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魔王クラゲによる世界復古  作者: 夜之医
第一章:蟲王族編
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第5話:妖魔の執事とルイン

最近寒くて手が動かない事多いので、誤字脱字あるかもです!(すみません!)

 ルインとサレアは互いに睨み合い、二人の視線の間には物凄い稲妻が走っていた。


「いつでも良いよ。かかって来な!」


 ルインがそう言うと、サレアは迷いもなく魔法陣を自分の周りに纏わせた。

 その魔法陣は計り知れない魔力と共に、ルインに威圧していたのである。


「ボクをここまで興奮させたのは、実に久しいな」


 ルインは戦闘経験が豊富であり、大昔にも様々な強者と拳を交えてきた。

 その時に感じた楽しみを、まさに今感じていたのであった。

 そしてルインも、物凄い魔力を身の回りに漂わせていた。


「ボクから行くよ!って────!?」


 ルインが合図を出したその瞬間、ルインは背筋が凍るような気配を背後に感じた。

 そこにはサレアの姿が複数あり、一斉に攻撃をしようとしていたのだ。

 それに対し、驚愕するルイン。


「ハハッ。可笑しいなぁ。そんな事を覚えたのかな?」


 ルインは苦笑していたが、内心そうではなかった。

 何故ならば、実際焦っていて、余裕そうな表情を見せるので精一杯だったからである。

 しかし、サレアにとってこの心情は、簡単に見破れるものであった。


「焦らない方が身のためだぞ。俺はお前に手加減などしない。よって、俺はお前を殺す」


 そう。この時サレアは、怒りと悲劇で溢れかえっていた。

 その怒りの表情が顔に出ており、その顔はまるで鬼が咆哮した時のような表情であった。



「ボクを殺すったって、殺せないでしょ?だってボクは〝最古の竜〟なんだからさ!」



 ルインがそう強調すると、サレアは更に怒りを見せた。


「そうやって種族だけで地位を決めるのは嫌いでね。俺はお前よりも下の魔物かもしんないが、勘違い一つで犠牲者を出すような奴は許さない」


 その言葉を耳にして、何かに気が付いたようだ。

 ルインは何の為に戦っているのか。一体何故戦っているのか。もう一度、改めて考えた。

 脳裏に表された過去は、ルインがサレアを握り持った時、テミスによって攻撃をされた事。

 ルインは〝攻撃された〟と言うだけで、その攻撃の意味など全く考えていなかったのだ。

 ルインは戦意を喪失し、素直に魔力を抑えた。


「君、勘違いと言ったな?ボクは攻撃された意味を考えていなかったようだ────」


 サレアも魔力を小さくし、何故テミスが攻撃したのかを説明する。


「そう。お前は勘違いをしていたんだ。仲間を庇う為に、止むを得ず攻撃をしただけ。それは威力で分かった筈だ。それなのに、無謀に手を出したお前には、しっかり反省してもらうからな────」


 サレアは軽く柔らかな声で、ルインに言った。

 するとルインは笑顔に戻り、両手を大きく広げた。

 何をする気だ?────と、サレアは思惟を巡らせた。


「ボクは申し訳ない事をしたね。この事は、ボクが責任取っておくよ────」


 ルインが両手の平に眩い光を放出し、その光を倒れた三人の身体へ放った。


 すると、皆は意識を取り戻した。

 皆は何が起こったか分かっておらず、自分の身を確かめた。


「俺は、一体────」

「私はルインに倒されて────」

「クソっ!全く歯が立たなかった────」


 そう呟く三人に、サレアが笑顔で話しかける。


「落ち着いて話を聞いてくれ。ルインは勘違いを汲み取り、和解した。今はお前らの敵じゃないから、仲良くやれよ」


 そう言うと三人は、サレアにヘイトを向けた。


「サレア!いくら今が敵では無いとは言え、俺達は手を出され、挙句は気を失ったんだぞ!?そんな奴と、仲良くしろと言うのか!?」


「まあ、落ち着きなって。ボクも誤った情報を把握した訳だし、事情が事情だし────」


 そう叫喚するテミスに、和睦させようと口を挟むルイン。

 しかし、テミスは落ち着かなかった。


「黙れ!お前は最古の竜族と言えど、調子に乗りすぎだ!」


 サレア達は皆黙り込み、その場の空気は重くなっていった。


 沈黙の時間が続き、ルインが皆に謝罪をしようとした時、空から謎の声が聞こえた。



《この重たい空気、怒りの感情、倒された事への憎しみ。実にして、私への御褒美でした。誠に感謝致します。早速ですが、皆様には部屋を移してもらい、一つ協力して欲しい事があるのですが、宜しいでしょうか?》



