19階層主戦1
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『ヘルブレイド』
ベルリアが黒色の刃を飛ばし、ほぼ同時に俺もバルザードの斬撃を放つ。
その斬撃は確かに命中したように見えるが、ボススライムは完全に無傷。
『ファイアボルト』
ヒカリンが炎雷を放つが、やはりダメージは無さそうだ。
やはり19階層の主だけあって硬い。
魔法による足留めが効かず、遠距離からの斬撃もダメ。
魔法による直接攻撃もダメージは皆無。
この時点で、戦い方はかなり限定された。
近接からの直接的な攻撃。
それとシルとルシェによる力押し。
ここを抜ければもう20階層だ。
出し惜しみする理由もない。
「シル、ルシェ思いっきり頼む!」
「ご主人様、おまかせください」
「たかがデカいだけのスライム、さっさと消し炭にしてやるよ」
『神の雷撃』
『破滅の獄炎』
シルとルシェの攻撃が炸裂し、その圧で一瞬ボススライムの形状が歪んだように見えたが消滅する様子はない。
ルシェの獄炎はボススライムを炙っているが、それによりダメージを受ける様子もない。
まさかのノーダメージ。
ただのスライムでないことはわかっているけど、ここまで耐性があるのか。
防御特化のモンスター。
救いは、攻撃をしてこない事か。
そんな風に考えていたら、ボススライムがバウンドし、そして消えた。
いや、消えたように見えた。
「クハッ」
次の瞬間あいりさんの前へと現れ、咄嗟に薙刀を振おうとしたあいりさんは体当たりをくらい弾き飛ばされた。
「あいりさん!」
ヤバい。
俺の目では追えないほどのスピード。
あの巨体、金属の塊が猛スピードで突進してくるその衝撃は計り知れない。
倒れたあいりさんの上空へとボススライムが飛び上がった。
あいりさんはまだ動けない。
「させません」
ベルリアがあいりさんの所へ走り、上空に迫るボススライムに向け肉切り包丁を振るう。
肉切り包丁が火花を散らす。
「ぐっ、重いですね」
ボススライムはそのままベルリアの剣に乗る形で潰しにかかってきた。
「ミク、頼んだぞ」
ベルリアもあの巨体を長時間阻めるとも思えない。
あいりさんを庇いながらでは、ベルリアといえども制限されてしまう。
ミクにあいりさんの後退を介助してもらう。
俺はその間に気配を薄めベルリアの元へと走り、バルザードと白麗剣をマジックポーチへとしまい込み必殺を取り出し換装する。
大きいとは言っても所詮はスライム。
物理や魔法攻撃に強くても、これには耐性がないはずだ。
「くらえ、必殺殺虫剤ダブルブレス!!」
ベルリアに圧をかけているボススライムに向け必殺の一撃を放つ。
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