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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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47:ガーデンティーパーティー

 アンディに、朝食を我が家で食べてから帰っては?と提案したが、「正門をくぐることなく、ナタリーの部屋にいたと知られたら……婚約破棄されてしまうかもしれない」と随分と可愛らしいことを言うと、そのまま魔法で王宮の部屋へ戻ってしまった。


 アンディは魔法を使えるのだ。突然、部屋に現れたと両親に報告したところで「魔法は便利だな」で片づけられると思うのに。


 律儀なアンディに胸をキュンキュンさせながら、朝食を摂り、その後はガーデンティーパーティーに向けた着替えとなる。


 選んだドレスの色はアクアグリーン。澄んだ青緑色で、淡い色合いをしている。軽やかな雰囲気のドレスで、銀糸による刺繍はリーフ模様。庭園でのパーティーにピッタリだ。


 宝飾品は、ラピスラズリのネックレスとイヤリングをつけ、髪はハーフアップにした。


 昨日と同じくパールとブラウンを連れ、両親と共に馬車へ乗り込み、宮殿を目指す。


「昨日の舞踏会は、結局何も起きなくて良かった」


「そうね。でもアンディ様は舞踏会に顔を見せず、お忙しかったようね」


「そりゃあ王宮付きの魔術師なんだ。いざとなった時に備え、警備に追われていたのだろう」


 両親のそんな会話を聞きながら、馬車は宮殿へ向かい移動していく。


 今日、ガーデンティーパーティーが行われるのは、宮殿の庭園。この庭園は普段から一般開放されている。といっても庭園は広大であり、解放されているのもごく一部。だが今回は普段、解放されていないエリアを含め、パーティー会場となっている。


「なんでもガーデンティーパーティーに合わせ、巨大なトピアリーが用意されているらしい。庭園の一部がテントで目隠しされていたのは、この日のためのようだ」


 トピアリーは樹木を庭師が剪定し、動物や幾何学模様を立体的に表現したもの。王侯貴族の庭園を飾るオブジェのようなもので、人気だった。ゾウのような巨大なトピアリーもあり、針金を使い、時間をかけ植物を成長させ、その造形を表現する。


 宮殿の庭園には普段から様々なトピアリーが用意されていた。小さなサイズだと季節ごとに様々なトピアリーが登場する。春ならウサギ、夏は鳥、秋はリス、冬はトナカイなどいろいろだ。


「さあ、到着したぞ」


 いつもの宮殿の正門のエントランスではなく、庭園のエントランスに到着した。そこは正門のエントランスより、広々しているはずなのだけど……。今日は一般客も多く招待されているので、沢山の馬車が止まり、人も多い。そうなるとなんだか手狭に思えてしまう。


 そんな中、馬車を降りると、昨日と同じ!

 アンディが待っていてくれた。


 今日のアンディは瞳と同じラピスラズリ色のフロックコートにパールシルバーのローブを羽織っている。金細工で飾られたローブはとってもお洒落だ。


 両親と、後から到着した兄と婚約者に挨拶をすると、アンディはこぼれそうな笑顔で私と向き合う。


「ナタリー、今日のドレスは初めて見る色合いだ。これは……」


「アクアグリーンという色よ」


「なるほど」


 そう言ったアンディは魔法でタイの色をアクアグリーンに変えてしまう。

 自身の装飾品に私のドレスの色を瞬時に取り入れてくれたのだ。


 これにはもう嬉しくてならない。

 何よりもこんな風に瞬時にできるのは、アンディならではだと思う。


「アンディ、今日はパーティーを楽しめる?」


「うん。庭園が広いから、その分、警備の兵と騎士の数をうんと増やしている。一般客も多いから。それに庭園に入れない人々も、この周辺にスタンドショップが多く出ているから、そこに集まっている。騎士団長によると、一点集中になっているから、警備がしやすいらしい。何かあれば俺も動くけど、あくまでアドバイザーだからな。騎士団に任せ、今日はのんびりナタリーとガーデンパーティーを楽しむよ」


「そうなのね! それは良かったわ」


 アンディにエスコートされ、歩き始めると、赤毛に琥珀色の瞳、オレンジ色のドレスを着たウララ公国の公国魔術師のブリュレの姿が見えた。大公にエスコートされているブリュレは、何だか不満そうだ。


 シルバーホワイトのテールコートを着たブルームーン帝国の皇太子の姿が見えたが、彼は誰も同伴していない。つまり帝国魔術師であるストリアの姿はない。こちらでは不問に処したが、皇太子がストリアに謹慎処分を言い渡した可能性がある。


 オルドリッチ辺境伯夫妻と空色のテールコート姿のディーンの姿も見えた。ディーンは誰か令嬢をエスコートしているのかと思ったら……。誰も連れていない! 周囲の同伴者がいない令嬢から熱烈な視線を集めているが、気にせず歩いている!


「ナタリー見て、あれはキリンかな?」


「!」


 ディーンから視線を移し、アンディの言う方向を見ると、そこにはなんと、巨大なキリンのトピアリーが見えている。よく見ると、その近くにはゾウもいるし、ライオンのトピアリーもあった。


「あっちにはあれはドラゴンかな。羽までよく表現しているな」


 アンディに言われ、今度は反対を見ると、確かにそこには巨大なドラゴンのトピアリーが見えている。そのそばにはユニコーンのトピアリーもあり、丁度テントで隠されていた辺りだ。周囲には人だかりができ、伝説の生き物を皆、興味深そうに見上げている。


 建国祭のガーテンパーティー。


 それは楽しさいっぱいに思えたのだけど……。

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