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第792 ジャグルの首

おかげ様でヤングチャンピオンコミックス モブから始まる探索英雄譚1はかなり好評のようです。

ただ、文庫版同様、最初の1週間の売り上げが運命の別れ道らしいです。今後の為にも、もう一押し欲しいのでまだの方は是非今日買ってください。できれば紙の本だと感謝5割増です。

よろしくお願いします。

ジャグルの巨体は砂埃の舞い散る中でもうっすらと確認することができた。

まだ、その巨体は消え去っていない。

でかいからなのか、あれほどの攻撃を一斉に受けてもまだ立っているのがわかる。

だが、今が攻めるべき時なのは間違いない。

倒すには脚よりも上の部分を斬り裂くしかない。


「ハァハァ……スナッチ、お願い。『フラッシュボム』よ」


ミクが恐慌状態を立て直し、スナッチへと指示を出すと、スナッチが光り始めて高速でジャグルへと飛んだ。

光の球と化したスナッチが砂埃の中のジャグル目掛けて猛スピードで迫るが、ヒットする寸前、ジャグルが手に持つ盾を使いスナッチの攻撃を防ぐ。


『キイィィィィン』


高音の金属が擦れ合うような音が聞こえ、火花のようなものが飛び散っているのが、俺の目にもうっすらと見える。

一瞬の均衡の後、スナッチはそのまま弾かれ、ジャグルは大きく後ろへとバランスを崩して、その場へと崩れた。


「スナッチ! 下がって!」

「わたしだってやれるのです。『アースウェイブ』」


背中からバランスを崩して倒れたジャグルをヒカリンの『アースウェイブ』が完全にその場へと縛りつけた。

ここしかない。

ジャグルの方へと飛び込むベルリアとあいりさんの姿も映る。

俺の手の届く位置にはジャグルの頭部か晒されているが、頭は兜でおおわれているので、狙うのは兜と鎧の継ぎ目、首だ。

俺は雷の魔刀を握り直し、脚を動かし再びジャグルへと襲いかかる。

おそらく普通の一撃ではジャグルの首を断ち切ることはできないだろう。


「おおおおおおあぁぁぁ! 『愚者の一撃』」


俺は今日二発目の『愚者の一撃』を雷の魔刀にのせて放つ。

魔刀の刃が『ズブリ』とジャグルの肉を断ち骨に当たる感覚があるがそのまま一気に振り切る。

刃が硬いものに擦れるような感覚があり、振り切った雷の魔刀が手元の部分を残して完全に折れた。

そしてジャグルの首はそのまま地面へと落ちた。


「やった……」


雷の魔刀は、俺の技量が足りなかったのか、それとも『愚者の一撃』に耐えられなかったのか完全に折れてしまったが、それと引き換えに十八階層主の首を落とすことができた。

最上ではないが、これだけの強敵を相手に上出来かもしれない。

俺は力を使い果たしてその場へとへたり込んだ。


「ルシール、やったな」

「……いえ海斗様、まだです」

「え?」

「ポーションを飲んで早く下がってください!」


ルシールの言葉に促され、慌てて二本目の低級ポーションを取り出し飲み下しそのまま後方へと数歩下がる。


「我の首を落とすとは、なかなかではないか。ここまでやられるとは思ってもみなかったぞ。褒めてやろう」


胴体から斬り離され、地面へと落ちたジャグルの頭部から声が聞こえてきた。

まさか、まだなのか。

いや、本当はわかっている。ルシールの反応を見ても、まだ倒せていないのは間違いない。

だけど、なんで。

この階層は死霊系のモンスターが多かったので、ジャグルもそれに当てはまるのかもしれない。

ただ、再生能力を持つほとんどのモンスターは首を落とせば消滅へと至っていた。

ジャグルの首は間違いなく落とした。

それでもこの階層主は消えないのか。

週間POSコミック売り上げBest500にランクインしました。

購入いただいた読者の方ありがとうございます。

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