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秘密の月の箱 〜secret moon box〜  作者: 与知田 菜々香
8/12

つながる、一月 美月 春馬 宙希 そして、ウォル


 第8章


   土曜日、春月大和との出会い


 電車の中、出入り口の脇に立って窓の外を見ている2人

でした。美月の右手は手摺り棒、左手は宙希の右手と手を

繋いで向かい合わせ 宙希の左手は美月の右手の上で同じ

手摺り棒を握っています。

「今日どこ行く?」と宙希は 

美月の額辺りを見て言います。

「どこがいいかな!」と美月は 

窓の外を見て答えます。

宙希の顔を見て 

「水族館はこないだ行ったから!」と言い

宙希は、美月と目を合わせた後 窓の外を眺めながら

「動物園は?」と 言いました。

「プラネタリウムは?静かなところがいいな!」と、

繋いだ左手を恋人繋ぎに繋ぎ直しながら美月は言いました。

宙希は、ニコリとして

「今日は 動物園とプラネタリウムに行こう!」と

頷きながら言いました。

「両方 行くの?」と美月は

頭をかしげなかまら言いました。

「うん!僕もプラネタリウムに行きたいから!」と宙希は 

張り切った口調で言いました。

そんな宙希の表情が 嬉しく美月もニコリとして

「いいょ!ショッピング付き合ってくれる?」と 

おねだりしてみました。

「OK!」と宙希

優しい宙希でした。


 百貨店8階、ファミレスでお茶休憩することにした2人。

エスカレーターを下り並んで歩き キョロキョロと見渡し

ファミレスを探していました。宙希の目には ファミレス

美月は期間限定で行われている『占いの広場』を見つけま

した。

「あっ!」と美月は

声を出し『占いの広場』エリアに近づいて行きました。

宙希は 繋がれていた手が離れたことに振り向き美月の方

を見て

「ぅ~ん!」と言いなから

美月のあとをつけ歩いて行きました。

美月は ある部屋の前に立ち止まり言いました。

「ここ、月をイメージした占いのお部屋だって!」と

「美月 占い好きじゃないでしょ!」と宙希は

美月の後ろ姿を見ながら言いました。

「好きじゃない でも興味がある!ここ」と美月は

振り返り宙希が来るのを待ちながら言いました。

「何を 占ってもらうの!」と 少し不安そうに宙希は

美月に訪ねました。

「宙希との相性かな」と美月は ためらうことなく答え

ました。

「それだけ!」と宙希

「それだけ!」と美月

「俺!結果が怖いからいいよ!」と

宙希は 美月の右手を取りファミレスの方に行こうとし

ました。

「そうだね!」と 美月は言い

ファミレスへ向かおうと歩き始めたその時

「あ〜ら!お二人さん これからどこへ行くの?」と

どこからともなく2人の前に現れた春月大和先生でした。

「プラネタリウム!」と宙希は

小さな声で言いました。

「そ〜ぉ!」と春月大和先生は

2人の姿を興味深く見ながら言いました。そして、

「でも30分だけ私と お話しして行かない!」と大和は

『逃がさないわよ』っていう気持ちを込めて言いました。

「えっ!」と言い

宙希は美月の右手を握り返しさりげなく『行こう』と合図

をしました。

大和も『この2人を逃してはいけない』と必死に声をかけ

ました。

「あぁ〜いや 少しお伝えしたいことがあって!私は春月

 大和って言います!」と大和は 

いつもの優しい口調で話し続けます。

「この彼女とっても月のスピリアルを感じるわ!」と 

大和は 美月の顔を見て語りかけます。

「彼ねぇ それを包み込む大きな大きな宇宙を感じるわ

 どう興味ない?!」と

巧みな話術で美月と宙希をその気にさせました。最後に

「サービスします!」と 思い切って大和は言います。

しきりに話をする大和でした。

「お二人さんから感じるものが あまりにも興味があり

 どうしても話がしたいのね お願い!」と大和は

美月と宙希から出る 今までにないスピリアルを感じ

ちょっと興奮していました。

「宙希!どうする?」と美月は

不安そうな表情をしている宙希の顔を見て尋ねました。

「占い しなければ!」と 

覚悟を決めたのか ちょっと怒り口調で宙希は言いま

した。

「約束するわぁ 占いはしない!」と大和は言い

