大蛇
ベルリアのタイミングは完璧だった。
完璧にとらえたはずの白麗剣を上空の蛇は頭を大きく反らすことで避けてしまった。
その直後、大蛇が反った頭を戻しベルリアに向け口から毒霧を吐いた。
「笑止、悪魔であるこの私に毒など効きませんよ」
ベルリアは大丈夫そうだけど上半身の服は煙を上げて溶け始めている。
ベルリアは意に介した様子もなく地上へと降りた大蛇をそのまま斬りつける。
「ギィイイイン」
金属がすれるような音が響き渡る。
ベルリアの一撃は、大蛇の胴を捉えてはいるが、思った以上に外皮が硬いのかダメージを与えるには至っていない。
「いやああああああ~! 『斬鉄撃』」
あいりさんが必殺の一撃を放つ。
あいりさんの薙刀の刃が外皮を突破し肉を断つが、完全な切断には至らない。
おそらくは骨で止まった。
ダメージを受け大蛇が身体を激しくくねらせ暴れる。
「キシャアアア」
薙刀が大蛇の身体に埋まったままのあいりさんも一緒に揺さぶられ、弾き飛ばされ木の幹へと叩きつけられる。
「ぐっ」
「あいりさん!」
あいりさんが体勢を崩されノーガードとなっている。
まずい。
すぐさまバルザードの斬撃を飛ばすが、やはりその外皮は硬く大蛇にダメージを与えるまではいかない。
『アイスサークル』
ヒカリンが大蛇を氷の檻でその場へと閉じ込める。
「ミク、あいりさんを!」
「わかった」
あいりさんを、まかせて俺は更に前に出る。
「ベルリアいけるか?」
「もちろんです」
大蛇を覆う氷がひび割れ、敵はその動きを取り戻す。
『アイスサークル』で氷漬けにする事は叶わなかった。
強い。
この硬さ、十九階層のメタルモンスター並みか?
大蛇へと駆け距離を詰め左右に分かれ攻撃をかける。
大蛇はベルリアへと頭をもたげ牙を剥く。
『アクセルブースト』
ベルリアが白麗剣を加速させ大蛇の牙へと刃を向ける。
「ギイイイイイン」
大蛇とベルリアが拮抗し、音を立てながら両者の動きが一瞬止まる。
俺は素早く、バルザードの刃を大蛇の首筋へと突き立てる。
切先が外皮に触れると強い抵抗感を感じるが、それはもう織り込み済みだ。
バルザードにイメージをのせ体重をかけ、押し込む。
痛みからあいりさんの時と同様に大蛇が激しく身体をくねらせ暴れるが、バルザードにしがみつき更に突き立てる。
かなりふられるが、予測さえしていればなんとか対応できる。
「シャアアアアアア」
大蛇が痛みに耐えかね、こちらへと顔を向けた瞬間勝負は決まった。
『アクセルブースト』
ベルリアが大蛇の首元へと白麗剣を突き立てそのまま薙いだ。
「この私を前によそ見をするとは愚かですね。あの世で悔いてください」
ベルリアが格好をつけてはいるけど、上半身裸だし、あいりさんに『ダークキュア』をかけるのが先だろ。
Tokyo mx 、BS日テレでは本日最終回。
作画や、ストーリー的な事は色々ありますが、とにかく最終回。
お楽しみに!