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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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45:直視するのが困難

「ではナタリー嬢が国外追放の身でありながら、王都にいることはお咎めなしか?」


オルドリッチ辺境伯に尋ねられたマクラーレン公爵は、頷き、そして答える。


「そうなるな。咎めろと言い出しそうな魔術師は病欠。神官長は静観しているからな」


例えそうだとしても、まさか私まで国王陛下と謁見できるとは……。これには驚くしかない。


「時間は10時からだ。紅茶を飲んだら着替えをするといい。……ナタリー嬢。我が家には君と年齢が近い娘がいる。その娘のドレスで恐縮だが、何着がメイドにもたせるから、それに着替えるといい」


「マクラーレン公爵、ありがとうございます!」


こうして紅茶を飲み終えると、それぞれの部屋に案内された。久々の貴族の屋敷の部屋。


オルドリッチ辺境伯の屋敷にもお邪魔しているが、通されたのは応接室や美術品を展示した部屋だった。こうやって天蓋付きのベッドがあり、暖炉があり、美しい絵画が飾られ、見事な調度品のある部屋に案内されると……。自然と生家のミラー伯爵の屋敷を、自分の部屋を思い出してしまう。


自分の部屋を思い出せば、自然と封印していた家族のことが思い出される。


兄と弟は決して悪い人間ではない。ただ、ヒロインであるリリィの策略にまんまと騙されてしまったに過ぎない。男爵令嬢の証言を聞いたなら、私に対する考えも変わってくれているかもしれなかった。


床に伏せている両親については、ただただ心配だ。私と縁を切ることは本意ではなかっただろうし、苦渋の決断だと思う。この王都に滞在している間に会いに行くことができればいいのだけど……。


そんなことを思っていると、扉をノックする音が聞こえてくる。メイドがドレスを手にやってきたのだろうと思い、扉を開ける。そこからはどのドレスを着るか選ぶことになり、そして着替えとなった。


今回は昼間の謁見。ローブ・モンタントという立襟のドレスに着替えることになる。色は深みのある青色。つまりアンディの瞳を思わせるラピスラズリ色のドレス。


この色のドレスが用意されたのは、偶然だと思う。でもこの色を目にした瞬間。ほぼ即決だった。何よりマシュマロが用意してくれていたパールのイヤリングとネックレスにも合うデザインと色なので、安堵する。


今回、使い魔のみんなは、森の中の家で留守番だ。ノースコートの街へ行く時は、誰が行くかと大喧嘩だった。それなのに王都には誰も行きたがらない。モフモフの使い魔達は、アンディのことが大好き。そして王都にはアンディに意地悪をした人物がいると分かると、使い魔達は「王都なんて嫌い」になってしまった。


この可愛らしい反応には思わず頬が緩む。


ちなみにいざとなれば、アンディは彼らを召喚できる。今は離れ離れだが、いつでも会えるということだ。


「皆様、エントランスへ向かっているそうです。お嬢様もどうぞ」


着替えを手伝ってくれたメイドに言われ、部屋を出る。


エントランスが見えてきて、そこに現れたアンディの姿に、思わずドキッとしてしまう。てっきりフロックコートを着るのかと思ったら。間違いなく、オルドリッチ辺境伯がアンディのために用意していたのだろう。


アンディは軍服を着ていた。

濃紺の軍服は、飾りボタン、飾緒、ショルダー・チェーンは銀色で、胸のエンブレムは辺境伯家の紋章、裾や袖は赤色のラインで飾られている。そしてこの軍服姿のアンディは……とても……カッコいい。


そもそもが美貌なイケメンなのだ。軍服が似合わないわけがない。


直視するのが困難で、なんとなく視線を逸らしていると。


「ナタリー、こーゆうの着るの初めてなんだ。その……変じゃないか?」


「そ、そうなのね。似合っていると思うわ。サイズもピッタリだし」


「……本当に?」


「ええ、本当に」


するとアンディが私の二の腕を掴み、顔を覗き込む。

これは……!

美貌のイケメンが軍服姿でこんなことをするのは、反則だと思う!


「ナタリー、なんで視線を逸らすの?」

「そ、それは……!」


「アンディ、ナタリー、出発するぞ!」


オルドリッチ辺境伯に助けられた。


しかも馬車は私とアンディが横並びで、対面の席にオルドリッチ辺境伯が座ってくれたのだ。これでアンディを直視せずに済む。


美人は三日で慣れるという。

だがイケメンはどうなのかしら?

もしアンディが軍服姿のまま、家で三日過ごしたら、見慣れるの……?


とても見慣れる気はしない。


そんなことを思っていると、すぐに宮殿へ到着してしまう。

馬車の中ではオルドリッチ辺境伯がマクラーレン公爵との昔話を聞かせてくれたので、窓の外をあまり見ていなかった。でも改めてエントランスに降り立つと……。


思い出してしまう。


宮殿に来た日々を。

それは王太子妃教育を受けるためだったり、スチュ王太子と舞踏会に出るためだったり、いろいろだった……。


これは……思い出す必要はないのに。

あまりにも鮮烈であり、その出来事となった舞台の場所に来てしまったから。


ボロボロのドレスをまとい、激痛に耐えながら、使用人の通用門から宮殿を出た。


ロープでつながれ、裸足の足で、意識は朦朧として……。

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