モンスターミート?
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ビッグサマーの到来を予感して気分良く放課後を迎えた俺を訪ねてきた人がいた。
「海斗先輩〜」
「ああ、野村さんか」
「ああ、はないと思いますけど」
「そういうつもりじゃないんだけど」
「まあいいです。それより聞いてください!」
「どうかした?」
「私やりましたよ!」
「なにを? ランクが上がった?」
「それじゃないです。4階層で手にいれちゃいました」
「なにを?」
「なにをって決まってるじゃないですか。ミートです。モンスターミート! やっちゃいましたよ」
ああ、モンスターミートか。
あれは冗談抜きで貴重だからな〜。
俺も数えるくらいしか手にした事はないし、低層回の野村さんが手に入れる事ができる可能性はかなり低い。
それを考えると言葉通りやっちゃった感じだろう。
ん?
ちょっと待てよ。
野村さん4階層って言ったよな。
4階層ってまさか……。
「の、野村さんもう食べたのか?」
「はい! うちの家庭の事も知ってくれてるんで私だけ多めにもらって家族で食べましたよ。もう弟とか号泣でした。こんなに美味いもの食べた事ないって。本当に最高でした」
「そ、そうか。それはよかった」
食べたのか。
食べたならアレのではなかったんだよな。
「野村さん、ちなみに何のモンスターのだったんだ?」
「セミです。飛んでるのを私がしとめたんです。やっぱり自分でしとめたのは格別ですよね」
違った。アレじゃなかった。
アレのモンスターミートって存在しているんだろうか?
だめだ、考えただけで胸焼けがしてきた。
セミか。
セミって肉あるのか?
そもそも、セミって食べていいのか?
「野村さん、セミって食べた事ないんだけどおいしかったんだよな」
「当たり前じゃないですか〜。歯応えといいうまみといい牛肉でも敵わないですよ。それに最近よく聞くじゃないですか」
「なにを?」
「公園のセミを食用に取らないでくださいって」
「そういえば聞いた事あるかも」
「日本じゃそんなに一般的じゃないかもですけど、外国だと普通に食べる国もあるみたいですよ」
「そうなんだ」
まあ、日本でも一時期昆虫食が脚光を浴びた事もあったけど、なかなか一般的ではないよな。
野村さんは抵抗なさそうだけど、シルとルシェは絶対無理なやつだ。
「海斗先輩はセミとかダメな人ですか?」
「ダメというか、機会がないというか。でも俺も最初のモンスターミートはウーパールーパーだったしな〜」
「ウーパールーパーですか? それは結構くるものありますね。おいしかったですか?」
「かなりおいしかったよ」
野村さん、セミはいけるけどウーパールーパーはダメなのか。
まあ人それぞれだよな。