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魔導高校生の魔王様  作者: 伊吹わなご
第三章:魔導祭編
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⑲悪魔がこの世界に?しかも人間に化けて?

 警備の仕事も終えて、オレは部屋に戻って早速晴香が作ってくれたシャッテンの資料を見始めた。


「凄いな。短時間にこれだけの量を調べたのか」


 一日で読み終えることはできそうにないな。


 まずシャッテンというのは三百年も続く魔術組織らしい。

 始まりは多くの紛争・戦争に赴いて力を発揮していた者たちが、魔術を集結させればもっと力の誇示ができると意見の一致によりシャッテンが誕生した。


 セイリー・アンデルソンという女性魔術師がシャッテンのリーダーとしてまとめ上げていた。

 セイリ―の魔力量は、他の魔術師よりも頭二つほど飛びぬけていたと言われており、魔導の基礎を作ったという肩書の方が有名な人物なのだとか。


「これがセイリ―・アンデルソンか……」


 黒いローブを着た女性の肖像画が映る。


「なにか見たことのあるような顔をしているな……」


 記憶を巡っていく。そして浮かんできたのは、桐生を寝かしつけた時に見た影の主だ。


「子孫……なんだろうな」


 だが、魔導の基礎を作った人物の子孫ならば魔導師として受け継いでもおかしくはないと思うが……続きを読むか。

 シャッテンは魔術から魔導へと切り替わる際に内部分裂を起こして解体され、そこからの歴史はあやふやな話が出回っているのだとか。

 一応わかっていることは、セイリ―の子孫は魔導師として活躍しており血は途絶えてはいないのと、シャッテンが活動を再開したのは五十念程前からということだけ。

 

「そして現シャッテンのリーダーの詳細は不明なのか……」


 活動を再開した理由も不明で、テロ行為をするわけでもないし、魔術を推進するような運動もないので、名だけが知られている組織、というのが裏社会では有名なことのようだ。


「神様が裏社会を調べたのか、大丈夫か?」


 まぁそこはいいとして。

 晴香にとって気になる点があるようだな。ここだけ赤い枠組みで囲われているな。


 シャッテンのリーダーは今は亡きセイリ―に似ていると言われている。見たこともない魔術を使って仲間を増やしたと噂されている。


「見たこともない魔術か……あの赤黒い液体がそうなのかもしれないな」


 あのような力は向こうの世界でも稀な力だ。似たような力となると……悪魔ぐらいだが……


「悪魔がこの世界に? しかも人間に化けて?」


 あのプライドの塊で出来ている奴らが、下等生物だと思っている人間に姿を変えるのはありえないだろう。

 仮にそうだとしたら、オレのことを魔王だと知っていても納得できるが……


「それならオレも覚えていると思うがな」


 あの窓の外を歩いていた影の主をもう一回思い浮かべてみるが、やはり思い出せない。


「焦りは禁物だが、どうして何もして来ないのかも気になるな」


 あれ以来、影の主がオレの前に現れることはなかった。挑戦状というのは勘違いだったのか?


 それだと、オレを東京に呼んだ目的もわからなくなるな。


「魔導祭で何かしでかすつもりか」


 なら多くの人をあの赤黒い液体で操ろうと言うのか?

 それだったオレに何もしてこない理由がわかる。


「なんにせよ。晴香にお礼の電話でもするか」


 オレは携帯端末を取り出して、晴香に連絡をした。


 影の主は何者なんだろうな。

さーもうすぐ魔導祭の始まりです

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