第5話:妖魔の執事とルイン
最近寒くて手が動かない事多いので、誤字脱字あるかもです!(すみません!)
ルインとサレアは互いに睨み合い、二人の視線の間には物凄い稲妻が走っていた。
「いつでも良いよ。かかって来な!」
ルインがそう言うと、サレアは迷いもなく魔法陣を自分の周りに纏わせた。
その魔法陣は計り知れない魔力と共に、ルインに威圧していたのである。
「ボクをここまで興奮させたのは、実に久しいな」
ルインは戦闘経験が豊富であり、大昔にも様々な強者と拳を交えてきた。
その時に感じた楽しみを、まさに今感じていたのであった。
そしてルインも、物凄い魔力を身の回りに漂わせていた。
「ボクから行くよ!って────!?」
ルインが合図を出したその瞬間、ルインは背筋が凍るような気配を背後に感じた。
そこにはサレアの姿が複数あり、一斉に攻撃をしようとしていたのだ。
それに対し、驚愕するルイン。
「ハハッ。可笑しいなぁ。そんな事を覚えたのかな?」
ルインは苦笑していたが、内心そうではなかった。
何故ならば、実際焦っていて、余裕そうな表情を見せるので精一杯だったからである。
しかし、サレアにとってこの心情は、簡単に見破れるものであった。
「焦らない方が身のためだぞ。俺はお前に手加減などしない。よって、俺はお前を殺す」
そう。この時サレアは、怒りと悲劇で溢れかえっていた。
その怒りの表情が顔に出ており、その顔はまるで鬼が咆哮した時のような表情であった。
「ボクを殺すったって、殺せないでしょ?だってボクは〝最古の竜〟なんだからさ!」
ルインがそう強調すると、サレアは更に怒りを見せた。
「そうやって種族だけで地位を決めるのは嫌いでね。俺はお前よりも下の魔物かもしんないが、勘違い一つで犠牲者を出すような奴は許さない」
その言葉を耳にして、何かに気が付いたようだ。
ルインは何の為に戦っているのか。一体何故戦っているのか。もう一度、改めて考えた。
脳裏に表された過去は、ルインがサレアを握り持った時、テミスによって攻撃をされた事。
ルインは〝攻撃された〟と言うだけで、その攻撃の意味など全く考えていなかったのだ。
ルインは戦意を喪失し、素直に魔力を抑えた。
「君、勘違いと言ったな?ボクは攻撃された意味を考えていなかったようだ────」
サレアも魔力を小さくし、何故テミスが攻撃したのかを説明する。
「そう。お前は勘違いをしていたんだ。仲間を庇う為に、止むを得ず攻撃をしただけ。それは威力で分かった筈だ。それなのに、無謀に手を出したお前には、しっかり反省してもらうからな────」
サレアは軽く柔らかな声で、ルインに言った。
するとルインは笑顔に戻り、両手を大きく広げた。
何をする気だ?────と、サレアは思惟を巡らせた。
「ボクは申し訳ない事をしたね。この事は、ボクが責任取っておくよ────」
ルインが両手の平に眩い光を放出し、その光を倒れた三人の身体へ放った。
すると、皆は意識を取り戻した。
皆は何が起こったか分かっておらず、自分の身を確かめた。
「俺は、一体────」
「私はルインに倒されて────」
「クソっ!全く歯が立たなかった────」
そう呟く三人に、サレアが笑顔で話しかける。
「落ち着いて話を聞いてくれ。ルインは勘違いを汲み取り、和解した。今はお前らの敵じゃないから、仲良くやれよ」
そう言うと三人は、サレアにヘイトを向けた。
「サレア!いくら今が敵では無いとは言え、俺達は手を出され、挙句は気を失ったんだぞ!?そんな奴と、仲良くしろと言うのか!?」
「まあ、落ち着きなって。ボクも誤った情報を把握した訳だし、事情が事情だし────」
そう叫喚するテミスに、和睦させようと口を挟むルイン。
しかし、テミスは落ち着かなかった。
「黙れ!お前は最古の竜族と言えど、調子に乗りすぎだ!」
サレア達は皆黙り込み、その場の空気は重くなっていった。
沈黙の時間が続き、ルインが皆に謝罪をしようとした時、空から謎の声が聞こえた。
《この重たい空気、怒りの感情、倒された事への憎しみ。実にして、私への御褒美でした。誠に感謝致します。早速ですが、皆様には部屋を移してもらい、一つ協力して欲しい事があるのですが、宜しいでしょうか?》
皆は謎の声に戸惑っていたが、ここでサレアが代表して答える。
「ああ、お前が困っているならば、俺は手を貸してやろう。但し、だ。お前が今ここで、名乗って正体を暴けるなら、の話だがな」
すると謎の声は、心に沁みたかのように「ありがとうございます!」と、お礼の言葉を言った。
