番外序章:~魔王になる為の道筋~
俺は一般の学生。
仲良い友達などおらず、当然彼女もいない。
いつものような学校生活を送っていたのだが、今日は体調不良者が多い。きっと、今流行りのウイルスなのだろう。
俺は授業中だろうが、飽きた時には寝る。
そう、今がまさにその状態だ。
「影橋!お前は何度も寝やがって、将来社会に出られないぞ!?」
何度も先生に軽く叩かれるが、それは起こす為であろう。
そんなヤワなものでは、俺は起きない。
まあ、起きてるんですけど。(寝てるフリ)
こんな平和な時間が流れ過ぎ行く中、突然すごく鈍い音がした。
学校中が大騒ぎになる。
それは何故か。そう、廊下の地面が無く、その下には悪魔の働く工事現場が見られたからだ。
「「ギャーー!!!」」
俺のクラスメイトが一人、足を踏み外してそこへ落ちて行った。
悪魔はそいつをグツグツと煮て、やがて煙が教室まで入ってきた。
その煙を吸った者は、俺以外の全員・・・・・・か。
なるほどね。と言わんばかりに、固唾を飲む。
何故煙を吸った人が分かるかって?
そんなの簡単な事さ。
だって、見た目が〝鬼〟に変化してるんだもん。
軈て、俺以外の皆は俺を襲って来るのだろう。
俺は習っていた空手を元に、隙なく構えた。
しかし、突如教室の窓を割って入った謎の人物が、銃で皆を撃ち殺した。
俺は近くにいた鬼の返り血を浴び、その血をジッと眺める。
「君、ここの世界で生き延びるとは、中々達者だね」
は?
コイツが何を言っているのか分からなかった俺は、キョトンとした顔で呆然とした。
声を掛けて来た人物は、男か女か分からない中性的な見た目だったが、その〝目〟だけはハッキリと見えた。
その目を見て、驚愕する俺。
「フフ。私の目を見て驚いたかい?まあ、地球人なら驚いても仕方がないね────」
頭の中が混乱しつつも、無理して質問をする。
「そ、その目はどうした!?一体、何者なんだ!?」
俺の質問に、クスクスと笑いながら、ソイツは淡々と答える。
「この目はね、あそこにいる悪魔達と戦い、呪いを掛けられた証だよ」
廊下の下にいる悪魔の事を指していたのだろう。
俺は悪魔達をしっかりと観察して、様子を探った。
「おっと、申し遅れたね。私の名は〝テミス〟。アナタを安全に元の世界へ帰すべく、此処へやって来たんだ」
テミスはそう言い、手を差し出した。
俺は手を取りながら、今度は俺が自己紹介をした。
「俺の名は影橋悠斗。少しの間だが、宜しくな!テミス!」
俺の笑顔に惚れ込んだのか、テミスは少し赤面した。
俺もそんなテミスを見て、赤面した。
俺はテミスの事を、すっかり異性として捉えてしまっていたが、直ぐに我に返った。
「こんな事より、どうしたら元に戻れる?」
「あ、ああ。どうしたら元の世界に戻れるか、だが、元の世界に戻る為に条件がある」
俺は頭にハテナが過ぎったものの、条件を飲むとは決意していた。
「その条件は飲む!だから、どうやったら戻れ────」
「君が魔王になり、自然の秩序を乱す〝光軍〟を壊滅させる。それだけだ」
おいおい。嘘だろ。
俺が魔王になるだと?そんな無茶な話があるか?
それに、光軍を壊滅・・・・・・。
ああ、もう!
最初「その条件は飲む!」なんて、言わなきゃ良かった。
「魔王になる事に関しては、そんなに難しい話じゃないから安心しな。問題は、どうやって光軍を壊滅させるか、だ」
テミスの優しい声を聞いて、不安はかなり収まったが、やはり元の世界に戻る事は安易ではないようだ。
「取り敢えず、光軍を壊滅させれば良いんだな?」
元の世界に戻れるのならと、自ずと進む事にした。
テミスはゆっくり頷いた。
そして俺は、魔王になる為にどのような事をするかを、テミスから色々と聞いた。
こうして、俺は魔王になろうとしていたのであった。




