⑬問答無用で捕まります
「みなさん、暑い中お集まりいただき、誠にありがとうございます。私はあなたたち警備生徒を統括管理します、日本魔導管理局の猪里と申します」
何百人も入れる大きさの会場に、日本魔導局の制服を着た猪里さんの挨拶をすると、集まった百名ほどの警備生徒の拍手で会合が始まった。
「猪里さんか……あれ以来だな」
「ん……? 知り合い?」
「まぁちょっとな」
拍手が鳴り止むと、猪里さんの背中側にある巨大スクリーンに学院都市の全体図が表示された。
「まず君たちには警備というのを慣れてもらうために、この学院都市を一週間に渡って警備活動をしてもらいます。二人一組で行動し、騒ぎが起これば報告し、可能であれば沈静化してください。大事であれば無理はしないで、私もくしは学院都市の警備組織である『セキュレイター』に報告するようにしてください。次に、学院都市の区画についての話です」
学院都市の全体図が様々な色で仕分けされていく。
色だけを数えると二十四も区画されているらしい。
「一番地区から十番地区は学院都市の生徒の居住スペースや繁華街などの衣食住が集まった地区となっています。十一番地区から二十番地区は学校が多く建設されている地区となっています。二十一番地区は教職員たちが多く住む地区で、二十二番地区は港となっていてここから物資の搬入などを行っている地区です。その真反対に二十三番地区はあり、ここは飛行場となっていますね。そして最後の二十四番地区は学院都市の電力の源である魔石発電所などがある地区なので、我々では入ることは許されない地区となります」
魔石発電所とは……最先端技術で発電されているんだな。
「……魔石発電……大丈夫なのかな……」
猪里さんがまだ説明をしているが、桐生がボソッとそんなことを言うので、オレが小声で訊いた。
「というと?」
「魔石発電って……小さな魔石でも発電できる力があるから便利だけど……魔力を適切な量で加えないと……すぐに暴走するの……下手したら大爆発する……それを魔石の大きさや形で量は決まってるからいちいち変えなきゃいけないから……凄くめんどくさいの……」
そんなリスクがあるとはな。まだまだ実験段階の発電所を使用しているのなら不安にも思うのは当然か。
「ということで、今から警備する場所を決めていこうと思います」
色分けされた地図に、名前と警備をする範囲が表示していく。
「そして最後に、中部魔導高校の柊くんと桐生さんは六番地区の『淑女の休息所』という女学校の生徒しか住んでいない街の周辺を警備してください。間違っても淑女の休息所に立ち入らないようにしてください」
「どうなるんですか?」
「問答無用で捕まります」
なんという場所で警備させる気なんだ。
「それでは、警備終了時間は十七時まで警備の方をお願いします。解散!」
猪里さんの号令で一斉に立ち上がった警備生徒たちは小走りで自分たちが警備する場所へと向かっていった。
「それじゃ行くぞ」
「うん……何も起きないことを……願う……静かに過ごしてあのふかふかベッドで深い眠りにつきたい……」
どうやら気に入ったようだ。猿島さんもさぞ喜ぶだろう。
ほぉ女子生徒だらけの街とは……なにかが起きそうですな~




