改変された世界
あらすじ
アイの仇敵ガヨクの運命を変えた事で世界が改変される
「ヒサギ、大丈夫かい?」
クァシンが、お見舞いに来る。
心配そうな彼に悪いが、私はまだ寝ている時間が多い。
「思ったより疲れているみたい」
私はぼんやりした頭で、考えている
ガヨクの運命を変える事で、連鎖的にどこまで
影響が出るのだろうか
「ガヨクの事は調べたよ」
彼に頼んだのは世界の変化だ。
詳しく聞いてみると、ガヨクは単なる小物の
犯罪者として刑務所と娑婆を行き来している。
ガヨクの手下のツキヨ姉弟は、行方不明。
「あまり影響が出ていないの?」
「ガヨクの城が消えていた」
私は恐ろしく感じる、もしガヨクの悪行も消えるなら
彼が封印をした箱を盗んだ事も無かった事になる。
「六の目の鬼が復活するの?」
冒険者のアイが部屋に入ってくる。
「ワールドザワールドの大樹の女神様と相談した」
深刻そうな顔だ
「改変の波が現実世界で広がり始めている、
ガヨクは想像以上に人の運命に影響を与えている」
人殺しも多いし、彼に人生を台無しにされた人はもっと多そう。
「問題は、ヒサギだ。
世界を改変する事でヒサギの力を使い続ける」
クァシンが「ヒサギが疲れちゃうよ」
私の頭をなでてくれる。
「最悪はヒサギの力を使い切る・・・」
絶望的な話になるが、もし私だけの犠牲で終わるなら
かまわない。
「大樹の女神さんに伝えて、私はそれで良いです」
両親が死んでからは、あまり生きる気力が無かった
冒険の旅でも中途半端な力しか使えない。
ここで人生が終わっても悔いはない。
アイは力を込めて「俺が止める」
手を握ると、私の顔を見つめた。
クァシンも、その上から手を乗せて
「僕も手伝うよ」ニコニコしながら笑った。
アイがびっくりしたように、クァシンを見ると
彼も笑いながら「お願いするよ」
私もつい笑ってしまう。
部屋の中は笑い声で一杯になる。