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魔導高校生の魔王様  作者: 伊吹わなご
第三章:魔導祭編
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⓽ミラクルマジカルまた今度~!

 モノレールの車内。変な格好の五人組と、二人の高校生が小声で会話している光景は少しばかり注目されていた。

 

「そないしても、お兄さんらはなんで学院都市に来たん? 来週やろ魔導祭は?」


 関西弁を喋る少女――金城雪奈きんじょうせつながオレたちに訊ねてくる。


「あ、ちょっと待って。さっき当てられたから、逆に当ててみようよ」


 椙山朱美すぎやまあけみがそう提案してきた。モノレールが学院都市に着くまでは三十分ほどかかるので、時間つぶしにはちょうどいいだろう。


「面白そうだね。よし、チャレンジしてみよう」


 五人の中で一番身長が高い淑徳海李しゅくとくかいりがその遊びに乗じた。


「そうだね……格好から推測すると、君たちは高校生のようだから……部活の全国大会に出るとかかな?」


 淑徳さんの答えに、桐生は首を横に振る。


「うーん、ふぅちゃんにもわかる~?」


 一人称が独特な菊里風華きくざとふうかがオレに訊いてくる。


「学院都市の事情を知っていれば、わかるかもしれませんね」


「てことは~………………わかんないや!」


 元気なことはいいことだが、もう少し考えるべきではないか?


「あ、そういうことで学院都市に来たのね」


 腕を組んで、どこか強気な雰囲気を醸し出している桜花鈴音おうかりんねが、答えにたどり着いたようだ。


「鈴音は学院都市の生徒やからズルいわ」


「そーだそーだ! ズルいぞー」


「シーッ! 静かに!」


「ふぅちゃんも学院都市の学生だよ~? りんちゃんと同じ学校なんだよ~?」


「風華、そこは張り合う場面じゃないよ」


 段々と大声になってきたので、さっきよりも注目されそうな雰囲気だったが、誰もこちらを見ていなかった。


 ……これは……まさか……


「おや? 鋭いんだね柊くんは」


 淑徳さんがオレの目線に気づいて話しかけてくる。


「認識阻害……違う……意識を一点に集中力を上げる身体強化魔導をこの車両にだけ発動したんですね」


 オレの言葉に、淑徳さんは拍手を送った。

 そうか、この五人がいないのにも関わらず後方車両側に人が群がっていたのは、この魔導のおかげということか。


「なんや、魔導つこうてんたんかいな。なら、いらんやんこのマスクにサングラス」


 金城さんがマスクとサングラスを外すと、他のメンバーたちも変装を解いて素顔を見せる。


 ふと、桜花さんを見ると、銀色の長い髪がふわりと現れた。


「ふー暑かった……ってなにジーって見てんの?」


「あ、あぁ、すまない。綺麗な銀髪だと思って」


「そうでしょ~ふぅちゃんのお気に入り~」


 菊里さんが桜花さんの髪に頬ずりをしてうっとりしている。


「風華、いつになったらそれやめてくれるの?」


「飽きるまで~」


「あぅ……貴重なシーンだよ……目に焼き付ける……!」


 そこは動画にして……って勝手にそんなことをしてはいけないから目に焼き付けるのか、律儀だな。


 しかし、桜花さんの髪色を見ていると、何か懐かしい感じがするな。


「それでは本題に戻ろうか、答えを教えてくれないか鈴音?」


「魔導祭の警備生徒でしょ? あんたたち」


 桜花さんの答えに、オレたちは頷いた。


「警備生徒って……?」


「学院都市の警備人数が足りなくて、全国の魔導高校に警備員を補充依頼してたんだよ」


「それで、オレたちは魔総会の警備生徒で学院都市にやってきたんですよ」


 オレに関してはついで、だがな。


「そっか、それはありがとう。学院都市は大なり小なり騒ぎが多いから注意しておいてね」


「だそうだぞ桐生」


「か、帰りたい……地獄に行きたくない……けど推したちのライブ見たい……サボったらダメ?」


「栞さんに同じこと言えたらやればいいんじゃないか?」


「……頑張る……」


 すると、モノレール車内に駅に着くことを告げるアナウンスが流れ始めた。


「楽しいひと時ってなんでこんな早いんやろうな」


「ま、それだけ楽しかったってことで」


「そうだね」


「ふぅちゃんも楽しかった~」


「それじゃ、ここでお別れだね。ライブ、来れたら来てよね。桐生のお姉さん」

  

 全力で頷く桐生。


「それじゃ、お別れの挨拶いくよー!」


『ミラクルマジカルまた今度~! マジカルメイデンでした!』

ミラクルマジカルまた明日~も更新できるように頑張ります(キーボードに手を置いて寝ていました)



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