表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導高校生の魔王様  作者: 伊吹わなご
第二章:都市伝説編
37/75

⑮これって……冗談だよね?

 昼休みに告げた通りに放課後の屋上で待っていると、ギリザイエではなく北上先輩の姿で現れた。

 

「話って何かな? レイレイくん……」


 不安げな瞳をオレに向けて訊いてくる。


「見てもらいたいものがあってな」


「……なに?」


 オレは携帯端末を取り出して画面を北上先輩に見せる。

 画面に表示されているのは都市伝説サイトで、これ一つで貴方も最強の魔導師、シュネルステッパーの掲示板のページを開いている。


「投稿されている大半が虚偽の内容ばかりだが、この投稿だけ長いやり取りがされていた」


 シュネルステッパーについて質問。という投稿欄をタップしてページを移動させると、北上先輩は内容に目を通していく。

 そして、読み進めていく北上先輩の顔は徐々に険しい表情となり、怒りが込み上げてしまったあまりに歯ぎしりまでしてしまう。


 その歯ぎしりしてしまう程のやり取りというのが、


『シュネルステッパーさえあれば何十人もの人を身体強化魔導で強くできるのか?』


 という投稿者の疑問に、


『可能です。私は数人でしたが、身体強化魔導で強くすることができました。もしよろしければお譲りいたしましょうか?』


『いいんですか!? ぜひ譲っていただきたいです!』


 始めは何を本気になっているんだと思ってしまうが、受け渡す場所と日時を指定し始めたのを皮切りに、


『今日は一人に使って成功しました』


『素晴らしいですね。頑張ってください』


『KYO日はSAN人に挑戦しましTA。二RI成功しまSHIたが、HI人は失PAIしてSHIにしました』


『順調ですね。教えた通りに出力を少しづつ上げながら使っていきましょう』


 経過報告をするようになり、最後には、


『二じゅゆyん人全員を身体hyk化することが可kjへらいおgl能にな。ghfd様だgふぁえgwsのおかげえわっがえhです¥これsuかiらkuroすおhyrsぎlfで私たふぁwfちは最kyOUで¥l、;あ。誰にjfkぁgjもあmが86お;jhん』


 意味がわからない文章が投稿されて終わっていた。

 

「………………これって……冗談だよね?」


「そう思いたいがな。だが最後の投稿は今日の朝になっている」


「……ということは……」


「近々大規模な事件が起こるかもしれんな」


 オレの言葉に悔しさを滲みだしながら北上先輩は言った。


「見つける……絶対に見つけてやるんだから……!! こんなイタズラに魔力を分け与えて何がしたいのよ……」


 問題はそこだな。魔力を分け与えることで得られることか……何があっただろうか。


「それで……さ、レイレイくん?」


「なんだ?」


「アタシがギリザイエだってことはどうでもいいの?」


「どうでもいいな」


 平然と言い放つと、北上先輩は大きく口を開けて固まった。


「何か気づいたら連絡してほしいと言ったのはお前だ。だからこうして教えているだけだが……なんだ? 深く知っておいた方がいいのか?」


「あ、いや、普通ならさ……どうやってアタシとギリザイエの姿を入れ替えてるの? とか、どうして日本の事件にイギリス魔導管理局が捜査してるんだー? とか気にならないの?」


「誰にでも秘密しておきたいことはあるだろ」


 オレも『魂は魔王なんだ』と言えばおあいこなのだろうが、契約のせいで簡単には言えないからな。その代わりに秘密を守るぐらい容易いことだ。

 

「やっぱりレイレイくんって凄いね」


「そうか?」


「皆といる時と、こうやって話してる時の印象が違い過ぎるんだもん」


「それはお互い様じゃないか?」


 北上先輩は「それもそっか」と笑って言うと、目つきを鋭くした。


「情報ありがとうレイレイくん。今から調査しに行くから、少しだけ後ろ向いててくれないかな?」


 オレは何も言わずに踵を返すと、柔らかい感触が背中に伝わった。


「とても素敵な人なんだねレイレイは、フェリスちゃんちょっと惚れちゃったぞ☆」


 ギリザイエの姿となって抱きついてきた北上先輩が小声で言うと、オレの頬に軽くキスをして飛行魔導で飛んでいった。


「結構大胆なるんだなギリザイエの姿だと」

これは、フラグ回収というやつに入りますか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