それでも俺達は進む
年内締め切りの作業があり、更新が遅れがちになっていますが、まだしばらくこの状況が続くかもしれません。
お仕事には感謝しかない。
ひとつ終わっても、追加が来て終わらない……。
ダンジョンは命の危険もある場所だ。
ここは20階層。
危険度は高い。もちろん時にはそういう事もあるのは理解できる。
ただ、20階層に至ったパーティ同士、普通に誘って断られるとは思わなかった。
「海斗さん、気にしたら負けなのです」
「そうだぞ、海斗。この尊さを理解できない者たちと組む必要などないぞ」
「私たちがいいんだからいいのよ」
3人のフォローがフォローになっていない。
20階層の探索中に俺の状況が普通ではないことは自分が一番よくわかってる。
これを普通だと思ってしまったら俺は大事なものを失ってしまう気がする。
気を取り直し意図的に、あのパーティとは違う方向へと進むことにする。
俺にはこんな事で落ち込んでいる余裕はない。
20階層の壁と言われるだけあってこの階層はかなり厄介だ。
出来る事なら、早めに攻略して次の階層へと至りたいところだ。
「ご主人様……来ます」
シルが短く敵の襲来を知らせるが、俺の腕をつかむ力がぎゅっと強まる。
この様子また虫なのか。
「海斗、しっかりやれよ! 死んでもわたしの事は護るんだぞ」
ルシェ、何度も言うが死んだら護るのは無理だからな。
どこだ?
俺にはモンスターの居場所が特定できない。
「ベルリア、どこだ?」
「マイロード、上です」
「上?」
視線を前方から上方へと移動させると、それを確認することが出来た。
メタリックに鮮やかなブルーの羽根がはっきりと確認できる。
モンスターは鮮やかな羽をもつ巨大な蝶だ。
「シル、あれは大丈夫じゃないか?」
「大丈夫ではありません。あの頭にお腹の感じ、無理です」
蝶もダメなのか。
敵モンスターでなければ普通にきれいな蝶だけど無理か。
ルシェとティターニアも同様のようだ。
ひらひらと飛びながら俺たちの頭上まで来て旋回を始める。
上空をなにかがキラキラと輝いており、それが徐々に高度を下げているのが目に入る。
「ベルリア! 吸うな、お前はダメだ!」
「おまかせください。そう何度も同じことを繰り返す私ではありません」
おそらくあれは鱗粉。
どのような効果があるかは不明だが、どう考えてもベルリアに覿面の効果を発揮しそうではあるので、注意を飛ばす。
俺自身も吸い込まないよう注意を払う。
『ヘルブレイド』
ベルリアが上空へと刃を飛ばすが、ひらっと躱されてしまう。
距離があるせいで到達する前に見切られる。
「私の斬撃を躱すとは、なかなかやりますね」
俺の斬撃も同様に躱されてしまう可能性が高い。
「シル、雷撃を」
「ご主人様、あのお腹と脚が無理です。無理なんです」
おそらく、あのモンスターとシルの雷撃の相性はいい。
一撃で倒せてしまう可能性も高いが、この様子では全く期待できない。
「ティターニア『ドラグナー』をこっちに」
「はい」
バルザードに持ち替え狙いを定めてトリガーを引く。
蒼い弾丸が光の糸を引き正確にモンスターの頭部を撃ち抜く。
当たった。
後2匹。
続けざまに2発を放ちしとめることに成功した。
ステータスが上がっているせいか命中精度も以前より上がっている気がする
久しぶりの『ドラグナー』だけど、ティターニアもこんな感じだしこの階層では俺が使った方がいいかな。






