表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/130

37:怒り心頭のモフモフ達

「そう言われると、複雑な気持ちだな。スチュがナタリーに片時もはずすなと言ったことで、その宝石はナタリーのそばに常にあることになった。おかげで俺は気づくことが出来た。ナタリーが断罪を受けたことも、河に落とされ、どこに流れ着いたかも」


それはなんとも皮肉な話。

スチュ王太子はまるで飼い犬に着ける首輪のように、あのブレスレットとネックレスを身に着けることを命じたのだと思う。でもそれが奇しくもアンディに私の状況を知らせることになった。


「ナタリーの様子が分かるのは、俺にとっては喜ばしいことだった。その一方で、俺の想いを込めた宝石で勝手にネックレスとブレスレットを作り、ナタリーに贈ったスチュには怒りを覚えていた」


「……もしかして対価だからって言って私からブレスレットとネックレスを受け取ったけど、本当は対価うんぬんではなく、スチュ王太子さまへの怒りで、私からあのブレスレットとネックレスを外して欲しいと思ったの……?」


アンディは目を閉じ、大きく息を吐く。そしてゆっくり瞼をあける。ラピスラズリのような瞳と目が合う。


「ナタリーは鈍感なのか、敏感なのか、どっちなのだろう……。でも、今の指摘は正解。あの状況で『ブレスレットとネックレスを外せ』なんて言ったら、ナタリーは怯えただろう。そこで対価として受け取る形にしたんだよ」


鈍感なのか敏感なのか。私としては……そのどちらでもない「普通」なんだと思っているけど。それにしても対価という形ではなく、もっと別の方法もあったのではないかと思ってしまう。


「どうして……話してくれなかったの? 最初から、事情を話してくれれば、あっさり私から『このブレスレットとネックレスを処分して』って、アンディに託したかもしれないのに」


するとアンディは顔を赤くし、あの困り顔になってしまう。


「ナタリーは鈍感になってほしいところで敏感なんだよな。……今回、スチュがあっさり話してしまったし、ディーンやオルドリッチ辺境伯には、俺の身の上を話していた。だから当たり前のように、俺がスチュの双子の兄だって明かすことになったけど……。本来は気軽に話すようなことではないから」


そう言われるとそれは……その通りだった。スチュ王太子に双子の兄がいることは、元婚約者の私だって知らなかったのだから。


同時に。


鈍感なのか敏感なのかという件。

どうも私はここぞというところでは鈍感になり、ここはスルーしてほしいところで敏感になってしまう人間なのかもしれない。


そんな風に思わず考え込んでいると、アンディが私の頭を優しく撫でる。


「今、話した通り、俺はスチュに対して怒っていたから。ナタリーからブレスレットとネックレスを受け取った後、すぐに宝石の魔法を解除した。そして後先考えず、スチュがナタリーに贈った物を、手元に置いておきたくない。そう思い、売り払ってしまった。まさか巡り巡ってあれがスチュの元まで戻るなんて、考えていなくて……。つまり。スチュがこの森に来たのは、俺の落ち度でもある。ナタリーだけのせいではないってこと」


そう言った瞬間。


アンディのおでこが、私のおでこに触れていた。


「だから、ナタリーが涙を流す必要はない」


なんて、アンディは優しいのだろう……。

体が芯から感動で震えていた。


「アンディ、本当にありがとう。あなたに出会えて良かったと、心から思うわ」


すると。


「……ナタリー、俺……」


「「「「アンディ、ナタリー!」」」」


モフモフ使い魔の声に、慌ててアンディと私は体を離した。


「ナタリー、心配したんだぞぉ!」


パールを筆頭にモフモフの使い魔達が、私の腕の中へ飛び込んできた。


そこで私は思い出す。

この小さな体でスチュ王太子に立ち向かってくれたことを。


「みんな、あの時はスチュ王太子に立ち向かってくれて、本当にありがとう」


ぎゅっと抱きしめることはできないので、みんなの体を包み込むように抱き寄せる。するとモフモフの使い魔は、私の胸にすがりつく。


「無事で本当によかったよぉ。あれが王太子だってアンディから聞いたけど、最悪だな」


パールが憤慨すれば、ブラウンとマシュマロも同意を示す。


「ナタリーに手を出そうとするなんて本当に最低よ!」


「あーゆう人間はね、地獄に行くべきだと思うわぁ」


怒りがエスカレートしたモフモフの使い魔達は……。


「アンディ、アイツのことをスズメバチたちに襲わせようぜ!」


「そんなの生ぬるいわ。湖に沈めてやりましょう!」


「いっそ、使い魔に変えて、一生こき使えばいいんじゃないのぉ」


「まあまあ、落ち着け、みんな。スチュはあれでも王太子だから。簡単に手出しはできないよ。それより見て見ろ。ディーンが沢山、食料をくれたぞ」


アンディの言葉に、モフモフの使い魔達の顔色が変る。一斉に麻袋へと向かって行く。


「明日から少しずつ、木々に魔法で力を与えて行くから。……ナタリーも協力してくれるか?」


ラピスラズリのようなアンディの瞳が、私に向けられた。本当に見ていると吸い込まれそうな美しい瞳だ。


「勿論よ。私ができることがあれば、なんだって協力するわ」


アンディの顔が明るく輝く。

その笑顔は……本当に反則だ。

もう胸が信じられないぐらい、ドキドキしてしまっていた。

モフモフ達が提案するざまぁが何気に辛辣!


【御礼】

今朝の日間恋愛異世界転ランキングにて

24位に登場していました!

応援くださる読者様に心から感謝です。ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●断罪終了後シリーズ第二弾●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~
読者様の声に応え『完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~』続編公開&完結!

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
[一言] ススメバチに襲われるのが地味に強烈…!死なないけど滅茶苦茶複雑辛いしトラウマになる恐怖を植え付けるおっそろしい罰な気がします。使い魔さんかっけーっす!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