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魔導高校生の魔王様  作者: 伊吹わなご
第三章:魔導祭編
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⓵あら、皆さん勢揃いですね

「はい、そこまでです」


 チャイムと同時に教員魔導師が終了の言葉を一年B組の教室に響き渡る。


 中部魔導高校は五日間行われた期末試験がここで終了した合図にもなり、険しい表情が続いていた生徒たちは安堵した表情になっていた。


「はへー……疲れたー……」


「だな……」


「忙しい試験とは聞いてたけど……こんなに忙しいとは思わなかったよ……」


 奏、恭介、柴咲が疲労困憊な顔でオレの席に寄ってくる。


「魔導科の期末試験は大変だったな」


 魔導科の期末試験は一般の高校とは違い、筆記試験ばかりではなく実技試験も導入されているため、一日置きに筆記試験、実技試験という過酷な試験となっていた。

 機械科はそんなことはなく、週の前半に実技試験で後半に筆記試験という配慮された日程で奏たちよりは疲労は少なくすんでいる。


「あー……あたしも機械科になろうかなー……」


「いや、奏っちは部活してるから、それでも忙しくなるのは変わらないと思うな」


「あんな事件さえなければ……あたしはちゃんと試験勉強できてたんだ!!」


 あの練習試合の事件で、スカイラクロス部は二週間ほど休部するよう要請されていた。そして、休みが終われば毎日ハードな練習が続いているらしく、試験週間にも拘らず練習の毎日。夏休みに入れば全国大会を目指す試合もあるので、奏曰く手が抜けない状況なのだとか。


「そんな頑張ってる奏に俺たちからプレゼントだ」


 恭介が真白な封筒を奏に差し出した。


「わぁ! 嬉しい! 開けてもいい?」


「どうぞ」


 オレが了承すると、奏は目を光らせながら封筒を開けて中身を出した。


「こ、これは!! 神沢先生のお家のレストランの招待券!!!」


「あぁ、みんなで試験お疲れ様会を開こうと思ってな。俺が神沢先生に頼んだよ」


 恭介の粋な計らいに奏は招待券を両手で持って拝んだ。


「恭介様~ありがてぇだ~」


「な、なに、いいってことよ」


 恭介が珍しく恥ずかしがっている。実にいい平和な光景だ。


「おーっほっほっほー!!」


 その光景はすぐに終わった。


「飛鳥……お願いだから普通に登場してよ……」


「いいじゃありませんの奏さん。試験期間中は零一様断ちをしていたのですよ? あぁ、零一様のいる空気は最高ですわーがぼふぁ!」


「はーい、お口閉じようねー」


 いつの間にか名前で呼び合う仲になった二人を見て、柴咲がオレに視線を移した。


「あ、あのさ。れ、れ、れー」


「何だ柴咲?」


「れい、れい、れー」


「あ、いたいた、やっほーレイレイ!!」


 柴咲の言葉を遮るように、今度は北上先輩がオレたちの教室に入ってきた。


「なんですか北上先輩?」


「神沢先生のレストランって何時に行けば良かったかな?」


 それはメッセージで送ったはずだが……なぜ直接聞きに来たんだ? まぁいいか。


「夜六時ですよ」


「六時だね。ありがとうレイレ――」


「あら、皆さん勢揃いですね」


 次は生徒会長までご登場して一年B組は騒然となる。


「せ、生徒会長はどうしてここに……」


「零一くんに、キッチンカミサワへのお食事に招待されたので、どんな服装がいいか伺いに来たのです」


 ごくごく一般的なレストランだからドレスコードはないんだがな……そんな着飾っていくとおじさんが驚くぞ。


「私服でいいですよ。そんな高級レストランじゃないんで」


「わかりました。私服でいいんですね?」


「はい」


 オレの返答に栞さんはたくらみのある笑顔でお辞儀をして教室から出ていった。


「絶対なにかやるよね……」


「間違いないだろうな……」


「れ、れ、れれれれれー!」


 いつまで『れ』を言ってるんだ柴咲は。

れれれの柴咲さん

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