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断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【続編】

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45:臨戦態勢

 ――「今、起きていることだけに囚われないことです。過去の亡霊は諦めていません」


 ストリアが残した言葉。

 これは誓約魔法がある中での、彼女なりの精一杯だと思えた。


 つまり今回の計画のヒントが隠されていると思うのだけど……。


 分かるようで分からない。


「アンディはストリアが残した言葉の意味、分かったかしら?」


 ブラウンが日中着ていたアイスブルーのドレスを、舞踏会に相応しい華やかなデザインに変えてくれた。同じアイスブルーという色味なのに。沢山のビジューが散りばめられ、レースや刺繍が加わることで、夜の場に相応しいドレスに変わっている。アップにした髪にあの碧い薔薇も飾ると、舞踏会の会場へ向け、パールとブラウンと共に移動した。


 会場に着くと、私はホールへ入ったが、パールとブラウンは二階のバルコニー席へ向かう。


 そこは通常王族が階下の様子を見るための席。だが今日は王族も全員ホールにいるので、バルコニー席からパールとブラウンはホールで異変が起きないか、目を光らせてくれることになった。


 開始数分前というギリギリで到着したが、「ナタリー嬢!」とディーンに声をかけてもらえた。


「アンディは? てっきりアンディにエスコートされ、来ると思ったのに。何かまた忙しい事態に?」


 私が気絶した件は特におおやけにされていない。怪我もなかったわけで、騒ぎ立てる必要もなかったので、ディーンが知らなくても当然だった。


「アンディは大聖堂の一件があったから、舞踏会は見回りに徹するそうよ」


「なんだ。そうだったのか。それならば私がエスコートすればよかったね。まさかナタリー嬢を一人で入場させることになるとは。申し訳ないです」


「そんな、ディーン様は何も悪くないですよ!」


 そんな会話をしているとこちらを見る両親と目が合う。

 さすがに私が気絶していた件の連絡はいっている。

 だがちゃんとドレスを着替え、ここにいるわけだから安堵したようだ。

 兄とその婚約者もホッとした顔をしていた。

 心配をかけて申し訳ないわと思っていると、ファンファーレが聞こえる。

 王族の入場だ。


 そこからはもう、例年の建国祭と同じ流れで進行していく。


 国王陛下の挨拶に加え、各国の来賓が祝辞を述べる。

 この祝辞は舞踏会の最中、何度か行われるもの。

 その祝辞が終わると、ようやく最初のダンスが始まる。


 王太子と来賓の姫君がファーストダンスを披露して、いよいよ全員がダンスとなった。


 何か起きるとしたら、挨拶や祝辞のタイミングだと思ったが、今のところ、何も起きていない。


 晩餐会の時のような不審な動きをする使用人もいなかった。


 そこでふと思う。

 晩餐会の時の使用人。彼らもまたブルームーン帝国の指示で動いたのかしら?


「ナタリー嬢。アンディの代わりで私とダンス、いかがですか?」


「! ありがとうございます、ディーン様。お願いします」


 考え事ばかりしてしまい、心ここに在らず状態だった。

 だがディーンが都度声をかけてくれることで、現実に戻ることができる。

 そして言われるままに応じてしまったが……。


 ディーンにエスコートされ、ダンスエリアへ歩いて行くと、視線を感じる。


 それは婚約者がいる私が、婚約者もいない、辺境伯の嫡男とダンスをすることへの……単純な嫉妬だ。


 これには「怖い!」より「そうですよね、ごめんなさい!」という気持ちになっている。


 何せディーンは間違いなく素敵な貴公子で、未婚令嬢なら「私と婚約してください!」と思う人物だった。それなのに婚約者がいる私といきなりダンスは……。令嬢が怒る気持ちも分かるし、ディーンもせっかくのチャンスを逃しているようで、申し訳ない気持ちになる。


 しかも……。


 ディーンもまた、ダンスがとっても上手。

 辺境伯の嫡男ともなると、自身の屋敷で開催する舞踏会でもう何百回とダンスをしているはずだ。ゆえにリードも表情もリズム感も、どれもとっても完璧!


 踊る私も踊りやすい!


 ということで大変楽しくダンスを踊った後は、「ディーン様、どうぞ他の令嬢とダンスしてください」と促す。「私はナタリー嬢とせめて三曲は踊りたいのですが」と言ってくれるが、「そう言わず、どうぞ。私はティータイムを逃し、少し空腹ですので」と辞退し、ディーンから離れると……。


 あっという間にディーンは令嬢達に囲まれてしまう。

 「ナタリー嬢!」と少し悲痛なディーンの叫び声が聞こえてくる。


 もしかするとこうやって群がられると困るから、私と一緒にいたかったのかしら?


 そう思うも後の祭り。


 私はその後、軽食や飲み物が置かれている隣室に行ったり、庭園の方を伺ったり、何か怪しい動きがないか確認したが……。特に何かありそうな気配はない。少し距離をとり、私の後をついて来てくれる護衛の騎士も、周囲の様子を確認している。だが特に私に何か報告されることもなかった。


 途中、警備の騎士に指示を出すアンディの姿を遠くに見かけることになったりしたが。


 結局、この日の舞踏会。


 何も起きることはなかった。

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