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魔導高校生の魔王様  作者: 伊吹わなご
第二章:都市伝説編
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㉔あいつが一番うるさいな……

 練習試合の騒動の翌日。

 オレや栞さんたちで魔導大学附属病院にやってきている。

 目的は奏が入院しているのでそのお見舞いだ。


「それにしてもさー。あれ、何だったんだのかな?」


 病院内のエレベーターを待っている柴咲が頭の後ろに手を組みながらオレたちに訊いてくる。


「さぁ? 一体何だったんでしょうね?」


 その問いに答えたのは栞さんだった。

 楯宮を助けた後、〈黒焔滅死鳥(ヘイルへニックス〉のことに関して晴香に念入りに説教をされたので、オレが余計なことを言わないように、栞さんが大体のことを把握しているので答えるということにしている。

 しかも、〈黒焔滅死鳥(ヘイルへニックス〉を出現させてしまったせいで、地球の魔力が通常よりも減ってしまったので、しばらくは〈魔法念話コールディング〉も控えるようにと言われてしまっている。


「なんか気持ちの悪い鳥が飛んでったと思っていたらさ、次はカラスよりもでっかーーーい鳥が飛んでったりさ、色々起きすぎて頭がパニックになっちゃったよ」


「確かにそうですわね。しかもあの黒い鳥は燃えているようにも見えましたしね。黒い炎の鳥なんて不吉の予兆なのでしょうか?」


 〈黒焔滅死鳥(ヘイルへニックス〉はあの見た目はしているが不吉の鳥でなく、勝利を持ってくる悪滅の鳥で人間に崇められていたんだがな。まぁ黒をネガティブに捉えるこの世界ではしょうがないか。


「あーあ、あの鳥たちがなんなのか調べたかったなー!」


「柴咲、静かにしようぜここは病院だぞ」


 恭介が注意すると、柴咲はハッとした表情で口に手を押させてニコニコと笑った。


 そしてエレベーターに乗って奏の入院している階に到着すると、静かな病院内に一際賑やかな声が聞こえる病室があった。


「あいつが一番うるさいな……」


 その賑やかな病室に向かいドアをノックするが、話に夢中で聞こえない様子で返事がなかった。


「……勝手に入ろうぜ零一」


「そうだな……」


 ドアを開けると、なぜかベッドの上に奏が元気に立ち上がって身振り手振りで何かを力説していた。それを同じ病室で入院している楯宮と金桐が食い入るように各自のベッドの上に座って聞いていた。


「それでね! 零一君はこう言ったんだよ! 『オレが必ず無傷で助けてみせよう』って」


「かっこいい……!!」


「やっぱり凄いんですね柊さんって」


 おい、その話は……まさか。


「そうなんだよねー零一君は凄い…………人……なんだよー?」


「奏、お前なー……」


 オレの顔を見た途端、静かに正座をして一言、


「大丈夫だから!」


 大声で宣言をして頭を下げた。


「紅林さんは……それは謝ってますの?」


 雉幡さんがぎこちない笑顔で伺うが、奏は何も言わずに頭を下げたままだった。


「あ、柊さん。おはようございます」


 金桐が元気よく挨拶をしてくるが、楯宮は慌てて顔を背けた。


「体調はどうですか? 金桐さん」


「はい、大丈夫です」


「楯宮も大丈夫か?」


 ヘイルブリアランティスによる傷はオレの魔法で消していたが、〈深層支配メンタルドミナンス〉よる精神的回復までは自分自身で回復させなければ意味はないので入院をしている。

 金桐も同様の理由だ。


「わたしは……平気です……」


 まだそっぽを向いて答える楯宮にオレは言った。


「どうしたんだ? 体調が悪いなら看護師を呼ぶが?」


「……ち、違います! だ、大丈夫なんで呼ばないでください!」


 顔を赤く染めて何をそんなに慌てているのだろうか? オレ以外の全員が微笑ましく楯宮を見ているが……なんだ?

 

「ここは私に任せてください零一くん」


 栞さんが笑顔で楯宮のベッドまで近づいた。


「ねぇ楯宮さん」


「は、はい!」


「……零一くんのどこを好きなったの……?」


 栞さんは楯宮の耳元まで顔を持っていき、ボソボソと何かを言う。

 

「そ、そそそそそそそんなことないですーーーーー!!!!」


 何を言えばあんな慌て方をするのかわからないが、楯宮は勢いよく布団に潜ってしまったのを栞さんがニコニコと見ている。


「生徒会長って本当に容赦ないよね……ボクもされたからわかるけど直球すぎるんだよ……」


「ああいう時だけSだよな生徒会長って……」


「何の話なんだ?」


 オレは恭介と柴咲に訊くが答えもらえず、戌井さんたちを見るが苦笑いを返されただけだった。


「?」


 まぁいいか。


「それより奏、ケーキ買ってきたぞ。食べるか?」


「食べる!!」


 今までずっと頭を下げていた奏がすぐさま頭を振り上げて答えた。

 オレが奏ケーキを渡していると、オレの携帯端末が小刻みに震え始めたので、ポケットから取り出して画面を見る。

 

『病院の屋上にいるから来て』


 という内容で、北上先輩の名の方でメッセージが届いた。


「悪い、少し席を外すぞ」


「いっふぇらっふぁーい! うーん! ケーキ美味しい!!」


そろそろこの章も終わりでーーございます。

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