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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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48:ダンスをする? それとも

 広々としたガーデンティーパーティーの会場は、いくつかエリアが別れていた。

 王族が集結し、来場者が順番に挨拶ができるエリア。

 オーケストラがいて、ダンスをできるように舞台が設けられた噴水前エリア。

 飲み物や軽食を提供しているエリアは広場になっており、ベンチも沢山ある。

 この日のために開放されているホワイトガーデンには、ここに来る途中に見えたドラゴンやユニコーンのトピアリーが飾られている。


 まずは王族への挨拶ということで、行列に並ぶことになった。


「アンディは自分の両親に挨拶することになるのよね? 今朝も朝食は一緒に食べているのでしょう?」


「そう言われると……。でも俺の肩書はいくつかあるけど、今は王宮付きの魔術師だ。王家の臣下という立場だから挨拶するのはおかしくないよ。それにナタリーの婚約者という最も大切な立場でもある。ナタリーをエスコートして挨拶できるなら本望だよ」


 そんな風に言って笑ってくれるのだから。

 自然と胸がドキドキしてしまう。


 長い順番待ちとなったが、それもアンディと一緒だと苦痛にならない。

 森の家に戻ったら、きっとリンゴが沢山収穫できているから、ジャムを作ろうとか、本格的に雪が降り出す前に狩りも終えておきたいとか、そんな話をしていると……。


「ナタリー嬢、よく来てくれた。いろいろとアンディを支えてくれて、ありがとう!」


 国王陛下がいきなりフレンドリーになるので、私はハラハラしてしまう。

 だが国王陛下はニコニコと私に話しかける。


「ともかくこの建国祭の期間中もいろいろあったが、今日も最終日。ガーデンパーティーはこの通り。問題なく進行できている。あとは夜の花火大会のみ。ゆるりと楽しんでくれ」


「ありがとうございます、陛下」


 カーテシーでお辞儀をして、王妃にも会釈。

 アンディにエスコートされ、その場を離れる。


「ナタリー、どうする? ダンスをする? それとも」


「食事をしましょう、アンディ! 行列で待っている間にお腹が空いちゃったわ。それに食欲をそそるいい香りがこの辺りまで漂っているから……!」


「そうだな。結構待ち時間があったから。よし、軽食エリアへ行こう」


 アンディのエスコートで移動を開始すると、軽食エリアからはさらにいい香りが漂い……。


 もくもく煙も見えている。

 肉の串焼きを焼いているので、その煙かと思ったが……。


「か、火事です、火事です!」


 警備の兵士の叫び声が聞こえてきた。


 ◇


 最初の火の手がどこだったのか。

 それが分からないぐらい、あっという間に火が燃え広がっていた。


 理由は……。


 沢山のトピアリー!


 花壇の花や植木より、ダントツでトピアリーが燃えていた。

 しかもオブジェのように、一か所に数体の動物たちのトピアリーが配置されていたから……。


 あっという間に燃え移り、それはいい燃料となり、火の勢いが増す。


 アンディは避難指示を出しながら、消火活動に当たる。


 だが……。


「王宮付きの魔術師、アンディ様、大変です! 噴水前広場のダンスエリアに設置されているトピアリーも燃え始めました!」


「!? なぜそのエリアが!? 軽食エリアと違い、火なんて使っていないのに!」


 ところがこれだけでは終わらない。

 まさに飛び火だったのだろうか?

 王族のいるエリアでも火の手が上がり、国王陛下夫妻と王太子の避難が始まっていた。

 同時で複数個所で起きた火災。

 消火活動は始まっているが、煙が充満し始めていた。


「ナタリー、これを!」


 アンディは水で濡らしたハンカチを渡してくれる。

 そして「魔法で宮殿内へ避難させる」と言ってくれたが……。


「アンディ、消火活動、私も手伝わせて。この指輪が助けてくれるはずよ。今、火の手は複数個所で上がっている。人手は必要でしょう?」


「でも……」


「アンディ、手伝うわ。指示を頂戴」


 そう言ってアンディに声をかけたのは、公国魔術師のブリュレ!


「大公には許可をもらったから、早く鎮火させましょう。バケツリレーをしているけど、ここは庭園。沢山の草木がある。つまり燃料があるから、消火活動は時間との勝負よ!」


「ありがとう、ブリュレ。では噴水前のダンスエリアを頼む。いざとなれば、噴水は破壊してもらって構わない」


 「OK! 水が大量にあるなら、すぐに消せるわ。任せて」と返事をした瞬間に、ブリュレの姿はそこにはない。


 魔法で移動したのだろう。


 その後も各国の魔術師が手伝いを申し出てくれる。

 アンディは感謝し、指示を出す。


 ただその間にも火の勢いは増している。


「ナタリー、ではこの一帯の火を消す。手を貸してもらえるか?」


「勿論よ、アンディ!」


 飲食を提供しているこのエリアの火の手は、特に強かった。

 アンディと私はまさに力を合わせ、このエリアの消火活動に奮闘することになる。


「アンディ、消えたわ……」


「ああ、ありがとう、ナタリー。さすがマーランの魔法だ」


 なんとか無事、飲食提供エリアの火は食い止めることができた。


「国王陛下夫妻並びに王太子殿下の退避完了です。オルドリッチ辺境伯とそのご子息の誘導で、多くの平民達も避難出来ています。さらに聖女様が臨時の救護所を作ってくださり、そこで怪我人の治療に当たっています。騎士達もバケツリレーで消火に奮闘しているところです」


 伝令の騎士がアンディに状況を報告してくれる。


 避難途中で煙を吸い込んだり、転んだり。

 怪我人は少なからず出ていた。

 でも聖女ルビーの聖なる力なら、傷を癒すことができるはず。


 そして平民の避難!

 各国の来賓が多数いるのだ。彼らの避難が優先される。

 そんな中、見過ごされがちな平民の避難を行ったオルドリッチ辺境伯とディーンは……さすがだと思う!


「避難も順調に進んでいる。ここはもう大丈夫だから、他のエリアを手伝おう」


 アンディがそう言った時。まさにとんでもない情報がもたらされた。

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