 皆は謎の声に戸惑っていたが、ここでサレアが代表して答える。


「ああ、お前が困っているならば、俺は手を貸してやろう。但し、だ。お前が今ここで、名乗って正体を暴けるなら、の話だがな」


 すると謎の声は、心に沁みたかのように「ありがとうございます!」と、お礼の言葉を言った。



 そしてサレア達は、とある謎の城の最上層へと場所を移動した。

 そこには一人、黒い容姿をした男性が立っていた。


「初めまして。私は妖魔族(ゴースト)でありながら、執事を担当しております」


 この執事もルインと同様、魔力を測定する事ができなかった。

 そこでサレアは、動揺しつつも謎のゴーストに訊ねる。


「名前は?」


「皆様のような〝名付魔物(ネームドモンスター)〟ではございませんので、私に名などございません」


 うーん。

 見た感じ、とても悲しそうに答弁された。

 それどころか、名を要求しているようにも見て取れた。


「そっか。なら、俺が名を授けてやろうか?」


 俺は仲間への勧誘も試みつつ、名を授けると発言した。

 それを聞いた皆は、一斉に驚く。




「「「えぇーーー!!!」」」




 勿論、それを告げられた本人も驚いていた。

 サレアは何故こんなに驚いているのか分からず、そのまま名付けを行った。


「今からお前は〝アビス〟だ!」


 するとアビスは宙へ飛び、黒い光に包まれた。

 アビスは感激しながら、名乗る。



「私の名は、アビス────」



 そして光を纏い、進化が完了した。

 そんなアビスは、魔力が以前と比べ物にならない程膨れ上がっており、見た目もより人間らしくなったというか────。




「私に名をくださった貴方様には、何とお礼を申すれば・・・・・・」




 おいおい、嘘だろ?


 アビスは涙目でサレアを見つめ、感謝の気持ちを伝えようと、必死にサレアの手を握りしめていた。


(ん?もしかして────)


 アビスは自分より明らかに身長の低いサレアに合わせ、中腰だったのである。

 サレアはそんな事に気遣ってくれていると知り、スカイの姿に変化する。



「そんなに気遣ってくれているだけで充分だよ。お前に頼む事なんてないし、寧ろ頼まれる目的で来たし────」



 サレアがそう言うと、アビスは苦笑して話を戻した。



「フフ。そうでした。では、御礼はまた後日に回すとしましょう。ところで本題なのですが、(あるじ)様達を狙う者がいてですね・・・・・・」



 なんだ、そんな事か────って、えぇ!?


 一同は驚愕した。

 サレアは何時でも冷静であり、こんな時も冷静に対応した。



「皆落ち着け。それよりも、俺達を狙うだと?」


「ええ。暗くて何も見えなかったのですが、その者が女性だと言う事は、ハッキリと見極める事が出来ました」



 参ったな。

 これは更に、敵が存在するかもしれない。

 そんな危機を感じたサレアは、どうにか戦闘を避けるように思案した。



(俺達を狙う、か。何か裏があるのだろうか────)



 サレアは身の危機を優先した。

 この判断は正確であり、一番皆の身を守る為に特化していたのであった。

 そこでルインは、




「もしかすると、ボクは戦えるの!?」




 と、目を輝かせながらそう言った。

 当然、サレアは真反対の事を考えていたため、即却下された。


「ダメだ。お前が戦うのは危険すぎる」


 サレアがそう口説くと、ルインは萎縮したのであった。

 こんな事で落ち込むくらいならば、後で話をせねばならない。と、サレアは思っていたのだった。



「先程ルイン(そちら)(サレア)様のやり取りを拝見させて頂いていたのですが、戦闘は最低限に抑える。または、戦を起こさない。そう捉えられたのですが、この点に関してはどう行動致します?」



 アビスは泰然と主旨に戻し、サレアに聞き出す。


「そうだな。アビスの言う通り、俺は戦いを起こしたくない。また、こちら側から手を出す事が無いよう、お前達には気をつけてもらいたい」


 サレアの説明を聞くアビスと、他の皆。

 この時、空気は緊張感に包まれていた。



「しかし、だ。仮に相手側が戦を起こそうとし、攻撃を仕掛けられたならば別の話だ。そうなれば、容赦なく殺せ────」



 サレアはこの時、懸命に考えを明らかにしていた。

 皆が固唾を飲み、サレアの言う事に決心した。




「魔王最高峰でありながら、新たな魔王に従うとは。お前はきっと、魔王を越えられる存在になるでしょうね────」



「サレアの意見。中々納得出来る内容だっだぜ」



「私が出来る事には全力を尽くします!サレアの言う事に、従うまでです!」




 最初からセウズ、テミス、スカイと、サレアに対する忠誠心を見せたのであった。


「クラゲがここまで信頼されるとはな。よっぽどボクの方が凄いのに────」


 信頼されるサレアに対して、嫉妬していたルインは小さくボヤいた。



「ありがとう。みんな!よし!今から、俺達を狙う者の元へ行くぞ!」


 サレアがそう掲げると、皆は「うおーーー!!!」と返事した。



 こうして、新たな敵の元へ足を踏み入れるのであった。

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