変わらない一月と春馬の関係 そしてウォル!思い出してジェウォンの事
第6章 ホスト雨宮春馬!占い師大和!
塾講師松江一月!との再会
クラブのホスト雨宮春馬
あれから6年経ちました。
春馬は、ホストクラブの人気ホストとして働いていました。
イケメンで背が高くスタイルも抜群 女性の気持ちが良く
わかる春馬は、ホスト仕事の時は、男性になります。
自宅に帰えると まだ一月に恋心がある女性になります。
だからこそ女心が分かり 恋の相談も春馬の得意分野です。
二つの顔を持つ春馬は、プライベートについて決して誰にも
知られないように気を付けています。
高層ビルの20階 1人暮らしをしている春馬のマンション。
キッチンにリビング 3畳ほどの広さのおしゃれルームに
6畳の書斎と16畳の寝室 月と星空と夜景が見える大きな
ベランダ 月の動きがよくわかる方向に窓があります。
ちょっとお高めなお部屋でした。
両親にお金を借りて買いました。
1年前に帰国して このマンションに住みはじめました。
大学卒業後、海外で生活をしていました。
昼も夜も働いて両親にお金を返す予定です。
ちなみに!ホストクラブでの仕事は副業です。
speedia rhythmを感じる力(能力)が春馬は、世界を旅し
ながら占いの道を極めたのです。
speedia rhythmを感じる力で クラブに来るお客さんを
占いの力で引き付けます。
「あなたが幸せな時は相手も幸せ!
あなたが悲しい時は相手も悲しい!
『 愛情 』(あいじょう)
『 信頼 』(しんらい)
『 絆 』(きずな)
『 糸 』(いと)運命の彼の心を知るには、
この4つの中のどれで占う?」と、
グラスにウイスキーを注ぎながら ホスト姿の春馬。
「うぅ〜ん!誰もが恋に落ちると些細な出来事にも過敏に
なりがちだから。君のお相手の方は今!正に‥その状態に
ありそうだね 相手から感じられる不安な要素として君に
受け入れてもらえないのではないか‥とか嫌われてしまう
のではないか‥とか悩んでいるみたいょ! はい!」と
作った水割りをコースターの上に置いて
「運命のお相手の方とはもう出逢っている? まだなら
相手の方は君を見ているょ!」囁くように易しい言葉で
占いのサービスをしている春馬。嬉しい言葉!や今女性は
何を求めているか 情報収集していました。
本業の占い師の仕事ために。
プライベートの春馬は、月を眺めながら
「一月!元気かな?私は日本に帰ってきたょ」と
思いブランデーを片手に ほろ酔い独り言を言っています。
そんな春馬の日常の様子をウォルが時々見に来ていました。
ベランダの手すりに座り 春馬に見つからないように。
春馬は、ウォルの存在を信じています。
今では、一月の方がウォルの姿や顔を見ることができます。
存在感もはっきりと感じることができます。
あれから6年後の松江一月
一月は、大学を無事に卒業しました。実家には帰らず星
と月と宇宙の研究をするため大学院に進みました。
親のすねをかじることは卒業し!塾の講師のアルバイトと
大学で臨時教員をしながら学費と生活費をまかない自立し
生活していました。
六畳一間の安いアパートに一人暮らしています。
秘密の月の箱は、アパートの窓際に置いてあります。
最近は手紙を書くこともなく 部屋に置いたままです。
大学院では 助教授のお部屋で月を見ながら泊まることも
度々ありました。
縦に長い大きな窓があり 窓際には大きな長椅子が置いて
あり そこに座り星空を、宇宙を観察することができます。
新月の夜から半月の夜まではアパートで過ごし、半月の夜
から満月の夜までは 大学院で月を眺め考え事をします。
もちろん、ウォルと一緒に過ごします。だから、手紙より
直接ウォルに聞きます。
この頃、ウォルから一月宛に手紙が入っています。
「一月 思い出した?」と 頭をかしげ一月の顔を見て
ウォルは聞きます。月を見て 一月ウォルに聞きます。
「僕は どれくらい前に生きていたんだ前世は?」と
「300年かな350年かな400年じゃなかったよ!」と
ウォルも 月を見て答えます。
「日本人だった?」と ウォルの方を見て問いかけます。
「違う?」と ウォルは一言 言う。
