多元宇宙
あらすじ
一人の犯罪者の運命を変える事で、ヒロインの力が消耗される
このままではヒサギが消滅する、アイとクァシンは協力して
対応する
ワールドザワールドの大樹の女神は
「私は全体の歪みを調整中よ、ヒサギの力は想定よりも
大きく範囲が広い、歪みを周りのみんなが認知をする
と大混乱になるわね」
アイはヒサギを助けて貰おうと相談したが、状況は想定
以上のようだ
クァシンが「他の女神さんに助けてもらえない?」
「無理ね、みなが自分の担当の歪みを調整しているわ」
女神は額に皺を作り考えている
「墓場の女神さんも、運命を変えていましたよ」
アイは前回の旅で、鬼を復活させた事を思い出す
「あれも、復活のみなので過去に影響は与えてないの」
大樹の女神は、アイ達の顔を見ると
「危険な賭かもしれないけど、
あなたたちを、過去に飛ばせれば変わるかも」
「過去に戻って、ヒサギを助ける?」
クァシンは不思議そうだけど好奇心でわくわくしている。
「正しく言うと、その世界ではあなたたちは
今の自分として存在できないと考えて」
「生まれ変わりみたいな?」
「そうね近いと思うわ、準備が出来たら呼ぶわ」
大樹の女神はいそがしげに別の部屋に行く。
クァシンが「どうなるのか楽しみだね」
とニコニコしている
アイは、予想もできない事で心が冷えていた
重大な任務だろう、失敗した場合の影響も見えない。
冷静になれない自分が恥ずかしい。
女神が戻ってくると二人に指輪を渡す
「バランスの指輪よ、つける事で自分の意識を保てる
長く苦しい旅になるかもしれない、頑張れる?」
アイはヒサギの顔を思い出す。
「やります」
クァシンも賛同した。
「目標はヒサギを見つけて、ガヨクとの接触を断つ事」
大樹の女神が次元超越のための魔法を唱えると、
アイは自分の体が膨張と収縮を繰り返すように感じる
膨張が極限に感じたときに意識が途切れる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
自分が自分である事を最初は理解できない。
存在はしているが、存在という認識を自覚できない。
目的は判る、少女を助ける
少女の顔も判る、彼女を見つけるために自分は飛ぶ。
目に見える世界は、複雑なクリスタルが組み合わせた
空間だ。透明でキラキラしている。
クリスタルには面と辺がある、
面には数字が描かれている。
数字が何なのかは判らない。
その記号は、自分が作り出しているのか?
複雑な数列は、下にいくほど小さくなる
その下の下を見ると原初の光があるようだ。
原初の光の下にもまだまだ永遠に続くような
光の膨らみは見える、砂時計にも思える。
そんなには飛べない、自分はひたすら面を見ながら
飛び回る。気がつくと自分の隣に白い小鳥がいた
同じように飛び回る。仲間だろうか?
白い小鳥は、一つの面を見つめている
自分も見ると少女が居る。
ここだ、私は面に向かって飛び込む。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
幼いヒサギが、自分の家で花の世話をしていると
小鳥が飛んできた
「小鳥さんだ」見たことがないような色の小鳥が
二羽いる。近くに寄ってきた。
「まって、ごはんあげる」
ヒサギは台所まで走ると、パン屑をもってくる
ぱらぱらと、パンをまくと小鳥がついばむ。
「おいしい?」
小鳥はパンは食べないで、並べ始めた。
文字のように見えるけど、自分はまだ読めない。
「ごめんなさい、わからない」
小鳥たちは、その場から飛び立つと次の面を探す。
続く