85
放送まであと2ヶ月。テレビ長崎さんでも放送決定です。
誰か関係者に長崎の方がいたのかわかりませんが、ありがとうございます。
「やっぱり、働いた後の魔核は最高〜!」
ベルリアを除いた三人が魔核を美味しそうに摂取している。
今回は数が多いのでその時間も長く、満足度も高いようで三人とも笑顔満面だ。
この階段を降りれば遂に20階層だ。
シルバーランク同様に中堅どころの冒険者の具体的な数値目標ともいえる階層。
下への階段を前にして何もする事がない事も手伝い感慨に耽ってしまう。
「海斗、どうかした?」
「いや、ここまで色々あったなぁと思って」
「そうね。特にこの一年、海斗たちに出会ってから私にとっては色々ありすぎるくらいあったわね」
「20階層だもんな〜」
もちろん、俺だってこの階層を目指してはいたけど、一階層で二年燻っていた時には夢物語。
自分とは違う世界の事のようにも感じていた。
それが、現実のものとしてすぐそこにある。
「ああああああああああ〜〜!」
俺がちょっと浸っていたら、それを打ち破る大声が上がった。
「あいりさん、急に大声でどうしたんですか? 虫かなんか出ました?」
「い、いや、そうじゃない。そんな事じゃない。85! 85!」
え〜っと、85? 85ってなんの事だ? 何かの暗号?
あいりさんがこんなに慌てているってよっぽどだ。
「あいりさん、落ち着いてくださいl
「海斗! これが、落ち着いてなんていられるか!!」
「はぁ」
今度はあいりさんが凄い剣幕だ。
あいりさんがこれほど取り乱しているのも珍しい。
だけど何にそんなに反応しているのかイマイチわからない。
あいりさんの周囲を見る限り特に変化は無さそうだけど。
「海斗、85だ。私が85!」
あいりさんの言っている意味がわからず、ミクとヒカリンに助けを求めて視線を送るが、二人もピンときて無いようで、困ったような表情を浮かべるだけだ。
「あいりさん、85ってなんですか?」
「海斗! 何を訳のわからない事を言ってるんだ。85といえばBPしかないだろう」
「えっ!? BP? あいりさんのBPが85って事ですか?」
「他に何があるんだ。おかしな事を言う」
あいりさんのBPが85?
「あいりさんのBPが85に達したって事ですか?」
「ああ、私もビックリだがシル様達の食事を待っている間手持ち無沙汰だからステータスを再確認してたんだ.そうしたらBPがちょうど85になってたんだ」
あいりさんのBPは確かまだ70いかないくらいだったはず。
という事はバイタルジュエルでBPが15以上いや20近くも上昇したってことか!?
バイタルジュエルってBPが5上がったりするんじゃなかったか?
そういえばミクがバイタルジュエルにもランクがあるって言ってたな。
もしかしてかなり高ランクのバイタルジュエルだったってこと?
ガチャ的要素があるのかもしれないけど凄い!
バイタルジュエルが高額取引されているというのも納得だ。
スライムとはいえ19階層のエリアボス。
そのドロップだし、普通のバイタルジュエルとは一線を画す効果があったみたいだ。