保護色
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更に奥へと進んで行くが、生い茂る草木の密度は更に濃くなり、見通しが悪くなってきた。
「これ、他の探索者どうやってるんだ?」
「ここに野営地かは考え辛いな」
「うぅ~絶対いや。海斗がいてくれてよかったわ」
確かに他の探索者の場合、ここから先に行こうとすれば野営する必要がある。
少なくとも目の届く範囲にオープンスペースと呼べる場所はない。
ここで夜を過ごすのはかなり厳しい。
特にうちのメンバー的にも不可能だ。
「そうですか? ちょっとわくわくするのです。夜のジャングルとか楽しそうじゃないですか?」
「ヒカリン、夜は虫も色々活動するかもしれないよ」
「それは無理です。無理なのです」
約一名例外がいたかと思ったけど、ここはジャングル。夜は虫がパーティをしてそうだし無理だよな。
「ご主人様、モンスターの気配がします」
「数は?」
「4体だと思われます」
シルの知らせに反応し、俺とベルリアが前衛に立ち、あいりさんが少し横に開いて前へと進む。
しばらく進んでもモンスターの姿は確認できない。
どこだ?
どこにいいる?
見通しが悪いせいでモンスターがどこにいるのかわからない。
突然ベルリアが踏み込んで白麗剣を振るう。
「ベルリア!」
「マイロード敵は上です」
全く気付かなかったが、攻撃されていたのか?
上?
どこだ?
もしかして木の上からの攻撃か?
咄嗟に前方奥の木の上部に視線をやるが、モンスターの姿は確認できない。
「来るぞ!」
今度はあいりさんが声をあげ薙刀を振るう。
どうやらあいりさんもモンスターを確認できているようだ。
「あいりさん、敵はどこですか! 俺には見えないです!」
「正面の上部だ。よく見てみろ。保護色だ」
保護色⁉
あいりさんの伝えてくれた場所を確認するが見つけられない。
ダンジョンではレベルアップによって視力も向上している。
それでも、見つける事が出来ない。
注視していると、突然何かがこちらへと放たれたのが視界に入る。
身体が反応し攻撃を避けるが、攻撃が放たれたその場所を凝視してようやくモンスターの姿を認識することが出来た。
モンスターは人型。
色は茶色に近い緑。
一度認識すればそこにいる事がわかるが、他の3体は確認することが出来ない。
『ブラックブレイド』
ベルリアが正面上部のモンスターに向け黑い刃を放つ。
黒い刃が前方を遮る草木を刈りながら敵へと迫るが、木の上で器用に跳ね避けられてしまう。
距離があり過ぎて、攻撃が見切られてしまっている。
俺が斬撃を飛ばしたとしても同じだろう。
「こっちからもだ!」
今度は左方向からも何かが飛んできた。
認識し辛い上に、上方からの攻撃。
厄介すぎる。