アリの次はキリギリス
ドラグナーをそのまま携えジャングルを進んで行く。
「ご主人様、来ます」
「わかった、3人とも離れてくれるか?」
シルが敵の訪れを告げたくせに、全く離してくれる様子はない。
むしろしがみつくその力が増している。
シルだけではない、ルシェとティターニアもがっちりホールドしてくる。
「マイロード来ます」
「わかってるって」
そんな事はわかってる。
わかってるし、別に遊んでいるわけじゃない。
ただ、シルとルシェのBPは俺を遥かに凌ぎティターニアも俺と遜色ない。
そんな3人にがっちりホールドされたら俺の力で抜け出すことはほぼ不可能だ。
「でかっ」
「ひいいっ、キモッ、海斗! 海斗!」
現れたのは巨大なバッタ? いやキリギリスっぽいか?
見た目は昆虫だが、外皮は爬虫類っぽくもある。
恐竜と虫を合わせたような異様。
大きさは5メートル以上はありそうだ。
見ようによっては、新種の恐竜のように見えなくもないが、ルシェたちはダメらしい。
「私におまかせください」
ベルリアが一人でキリギリスへと駆ける。
「気をつけろ!」
「無論です。抜かりはありません」
「あいりさん、ベルリアのサポートを!」
ベルリアとキリギリスの距離が詰まる。
キリギリスがその脚を動かし上空へと跳ねる。
その脚は見た目通りの力を発揮し、はるか上空へと舞い上がり、羽根を開いた。
「ベルリア!」
上空を滑空しながら、キリギリスが口からなにかを落としてくる。
それは液体のようで、ベルリアを中心に広がるように降ってきた。
「ぐうううっ」
まずい。
溶解液か。
『アイアンボール』
あいりさんが鉄球を放つが距離があり過ぎて避けられてしまう。
「シル、頼む!」
「わかりました。『鉄壁の乙女』」
あ……。
指示が甘かった。
本当は『鉄壁の乙女』じゃなくて『神の雷撃』を頼みたかったんだけど。
「私がやるわ。『ライトニングスピア』」
ミクが雷の槍を放つ。
「当たった!」
雷の槍が、片羽根を捉えると、キリギリスがその高度を下げる。
徐々に下がってはきているが、まだかなり距離はある。
「ベルリア! あいりさん!」
ダメージを受けた影響かキリギリスが口から溶解液を連続で落としてくる。
上空からシャワーのように広範囲に降ってくるので、完全には避け辛く、初撃でダメージを負ってしまったベルリアの動きが鈍い。
「ルシェ、離してくれ」
「逃げる気か?」
「そんなわけないだろ。ベルリアがヤバいんだって」
「あいつは大丈夫だ。自分で治せるだろ」
「いや、そういう問題じゃないから」
「じゃあ、どういう問題なんだ!」
ダメだ。ルシェが使い物にならない。
「海斗さん私に任せてください。『ライトニングボルト』」
俺がまごついている間にヒカリンが炎雷を放った。






