


またも驚くことになる。

国外追放された私は、存在がこの国でなかったことにされているはず。それがミラー家の名は勿論、伯爵令嬢として呼ばれたのだから。思わずそのことで動きが止まりそうになる。


しっかりしないと。既にオルドリッチ辺境伯とアンディは謁見の間の中にいるのだから。


深呼吸を一つして、中へ入る。


中に入り、さらに驚く。

そこには国王陛下だけではなく、妃殿下もいらっしゃる。しかも宰相であるマクラーレン公爵の姿も見えた。これは……どういうことなのかしら?


オルドリッチ辺境伯とアンディの方を見るが、その顔は真剣そのもので、何を考えているか読み取ることはできない。


一方の国王陛下は……。


アイスブルーの髪は本当にアンディそっくり。でもその髪には白い毛が多く交じっている。髪色と同じ、意志の強さを感じさせる眉、貫禄を感じさせる鼻の下の髭。年齢の割にお腹が出ることもなく、中肉中背をキープしている。隣に座る妃殿下は、シルバーブロンドの豊かな髪を結い上げ、深みのある紫色のローブ・モンタントのドレスを美しく着こなしていた。こちらも年齢よりも、若く見えている。


「ではまず、オルドリッチ辺境伯。書簡で伝えていただいた件、それについて今一度陛下に、ご説明いただけますか」


この場の仕切りは宰相マクラーレンがするようだ。オルドリッチ辺境伯は、問われるままに話し出した。


オルドリッチ辺境伯の説明は……素晴らしいものだった。一切の私情を挟まず、淡々と起きたことを報告していく。例えばディーンがスチュ王太子に斬りつけられたところも、本来なら文句の一つを付け加えてもいいだろうが、そんなことはしない。


スチュ王太子が斬りつけた、その結果、着ていたジャケットは切れたが、中に鎖帷子を着ていたので、傷つくことはなかった――そう報告しただけだ。でもどう考えても前後の状況から、ディーンは悪いとは思えず、横暴な振る舞いをしたのは、スチュ王太子と分かる。


そうか。


オルドリッチ辺境伯は、自身に非はないと確固たる自信がある。だから感情を交えず、あるがままの事実を報告しても、罰すべきは誰であるか分かると思っているのだ……!


こうしてノースコートで、スチュ王太子が起こした出来事の報告は終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●断罪終了後シリーズ第二弾●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~
読者様の声に応え『完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~』続編公開&完結!

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