そしてサレア達は、とある謎の城の最上層へと場所を移動した。
そこには一人、黒い容姿をした男性が立っていた。
「初めまして。私は妖魔族でありながら、執事を担当しております」
この執事もルインと同様、魔力を測定する事ができなかった。
そこでサレアは、動揺しつつも謎のゴーストに訊ねる。
「名前は?」
「皆様のような〝名付魔物〟ではございませんので、私に名などございません」
うーん。
見た感じ、とても悲しそうに答弁された。
それどころか、名を要求しているようにも見て取れた。
「そっか。なら、俺が名を授けてやろうか?」
俺は仲間への勧誘も試みつつ、名を授けると発言した。
それを聞いた皆は、一斉に驚く。
「「「えぇーーー!!!」」」
勿論、それを告げられた本人も驚いていた。
サレアは何故こんなに驚いているのか分からず、そのまま名付けを行った。
「今からお前は〝アビス〟だ!」
するとアビスは宙へ飛び、黒い光に包まれた。
アビスは感激しながら、名乗る。
「私の名は、アビス────」
そして光を纏い、進化が完了した。
そんなアビスは、魔力が以前と比べ物にならない程膨れ上がっており、見た目もより人間らしくなったというか────。
「私に名をくださった貴方様には、何とお礼を申すれば・・・・・・」
おいおい、嘘だろ?
アビスは涙目でサレアを見つめ、感謝の気持ちを伝えようと、必死にサレアの手を握りしめていた。
(ん?もしかして────)
アビスは自分より明らかに身長の低いサレアに合わせ、中腰だったのである。
サレアはそんな事に気遣ってくれていると知り、スカイの姿に変化する。
「そんなに気遣ってくれているだけで充分だよ。お前に頼む事なんてないし、寧ろ頼まれる目的で来たし────」
サレアがそう言うと、アビスは苦笑して話を戻した。
「フフ。そうでした。では、御礼はまた後日に回すとしましょう。ところで本題なのですが、主様達を狙う者がいてですね・・・・・・」
なんだ、そんな事か────って、えぇ!?
一同は驚愕した。
サレアは何時でも冷静であり、こんな時も冷静に対応した。
「皆落ち着け。それよりも、俺達を狙うだと?」
「ええ。暗くて何も見えなかったのですが、その者が女性だと言う事は、ハッキリと見極める事が出来ました」
参ったな。
これは更に、敵が存在するかもしれない。
そんな危機を感じたサレアは、どうにか戦闘を避けるように思案した。
(俺達を狙う、か。何か裏があるのだろうか────)
サレアは身の危機を優先した。
この判断は正確であり、一番皆の身を守る為に特化していたのであった。
そこでルインは、
「もしかすると、ボクは戦えるの!?」
と、目を輝かせながらそう言った。
当然、サレアは真反対の事を考えていたため、即却下された。
「ダメだ。お前が戦うのは危険すぎる」
サレアがそう口説くと、ルインは萎縮したのであった。
こんな事で落ち込むくらいならば、後で話をせねばならない。と、サレアは思っていたのだった。
「先程ルインと主様のやり取りを拝見させて頂いていたのですが、戦闘は最低限に抑える。または、戦を起こさない。そう捉えられたのですが、この点に関してはどう行動致します?」
アビスは泰然と主旨に戻し、サレアに聞き出す。
「そうだな。アビスの言う通り、俺は戦いを起こしたくない。また、こちら側から手を出す事が無いよう、お前達には気をつけてもらいたい」
サレアの説明を聞くアビスと、他の皆。
この時、空気は緊張感に包まれていた。
「しかし、だ。仮に相手側が戦を起こそうとし、攻撃を仕掛けられたならば別の話だ。そうなれば、容赦なく殺せ────」
サレアはこの時、懸命に考えを明らかにしていた。
皆が固唾を飲み、サレアの言う事に決心した。
「魔王最高峰でありながら、新たな魔王に従うとは。お前はきっと、魔王を越えられる存在になるでしょうね────」
「サレアの意見。中々納得出来る内容だっだぜ」
「私が出来る事には全力を尽くします!サレアの言う事に、従うまでです!」
最初からセウズ、テミス、スカイと、サレアに対する忠誠心を見せたのであった。
「クラゲがここまで信頼されるとはな。よっぽどボクの方が凄いのに────」
信頼されるサレアに対して、嫉妬していたルインは小さくボヤいた。
「ありがとう。みんな!よし!今から、俺達を狙う者の元へ行くぞ!」
サレアがそう掲げると、皆は「うおーーー!!!」と返事した。
こうして、新たな敵の元へ足を踏み入れるのであった。




