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男子高校生✿裏垢女子やってます。  作者: 甘夏
【第三章】アリスのチェシャ猫騒動
27/50

第26話 裏垢女子はいろいろ画像と悩みを共有=RTする 2/2

「1点目だけどね。塩野目さんのことは、私もそんなに詳しくないのよねー」


 そうだろうな、と思う。

 仲田詩帆は陽。塩野目汐里は対照的で、陰な感じがしてる。


 まぁ、人の見た目や印象なんて実際に話をするとそれだけで違っているもので、裏の顔がどういうものかなんて、クラスにいるだけじゃわからないのだけど。


(それは、なにより自分もそうなわけだしね)


「あ、でも体育のときに見る感じ、おっぱいのサイズ感は当たってるね」

「ちょっ。詩帆! ひとまえだから!!」


 大型ショッピングモールのフードコート内、休日ともあって人通りも多い中での『おっぱい』発言はさすがに目立つ。しかも美少女の口からとびだすものだから、周りの男性集団がどよめいて、気まずい。


「加恋ごめんってばー。まぁでも事実を確認してからってのはさんせー。あとは意外とモテるってわかった陰キャ眼鏡くんの考え次第じゃないかな?」

「んーそうだよね……今度会うときに考えを聞いてみるよ」

「てゆーか、2点目3点目もまとめてアドバイスするならね。榊くんと直接話すしかないよね。あ、ちゃんと名前言っちゃった」


 別に榊は、名前を言ってはいけない存在ではないのだけど。

 でも今回の件において、結構な元凶というか。

 本人は無自覚なのかもしれないけど、あまり知らないけど塩野目さんに同情してる俺がいる。もちろんこの話をしたときに、シロちゃんと加恋の反応も。

 

 さいてー、くそ野郎。死ねばいいのに。

 

 といったもので。

 そりゃ名前も言いたくない存在になるよね。


「あ、そうそうついでに。榊くんたぶん有栖ちゃんが好きだから、悪いようにはしないと思うけど。浮気はしないでね」

「……へ?」

「や、だって。猫ちゃんの画像を見てたときに告白しただけで、猫ちゃんが好きだとは言ってないよね? それに有栖ちゃんに気づいたのだって、それだけ見てるってことでしょ? あとね、男友達が裏垢女子やってたら、そんなおもしろいネタ、言い触らすでしょふつー。うん、私なんて言いたくてうずうずしてるもん。あ、ごめん、最後のは忘れて」


 いやいやいや。

 色々と爆弾発言だよそれ!

 

 それに、榊が『有栖』のことを……?

 冗談はやめてくれよ……。まず俺は榊含め男に興味がないし、だから浮気なんてするわけないしさ……。


「……なにから突っ込めばいい? あと、なにから反論すればいい?」

「ちょっとぉ、有栖ちゃんもひとまえで突っ込むなんてやめてよねー」


 とりあえずその下ネタには触れずにひと睨みだけしておく。


「なんでそんなお姉ちゃんの状況複雑なの。面白すぎてウケるんだけど、もっと早くおしえててよー」

「いや、笑ってないで助けよーよ!」

「やだ」

「なんで!?」

「おもしろいもん。ただそれだけ」


 けらけらと笑う加恋は、ほんとに幼いときみたいで。そういう意味ではもっと昔からいろいろ話をしておけばよかったとも思うけど。

 それはそれで、これはこれだ。

 『有栖』のことを榊が好きなんていう事態を笑って済ませられるほど、俺の心臓は鋼でできていないし。


「あの……もし、仮に。そうだとすればどうすればいい? 付き合う以外の手段で、アドバイスがほしい」

「まえに、ね。口封じの方法教えたじゃん……?」

「え、ムリムリムリムリ! 絶対イヤだ!」

「待ってまって、ちゃんと話聞きなってば」

「……え?」

「あれは、女子向けよ。男のひとに対して女子ができる一番の方法は、その人を味方につけること」

「えっと、つまり……?」

「わかんない? 完全に落とせばいいの!」

「いや、落とすってどこに」


 シロちゃんは、勝負を挑んだあの日のように、ビシッ! と俺を指さして告げる。


「――はぁ、バカね。恋に、よ!」


(あのー、えっと。シロちゃん。そんなこと考えるくらいなら、もうずっと、バカでいいです)


 思わず頭を抱えてしまう。

 最近になってわかってきたことがある。

 シロちゃんは見た目はギャルで実際にモテる女の子だけど。

 たぶんその恋愛知識は大きく偏ってて……。


「もうずっとバカでいいです。みたいな顔して呆れないで!! いいから、あの陰キャ眼鏡と会ってきなさいよ。今日、このあと、呼び出して。さっさと話せばいいじゃん、もう!」


 うわー……なんか、何も言ってないのに逆切れしてるよシロちゃん。

 そういうとこも、かわいいけど。


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