第6話:女王の名付
この話から視点を「サレア」に戻します。
また、見づらい等の不満はございますでしょうか?
もしあれば、もう少し改行多めに書くよう工夫致しますので、これからもどうぞ宜しくお願いします!
俺達は〝俺達を狙う者〟の元へと、足を運ぶ事にした。
俺は強力な魔法陣を皆を取り囲むように設置し、瞬時に移動した。
(場所も人も特定出来ないが、アビスの心情で何となくは分かる────。合っててくれよ!)
正直、俺は曖昧に動作を進めていたのだ。
そこで、何かに気付くアビス。
(戦闘経験無しで、何の魔術を所持しているかは不明。何となくで魔法陣を設置しているのならば、やはり主様は────)
すると、瞬時に移動を開始した。
俺達は別の星へと場所を移した。
そこはとても裕福で、経済的に困っている等は感じられなかった。
そこで、
「ママァーー!!何なの、あの人達!?」
一人の小さな男の子が、俺達を指して泣き出したのだ。
これだから別の星に移すのは厄介だ。
セウズの星でも同じような事が起こったな。
そして当然のように、星の護衛達が十人程度やって来た。
「お前達、誰だ!?」
はいはい。そう言うのは、自分から名乗りましょうね。
俺はすぐに名乗ることなく、逆に相手の情報を探ったのだった。
ふむふむ。
リーダー格の男の名前はアブ。
魔力は感じられる。と言うか、魔力はそこまで大きくないな。
俺はある程度の解析が終わり、漸く名乗り出た。
「俺達は、一人の女性に用があって来た者だ。道を開けてくれ」
そう用件を伝えると、護衛が一斉に構えた。
「一人の女性だと!?それはまさか、我等が女王様では無いか!?────」
アブがそう言うと、俺は疑問を抱いた。
(アブ達の女王が、恐らく俺達の命を狙っている黒幕だろうな────)
そこで、一人だけ護衛を無視して先に行っている男の姿が見えた。
それはアビスだった。
「護衛を相手にするだなんて、時間の無駄ですよ」
アビスが笑顔でそう言いながら、護衛達が勝手にその場に倒れていく。
それに困惑する俺達一同。
「そ、そうか。助かった────」
俺は苦笑しつつ、その場を流した。
話は戻し、再度女王のいる所へと向かおうとする。
俺達は住民に睨まれながらも、着々と進んで行ったのであった。
そしてやっと、女王のいる城へやって来た。
何故場所が分かったかって?
そんなの簡単さ。
この星で一人だけ、魔力が凄く大きいんだもの。
まあ、アビスに聞けば一瞬だったんだろうけども・・・・・・。
そして、城の門は開いた。
俺達が足を踏み入れた瞬間に門は閉じ、四方八方から弓を構える者の気配がした。
これは皆が感知していたが、誰一人と反撃を取ろうとは思っていなかった。
何故なら、
「ア、アイツ、四聖魔物階のルインでは!?」
一人の兵がルインの存在に気づき、ルインの反感を買えばこちらが全滅すると判断し、攻撃を止めたからだ。
この判断は正しいが、逆らえば女王は何て言うだろうか。
どちらを優先するかによって、この星の命の行方は変わるのである。
するとそこに一人、現れる。
「おや、最古竜族ルインを御存知でしたか。アナタ達も中々穎悟なようですね」
兵が驚いて声を上げようとしたところ、アビスの幻糸殺によって暗殺された。
毎度敵の背後を取り、隠密に殺戮を繰り返すのがアビスの役目。
また、情報を収集するのもアビスの一つの仕事である。
続いて別の兵へ。
「こんにちは。一つ、お聞きしたいのですが宜しいでしょうか?」
アビスは丁寧な言葉遣いなのだが、その目の奥には真っ黒に染まる炎の色が見える。
恐らくこれは、未来の光景が映っているのであろう。
そして言うまでも無く、その兵も死んで行った。
「やれやれ。私は真摯に質問しているだけなのに、ちょっと悪戯したら即死しますね。これでは、主様が出向くまでも無いですね」
アビスは呆れたように、独り言を漏らした。
そこで、声だけ通じる事ができる魔法を使った女王が乱入してきた。
「私の大切な子達を!!お前達だけは、簡単に殺させまい!」
怒りのせいか、息を上げて怒鳴っていた。
全く、大切な子を差し出したのは何処の誰なんでしょうかね。
そんな事も考えずに、ただ兵を出していたのならば、頭の悪さが目立つ。
俺はこの時、勝利を確信した。
「ところで、お前が怒っている途中に大切な子とやらは全滅したらしいぜ?」
俺は片方の口角を上げ、バカにするように状況を言う。
「ハッハッハ!あまりにも暇だったもんで、近くにいた奴全員と遊んで来たよ!」