ウォルの存在を確認しながら
「でも〜 前にもこうやって月を眺めていた気がする」
一月は 穏やか表情で話し
「じいちゃんと眺めている時も!懐かしくかんじた!」
「一月のおじいちゃんも月! 眺めてた!」とウォル
「うん! そうだったなぁ!」と
「話しかけてもくれたょ いつも私に!」と ウォルは、
一月の右肩に頭をのせて、
「でも好きな人は 私じゃなかった!」と言う。
右肩に少し何かを感じながらウォルにたずねる。
「ウォルは 僕のこと いつから知っている?」と
小さな声でウォルは 答えます。
「月に 話しかけてくれた時 懐かしく 彼を感じた!」
一月は、まだ聞きたいことがあるのになぁと思いながら
右肩に頭をのせたウォルの顔をのぞいて言います。
「でも 生まれ変わりだなんて 不思議な気分だなぁ!」
「私の事 前世の事 新しく思い出した事ある?!」
早く思い出してという気持ちを込めて 一月に聞きます。
「『ウォル』と名前をつけたのは前世の僕!か?」と
また 月を見て一月は 思い考えました。
「そう!」と ウォルは傾けた頭の位置を変え言います。
眠そうなウォルに 最後の質問をしました。
「僕の前世は 韓国の人か!?」と
「韓国で『月』のことを『ウォル』って言うの! そう
彼が教えてくれた!一月!うぁ〜ん眠い!」と 大きな
あくびをして一月の隣でリズム座りをしているウォル。
一月に寄りかかり眠りました。
一月も静かに目を閉じました。
風が流れ雲に隠れていた月が そんな二人を月が明るく
照らし見守っています。
一月先生!占いすき?
土曜日の午後、中学生の定期テスト対策で塾の講師の
アルバイトをしている一月。
「一月先生 お願いがあるの!」と、中学2年女子生徒
「何?」
「春月大和 知ってる?」
鉛筆を利き手と反対の手に持ち替えて
「知らない!」と、窓の外を見ながら答える一月
「今 有名な占いの先生ょ?」と 次の問題に取り組み
「占い!あぁ!」と、背伸びしながら深呼吸する一月
「好きな人がいるの!占ってほしいの!」
「数学のこの問題 解いてから!」と、あっさりと言う
「はい 3問解いた 先生!」と、一月の顔を見て言う
「次の問題はこれ!」と、苦笑いしながら話をそらす
「一月先生!付き添いして くれない?!」
「僕が 相談に乗ってあげるよ!」さりげなく断るが
「先生!占いできるの?」と、鉛筆を置いて一月の顔を
見て ぶりっ子顔でおねだりしている中2の女の子。
「できない!」困った顔をする一月に
「保護者 同伴なんだって!」
「なんで 僕なの!」と、ぶりっ子顔の彼女の顔を見て
「お母さんに話したら 駄目って言われそうだから」
「お母さんがダメなら 僕もダメでしょ!」
「先生!次の定期テストで数学90点取ったら!?」
自信ありそうな表情をして言う 恋する少女。
「90点取ったら〜!」と、断る理由を探しながら答える
「一緒に行って!」と、両手を組んで一月の前で祈る
「それじゃあ 95点ね!」思わず言ってしまう。
「本当!本当!わたし がんばる95点ね!先生」
中学生のパワーに負けるか一月でした。
中学2年生、塾の教え子!見事に96点とりました。
「お母さん 許してくれるんじゃないの?!僕が行かなく
ても」と、一月はつぶやきました。
というわけで、今日は 教え子との約束を果たす日です。
『fortune teller春月大和』へ 行く日です。
待ち合わせ場所に10分ほど遅れて一月は 着きました。
なんと中学生の女の子 3人いました。
本当は 10分前行動をしていたのですが…
帰ろうか悩んでいるうちに時間が過ぎました。
遅れたら諦めて帰るかな?と思ったのですが。
ドタキャンした理由を考えるのが 面倒になり覚悟を決め
行くことにしました。
「先生ありがとう!」
「道 間違えて 遅くなった!」と、苦笑いしながら
一月の言い訳の言葉など気にしない彼女たち
「一月先生のこと話したら 友達も一緒にって!」
「時間がないから行こう!」と、1分でも早く帰りたいと
思う一月でした。
デパートの5階の占いの部屋というエリアに
目的地の『fortune teller春月大和』がありました。
もしかして一月!
