SS:モフモフたちの可愛い冒険(前編)
童話風にしてみました☆彡
「おい、みんな。このザロックの森の探索は、進んでいるか?」
子ウサギの姿の使い魔・パールに尋ねられると。
まだ幼いモフモフたちは、塊のように寄り添い、フルフルと首を振ります。
そしてみんなの声を代弁するように、三匹の使い魔が順番に口を開きました。
「だって今の季節、お外は寒いもん」とふさりと尻尾を振るのは、子ぎつねの姿の使い魔。
「こわい獣が外にはいるから、いや~」と耳を倒すのは、子ヤギの姿の使い魔。
「みんなと一緒がいいから、外には出ないんだ」と子犬の姿の使い魔。
これを聞いたパールは、子リスの姿の使い魔・ブラウンと、内緒話を始めます。
「コイツらアンディに留守を任され、しっかりやっていると思ったら、すっかり軟弱になっちまった。使い魔たる者、常に勇敢であれ――なのに」
「まあ、別に勇敢とまでいかなくても……。でもそうね。ザロックの森は、あの子たちの本拠地になる。どこに何があるのか分からないとダメよね。それに森にいる獣が怖いなんて、言っていられないわ。わたし達はアンディの使い魔。この姿はこの世界に適応させているだけで、森にいる獣なんて屁でもないのだから」
「だろう? よし。アイツらを鍛え直す必要がある。ブラウン、協力してくれ」
こうして先輩であるパールとブラウンは、後輩である幼いモフモフの使い魔たちの成長を促すため、ある計画を遂行することにしたのです。
◇
「パール、ブラウン、本当に留守番でいいのか? それに他のみんなも、スケートはしないのか?」
王都からザロックの森の家に、週末を使い戻って来たアンディとナタリー。二人は森の湖が凍っているので、スケートを楽しむことにしたのです。
子猫の使い魔・マシュマロは、王都でお留守番。
でも森へ戻ったパールやブラウン、森の家を守るモフモフの使い魔たちは、一緒にスケートを楽しむと、アンディは思っていたのです。それなのに全員が「家で待っている!」と言い出すので、ビックリ。
「アンディ、たまにはオイラたちの目を気にせず、二人仲良くスケートを楽しんでくれ」
パールの言葉にアンディは「それもそうだな」という表情になります。
こうしてアンディとナタリーは仲良く手をつなぎ、家を出て行きました。
家に残ったモフモフの使い魔たちは……。
お菓子を食べたり、追いかけっこをしたりで、気ままに遊んでいます。
すると。
「うっ、腹が痛い!」
突然、パールがお腹を抱え、倒れこみました。
「大変よ、みんな! パールがお腹が痛いって!」
ブラウンの声に、遊んでいた幼いモフモフたちが、一斉にパールに駆け寄ります。
「パール、しっかりして!」
「パール、大丈夫!?」
「ベッドに運ぼう!」
幼いモフモフの使い魔たちは協力して、パールをアンディのベッドへと運びます。
アンディの枕に頭をのせ、横になったパールは長い耳を倒し、とても辛そうです。
「どうやら何かにあたったようだ。これは……スノーフラワーが必要だ」
パールが苦し気にそう言うと、幼いモフモフたちは口々に「スノーフラワー?」「スノーフラワー、知っている?」「どんな花?」と大騒ぎ。ブラウンは家にある植物図鑑や地図を、幼いモフモフたちに渡します。
みんな必死で図鑑のページをめくり、そして地図と睨めっこ。
その結果。
「スノーフラワーは“向こうが見える滝”の裏にある洞窟の中で、咲いている花だ!」
「スノーフラワーは、腹痛に効くんだって!」
「パールはこれを飲むと、元気になるんだ! みんなで取りに行こう!」
「え~、でもお外は寒いよぉ」
そんなことを言うモフモフもいましたが、「パールのためだ!」と最後は一致団結。
「パール、待っていて!」とみんな元気よく家を出て行きました。
お読みいただき、ありがとうございます!
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応援くださる読者様
本当にありがとうございます!!!!!
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