笑顔で説明するルイン。
それに対し、更に怒りを露にする女王。
「フン!全く仕えない子達ね。まあいいわ。どうせ、アナタ達は私の元へは来れないもの」
何と思いやりの無い女王か。
女王がこのようでは、この星の治安が下がる一方であろう。
そこで一つ、アビスが相談をしてきた。
「主様。只今アチラへ行く事を試みたのですが、どうやら本当に行けないようです。どう致しましょう・・・・・・」
アビスは困った表情をしながら、顎に手を当てて悩んでいた。
しかし俺からすれば、こんな事は想定内だったのである。
俺はゆっくり前進し、歩きながらクラゲの姿へ戻る。
そしてそのまま、下を見つめた。
「俺達が行けないなら、女王をこちらに連れて来れば良いんだよ────」
俺がそう言うと、魔法陣が設置されると共に女王がやって来た。
「バカなっ────!?」
女王は狼狽えながら、俺達を見つめながらこう言った。
「ち、違うの!私は軽いお遊びで────」
当然、そんな嘘には騙されない俺達であった。
何故言い訳を────と、俺までイライラしてきたところだ。
その怒りを、女王にぶつけるとしようか。
「軽いお遊びで、俺達に矢を向けるのか?」
俺は女王に喋らせる隙など与えず、落ち着いた声音で問いかけた。
女王は回答に困っていたようで、少し言葉が詰まっていた。
「いいえ!私はそこまでしろとは言わない。平和を一番とする主義なのでね!」
反省の色無しか。
益々殺したくなる野郎だ。
俺達を狙っていると言う情報は、果たして本当なのだろうか。
どちらにせよ、俺達が安心して暮らせないのならば殺すのみ。
そこで、俺よりも圧を掛けるのがお得意なアビスが、殺気立った表情で割り入る。
「女王にも問いたい事がございますが、私達の命を狙っていると言うのは、誠なのでしょうか?」
そう聞かれた女王は、今までに無い焦りを感じていた。
それな、女王の様子を見ただけで分かるもんだ。
「ち、違うわよ!そんな物騒な事、何で私がしなきゃいけないのよ!」
一体、何処まで嘘をつく気なんだ?
そこで俺達は、必死に逃げようたって逃げられない状況まで追い詰める。
「素直に話したらどうだ?気が楽にならないか?」
俺は女王に本音を吐かせるよう、敢えて優しく声を掛けた。
「────」
女王が黙り込んだ時、俺達は一斉に確信したであろう。
女王は嘘をついていたと言う事を。
すると突然、大きな煙が女王を包み、何者かが女王を連れて逃げたのであった。
女王に逃げられたものの、居場所は何処かさえすぐに分かる。
だが皆は辺りを見渡しながら、女王を探していた。
「お前ら、女王はあっちにいる。追いかけろ!」
「「了解!」」
俺は女王の魔力のある方向を指し、テミスとスカイを向かわせた。
次に、ルインには別のルートから攻めてもらうやう、命令した。
俺とアビスも女王の魔力の在処を元にしながら、追いかける。
一方、女王と謎の男は会話をしていた。
「ここまで来れば、一先ず一安心でしょう」
「助かったわ、スタッグ。それより、一つ聞いて欲しい願いがあるんだけど────」
女王はそう言って、スタッグに願い事を話した。
どのような会話が起こっているかを知らなかった俺達は、女王の身に何があったのか分からなかった。
女王の身体の変化は、すぐに気付けるものであった。
「な、何だ?この凄まじい魔力は!?」
俺は女王の魔力の変化に気が付き、すぐにアビスも理解した。
そこで、アビスは疑問を抱いた様な顔で囁いた。
「これほど魔力が増加するとは、一体何事────?」
俺も同じ思いだった。
鍛えるとかそんな話では、ここまでの魔力を上げるのは不可能である。
なのに、それを実現していたのだ。
テミスとスカイが女王の元へ着いた頃には、魔力は膨れ上がっていた。
そこに、俺とアビスも入る。
そして、俺はスタッグと女王に質問する。
「お前達、何があった?」
「スフフフ。聞いて後悔するが良いさ」
そう答えたのは、スタッグ。
その台詞を聞いて、覚悟する俺達。
「女王様は名を持たぬお方でした。しかし、私が名を付けた事で、女王様は新たに力を解放したのです!」
まあ、そうだろうとは思っていたよ。
アビスも、そう思っていただろうしね。
「私の名は〝モントデア〟。スタッグによって授かった、大切な名前よ・・・・・・」
厄介な事が起きたが、戦力ではこちらの方が優勢である。
そう信じるのみだった。
そうして、俺達はモントデア達との戦いが始まるのであった。