大きな扉に 下弦の月と上弦の月が描かれてあり その
真ん中に春月大和と名前がありました。恐る恐る中に入る
と懐かしさを感じる空間の中に 長椅子がありました。
「あぁ!ここで待っているから 行っておいで!」
長椅子に座り手を振る一月。
「30分位 かかるょ!先生!」と、嬉しそうに言いながら
奥の占いの部屋の扉を開け3人の中学生は中に入りドアが
静かに閉まりました。
扉の向こうでは 丸い大きなテーブルにニ人掛けの椅子が
あり fortune teller春月大和 彼の顔が見えない様に
長いカーテンが掛けられてありました。
テーブルから10㎝位上まであるカーテン、その隙間から
彼の手とタロットカードが見えています。
「さあそこに座って!今日は 何を占いますか?」
かすかに 春月大和の声が聞こえます。
「あら3人様ね!そこの壁にある椅子を使って!」
懐かしい 聞き慣れた声がしました。
一月は、春馬のことを考えれながら眠ってしまいました。
40分から45分ぐらい経ちました。
「先生!ありがとう!」
占いが終わり ウトウトしていた一月の肩を軽くポンポン
と叩く彼女達。
「先生も 何か!占ってもらえば!」一月に声をかける
「いいょ!終わったんだったらかえろう!」と、寝ぼけて
目をこすりあくびをして一月は 言いました。
「大和先生が サービスで占ってくれるって!」
「えぇ! いいょ!」と、現実に戻った一月。
「一月先生のこと話したら会いたいって!」
「いいょ!」て、3回も断っている一月を立たせ 1人が
ドアを開け 2人が一月の背中を押して二人掛けの椅子に
座らせられました。
「外で 待っているね!先生!」
彼女達は嬉しそうに手を振りました。
「あら!塾の先生!懐かしさ香りがするわ!」と、大和
「あらら!」一月は どこかで聞いた 聞き慣れた声に
懐かしさを感じました。
「付き添い ありがとうございます!」と言い、大和は
カーテンの向こうでおじぎをしました。
「あっ! 約束たから!」
一月はカーテンぎりぎりまで近づき、カーテン向こうの
春月大和の顔を見つめました。
「16歳未満は どうしても必要なの!」大和が言うと
「その 喋り方?」と一月がつぶやく 突然!
「間違っていたら ごめんなさい!」
大和は、ごっくんと唾を飲み込み
「もしかして 松江一月さん!」大和の言葉に
まだ何も話してないょ!でも当たっている! 一月は思う
「どこかで会ったことありますか?」
不思議なカーテンで お客様の方からは顔が見えづらく
春月大和からは顔が見える様に作られたカーテンでした。
カーテンをまくり上げ にこりと笑う春馬でした。
「私ょ! 雨宮春馬! 忘れちゃたの?」
「春馬! あの雨宮春馬!」 少し興奮し 立ち上がり
春馬の顔を見る一月でした。
「そう! 春馬ょ! 会いたかっの!」と春馬は、
一月の顔を見て
「ねえ! 一月! 今どこに住んでいるの?」
「あぁ!六畳一間のアパート!」
「ふぅ〜う! もちろん一人りよね?」
「うん!一人だよ!」
「今度!私 手料理作るから遊びに来ない!」
「春馬の実家に!」
「うぅ〜ん!私の住んでるマンション!」
一月は 相変わらずすごいなぁ〜!と思いながら
「いいよぉ!行く!」
「嬉しい ここに 連絡して!」と春馬は
『春月大和』と書いてある名刺を一月に 渡しました。
「あっ!ちょっと待って!」
『春月大和』の名前を消して 雨宮春馬と書き直し
プライベートの電話番号まで書いて一月に渡しました。
「必ず電話してね!約束よ!ここじゃあ いろんな話
聞きたいけど 聞けないからさ!」と春馬、
相変わらずの話し方 本当に懐かしく久しぶりに嬉しく
気分のいい1日になった一月でした。
20階のマンションに同居する