感情を隠すことができなく表に出てしまい『よかった』

と心の中でつぶやきました。

「少しだけ!」と美月は

少し嬉しそうに言いました。

「あーよかった!今日は いい日になりそうね!」と

大和は『春月大和 占いのお部屋』に2人を案内しま

した。



   ようこそ春月大和の部屋へ


「さぁ〜 お二人さんここへ並んで座って」と言って

大和は 椅子を並べそこに2人を案内しました。

ドアの向こうに行き、カーテン越しに座る大和

「今日は このカーテンはいらないわね」と言い 

カーテンを開け2人が見えるようにし 話し始めます。

美月と宙希は椅子に座り 大和に見えないように手は恋人

繋ぎをしていました。

「ところで お二人さんはどこで知り合ったの」と

大和は 嬉しそうに聞きました。

「大学の講堂で」と宙希が 答えました。

「声をかけたのは 彼氏さんからかしら」と 

大和は 半月状の形をしたテーブルの上に肘をつき両手を

恋人繋ぎして その上に顎を乗せて聞きました。

「はい 僕からです」と宙希は 

少し唇を尖らせて 答えました。

「もしかして 同じ星座だったりして」と大和は 言い

宙希の表情を見た後 美月の顔を見て

「何座かしら?」と 丸い形をした紙と鉛筆を出して

「お二人の共通は 宇宙ね」と大和

「どうして わかるんですか」と美月

驚きながら 宙希の顔をちらりと見て言いました。

「彼女さんからスピリチュアルな波動を感じるわ」と

大和は 丸い形をした紙の真ん中に『宇宙』と書いて

「お月様からの波動ね」と

「何が 見えますか?」と美月は

興味深く 大和に聞きました。

「お月様に 誰かいる?」と大和は

上手にさるげなく 聞き

「はい お父さんとお母さんがいます」と 美月は宙希

と恋人繋ぎしていた手を離そうとしました。

宙希は そんな美月の手を握り返しました。

「そうなのね」と

大和は 宙希の方に時々視線を向け 宙希の表情を確認

しながら美月と話しをしていました。

宙希は 大和の視線を感じながらも一言も話しをせず

大和の後ろの方にある棚を見つめていました。

棚に置いてある 見たことのある『箱』を見つめていま

した。

「宙希 何見ているの」と

美月が宙希の顔を見て尋ねました。

「あの箱 どこかで見たことあるなぁと思って」と

宙希は右手で箱の方を指差し 美月の顔を見ました。

大和は 振り向いて

「あーこれ」と 言いながら立ち上がりました。

「これ 本物じゃないけど」と 言いながら2人の前に

持ってきました。美月は その箱を見つめ最近使って

ない『秘密の月の箱』を思い出し

「月の箱」と つぶやきました。

「そう よく知ってるわね やっぱり 月に関係ある

 人なのね」と大和は そう言ってニコリとしました。

「これは!」と大和が 説明しようとした時宙希が

「秘密の月の箱」と つぶやきました。

「彼氏さんの方が 知っているの?」と大和は 

宙希の方を見て言いました。

宙希は 不安な気持ちがいっぱいになり 下を向いて

今にも泣きそうな表情で

「帰ろう美月」と言いました。

そんな宙希の様子を見て美月は

「うん」と うなずきました。

大和は 見えてました。

この2人の未来には『別れが待っている』って でも

『ハッピーな 幸せそうな 幸な表情をしている二人

 うぅ〜ん?でも、、、この二人?』って見えました。

『もう行こう』って思いながらも 椅子に座ったまま

下を向いている2人でした。

そんな 今にも引き裂かれそうな雰囲気の美月と宙希

を見て大和先生は

「相性がぴったり だから心配なのよね」と

声をかけました。『未来は ハッピーエンドよ』と

大和は 自信を持って声をかけました。

美月と宙希は 静かに立ち上がり

「ありがとうございました」と宙希は 

一礼をしその後 美月も一礼しました。

ファミレスでお茶 そんな気分になれない美月と宙希

はプラネタリウムに行きました。

プラネタリウムの椅子に座り2人は 星空を見ながら

「お腹 空いたなぁ」と宙希

「うん 喉も 渇いたね」と美月

ため息をつき『ほっとした』気分の2人でした。



   



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