表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/130

23:お仕事、見つけます!

するとそこには目論見通り。

上流貴族のマダムが沢山たむろしている。

彼女達は自身の娘をディーンの挨拶に向かわせ、それが終わるのを軽食やスイーツを楽しみながら待っているのだ。


グループを組んでいるマダムもいれば、群れていないマダムもいた。

孤高のマダムに私はさりげなく話しかける。

こういった社交術が身についているのは。

ある意味王太子妃教育の賜物だと思う。


「こちらのイチジクの生ハム包み、お召し上がりなりましたか?」


先程からシャンパンを3杯ほどあっという間に飲み干しているマダムに声をかける。着ているドレスや身に着けている宝飾品から、公爵家のマダムだろうと目星をつけていた。


「いえ、口にしていませんが」


「今はイチジクが旬ですよね。そしてこの生ハムはイベリコ豚です。イチジクに含まれる酵素には豚肉に含まれるたんぱく質を分解し、消化を促進する効果があると言われています。ですからこの組み合わせで食べるのはベストで、かつ美味しい。加えて、イチジクにはミネラルやカリウムも含まれていますし、お酒の後に召し上がると、二日酔いの予防になると言われているのですよ」


「まあ、そうなのですか」


マダムが瞳を輝かせる。会話の糸口はこれでOK。

あとはこのマダムが知りたいと思っている情報を引き出し、その答えを提示しつつ……。


マダムとの会話は実に盛り上がった。

その結果。


「あなたはとても博識ですわね。……良かったら今度、我が家へお茶へしにきませんこと?」


「それは大変光栄です。でも私は爵位ある身分でもないので、恐れ多いです」


「! そうなのですか!? 街の女性の方なのですか?」


私は申し訳なさそうに頷き、そして……。


「実は両親共に早く亡くし、元は爵位ある一家でしたが、路頭に迷うことになり……。この街へ来たのは、職探しのためなのです」


「まあ、そうだったのですね……」


マダムはそこで考え込み、私を見る。


「あなたはとても品があるし、博識だわ。そんなあなたにふさわしい仕事かと言われると違うかもしれないのですが。よかったらうちの屋敷の下働きでよければ、雇うこともできますけど」


「本当ですか!」


瞳を輝かせ、マダムの名前と住所を教えてもらい、後日面談に行く約束を取り付けた。そこへマダムの娘が戻って来る。年の頃はまだ16歳ぐらいかしら。私に会釈をした娘は、マダムと連れ立ち、ホールへ向かう。ひとまずディーンに挨拶したが、他にいい男性がいないか、親子で探すのだろう。


「もし」

「?」


振り返ると老婆がいた。


決して派手ではないが上質なドレスを着て、身に着けている宝飾品も一級品。でもなんというか……貴族ではない感じがした。


「聞くつもりはなかったのだけどね。どうやらお嬢さんは、仕事を求められていると」


「……そう、ですね。でも先程のマダムが下働きの話をくださりましたので」


「そうだね。でもたいした給金はもらえないよ」


……。お金は勿論生きていくために必要。でも沢山のお給料を手にいれ、贅沢をするつもりはない。


「私がお嬢さんに紹介できる仕事。それは住み込みで三食の食事もつくし、毎日入浴もできる。でも労働は数時間のみ。悪い話ではないと思うよ」


「……それはどんなお仕事なのでしょうか?」


「説明しようじゃないか。でもここで立ち話はなんだ。外の庭園のベンチで話すのはどうだい?」


チラッと今いる部屋を見ると。

用意されている椅子やソファはすべて埋まっている。


「分かりました」と答え、老婆と共に庭園へ出る。


特設ステージを見ると、アンディは勿論、数少ない男性はダンスに引っ張りだこ状態だ。あの様子だと、まだしばらく戻って来ることはできないだろう。


「さあ、そこに座った、座った」


老婆に言われたベンチに腰をおろす。

私の隣に老婆が座る。


「私の名前はスーザン、あんたの名前は?」


一瞬、「ナタリー」と答えようとして、本名を名乗るのは万一を考え、止めておこうと思った。そこで「ナタリアです」と咄嗟に答える。


「ナタリアね。で、年齢は?」


「18歳です」


「いいねぇ。没落する前に婚約者とかいたのかい?」


この質問にはドキリとする。

婚約者がいたように思えるのかしら?

あ、いや。私が貴族だから。

婚約者がいてもおかしくないということね。


そう思い、婚約者はいたが、没落と同時に婚約は破棄されたことを伝える。すると深い仲までいったのかと思いがけず突っ込んだ質問をされ、焦ってしまう。でも何もなかったので「ありません!」と顔を赤くして否定する。そんな私の様子を見たスーザンは「この様子じゃ本当に何もなかったわけだね」と笑った。


他にもいくつか質問され、答えると……。


「いいね。あんたは合格だよ、ナタリア」


スーザンはそう言うと口笛を吹いた。

すると。

座っているベンチの背後で物音がした。

驚いて振り返った瞬間。

顔に布を押し当てられ、叫ぶ間もなく、意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●断罪終了後シリーズ第二弾●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~
読者様の声に応え『完結●断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた~回避成功編~』続編公開&完結!

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