「ここ 景色がいいでしょう!」
カウンターの向こうで春馬が嬉しそうに言う
「春馬の実家の部屋みたいだね!」
カウンターの椅子に座り 一月が春馬を見て言う
「そう!夜になると月も星空もよく見える!」
ホストクラブで出している様な フルーツの盛り合せを
手にもって リビングのテーブルに
「そっかー!いいなあー!春馬は!」と
さりげなくリビングのソファーへ
「一月 今何してるの?学校の先生?」
「塾の講師のアルバイトをしている!」
「あそっか あの女の子達 教え子だったもんね!」と
春馬は ちらし寿司を一月に渡し 少し不機嫌な表情を
しながら、
「相変わらず女の子にモテるのね!」
「俺そんなにモテないょ!」と
ちらし寿司をリビングのテーブルに運び
「よかった あの頃の一月のままで!」
「このちらし寿司!春馬が作ったの?」と
にこりと笑顔になりました。
「そう 私も一人暮らしが長いから!」
「占いの仕事って こんないいマンションに住めるんだ」
「私!二つの顔 持ってるの!一月も知ってるでしょ!」
春馬は 次第に女性になっていきました。
「まぁね! 春月大和と!」
「雨宮春馬ょ! 夜はホストクラブでホストしてるわ!」
「ホスト?! あの女性相手の?」と一月は
少し考えた表情をして春馬の顔をみました。
「意外と 人気者なのよ! 私!」
「へぇー!」と たくましくなった春馬を感じました。
「一月! 嫌じゃなかったらここで一緒にすまない?」と
春馬は 思い切って一月に話しました。
「この部屋に帰ってくるだけの部屋だから!」と春馬
「今 流行りのシェアハウス!?」と一月
「うぅーん!」と 自信なさげに言う春馬
「一月! 家賃はいらない!光熱費だけで大丈夫だから」
そんな春馬の様子を見て
「アパートは 寝るだけに帰る家だしな!俺も」と一月
一月の返事が怖くて
「そうだ!ウォルは 元気にしてる!」と春馬は
ウォルの話しを始めました。一月も ウォルの事を
「最近 顔の輪郭が分かるようになってきたなぁ!」と
「そっか!時々私の様子も見に来てるみたいよ!前ほど
はっきりは見えないけどね!」と春馬は、
手早く水割りを作り 一月の前にコースターとグラスを
置きました。
「再会に 乾杯ね!」と春馬 二人はグラスを持って。
「一月!」
「うん!」と一月は あまり飲んだことのない水割りを
ひと口のみました。
「ここ!月もよく見える 星もね!」と一月の顔を見て
春馬は心の中で『一月さんお願い うん!いいよ』って
言ってと、思っていました。
「夜は私 いないほうが多いしさ!ウォルもこの部屋!
気にいると思う!自由に使って大丈夫だから!ねぇ!」
一月は 穏やかな表情でにこりと微笑み
「うん わかった!ここに引っ越してくる!」と
春馬の顔を見て言う そして、
「でも 約束が一個ある!」
「何?」と春馬は、また不安そうに言う
「ちゃんと!光熱費 請求してくれよなぁ!」と
春馬は うなずき
「よかった! また一月と 一緒に過ごすことができる
のね!」と言うと 水割りをごくごくと飲んで
ふーっと 息をはいてから
「美味しい」と つぶやきました。
「うん、俺も楽しみ!」と言うと 一月も水割りを飲み
ほしました。
「本当! あぁー! 楽しみ!」と 春馬は一月の背中
の方に行き 後ろから一月を抱きしめました。
二人は 星空と上弦の月を眺め ほろ酔いで高校時代の
懐かしい思い出に浸りながら夜は更けていきました。
一月の前では、女性ホルモンが春馬を刺激し だんだん
女性になるあの日々を。
一月の身の回りの事を、おまま事みたいに家事をする
春馬。一月に甘えたり抱きしめてもらったり 添い寝を
したりして 一緒に暮らせる事をいつも夢見ていた春馬
でした。